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新潟・長岡市出身で小千谷高3年の山本翔瑛(18=MAXトレーニングジム)が、2月22日に滋賀で開催された全日本パワーリフティング選手権の男子サブジュニアクラシック部門(カレンダーイヤー18歳以下)83キロ級で、初の日本一に輝いた。
父潤さん(48=同)も21年の同選手権、40代の部93キロ級で金メダルを獲得している「超人親子」。翔瑛は8月の世界大会に日本代表として出場予定。次の目標をワールドチャンピオンに切り替えた。
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伝説超人(レジェンド)の父に続き、新世代超人(ニュージェネレーション)の翔瑛が全国表彰台のてっぺんに立った。2月の全日本選手権サブジュニア83キロ級で、スクワット=185キロ、ベンチプレス=140キロ(自己ベスト)、デッドリフト=200キロの計525キロで初優勝した。「納得のいく記録ではなく悔しさがありつつも、努力が報われたな、と。素直にうれしかった」。
根っからのアウトドア派で、小千谷高では3年間、登山部で活動した。パワーリフティングをするつもりはなかったが、高1の春に「記録が残って楽しい」と軽い気持ちで競技を開始した。だが、同年冬の記録会で同世代の選手たちに大差をつけられ、火がついた。
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そこからは私生活を全て競技につぎ込んだ。週1だった筋力トレーニングは鍛える部位を細かくプランニングして週5で実行し、学業は始発の電車内と授業に全集中。栄養士免許を持つ母の食事で体をつくり、夜9時には就寝する生活を続けた。
自分を律しながら努力を続け、素質を開花させていく。競技開始1年で出場した23年度の全国総体(74キロ級)は計342キロだったが、24年度4月の新潟県選手権サブジュニア(同級)で計415キロと一気にパワーアップ。5位に入賞した同7月の全国総体(同級)では計445キロをマークし、さらに同12月の新潟県秋季選手権サブジュニア(83キロ級)では計500キロと次々と自己ベストを更新していった。「体の柔軟性を身につければもっと記録は伸びる。自分の伸びしろに期待している」。まだまだここがゴールではない。
4月からは親元を離れて香川の四国医療専門学校に進学し、鍼灸あんまマッサージ師の資格免許取得を目指しながら世界の超人たちとの戦いに備え鍛錬する。日本王者として出場予定の世界選手権は8月にコスタリカで開催される。「世界は強い。総合優勝のレベルにはまだいないが、種目別のベンチプレスで金メダルを狙いたい」と大きな目標を掲げた。【小林忠】
〇…父潤さんは21年度の全日本選手権、40代の部93キロ級の日本チャンピオン。翔瑛の初Vで「親子で日本一」が決まった瞬間は漫画「キン肉マン」のタオルを広げ、ともに涙を拭きながら抱き合った。
普段はスポーツ、メンタルトレーナーとして県内外を飛び回っており、21年度の全国高校総体で準Vの帝京長岡男子バスケットボール部、24年度の春高バレー16強の長岡商女子バレーボール部など、指導するチーム、選手が相次いで好成績を残すことから「目標達成請負人」と呼ばれている。 自身の目標は26年度の同選手権、50代の部で優勝すること。「まだまだ息子に負けられません」。うれしそうに笑った。
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◆山本翔瑛(やまもと・しょうえい)2007年(平19)3月16日生まれ、長岡市出身。豊田小ではボーイスカウトで自然遊びを楽しみ、旭岡中野球部では6番右翼手。小千谷高では登山部で活動しながらパワーリフティングに励む。趣味はキャンプ、魚をさばくこと。愛読本は「キン肉マン」。178センチ、80キロ。
◆山本潤(やまもと・じゅん)1976年(昭51)8月21日生まれ、魚沼市出身。現在は中越高野球部、同高駅伝、帝京長岡高男子バスケットボール部、長岡商高女子バレーボール部でトレーナーを務め、オイシックス新潟の外部ストレングス総合アドバイザーも任される。長岡上達塾塾長。原田メソッド認定スポーツメンタルトレーナー。
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