【木村和久連載】不慣れなビギナーとの遭遇など、ラウンド中のトラブルを避ける方法を考える

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2025年03月25日 07:20  webスポルティーバ

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木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第48回

 コロナ以降のゴルフ新規参入者の増加は、目を見張るものがあります。団塊の世代のゴルフ引退によるゴルフ人口の減少が叫ばれていたなか、若い人たちが大挙してゴルフをやり始めたのは、誠に喜ばしいことです。

 我々ベテラン勢は、そうした"新人ゴルファー"を温かい目で迎えようじゃありませんか。

 ともあれ、不慣れなコースでのラウンドにおいては、戸惑っている新人さんたちをよく見かけます。それに対して、こちらはどう対処してあげればいいのか。お互いにトラブルを避けるラウンド方法を、あれこれ考えてみましょう。

 まず問題となるのは、これです。

(1)グリーン上でのスロープレー
 ビギナーは、グリーン周りのバンカーにつかまると、出したところでまた向かい側のバンカーにつかまって......と、往復ビンタのようなアクシデントが起こりがち。それで延々とプレーが続いたとしても、それは意図的ではないので、温かい目で見守るしかありません。

 むしろ、見ていてつらいのは、通常のプレーをしていて遅い場合です。毎回、パットを丁寧にやるのは結構ですが、どう見てもオーケーという距離でもしつこく打っている方がいます。競技会じゃないんですから、そこは同伴者がさっさとオーケーを出してあげましょうよ。

 そういったことが続くと、グリーンが空くのを待っているほうは、ついイラっとしてしまいますから。でも、いくらプレーが遅くても、パットを終えたらみんなが小走りに乗用カートへ向かっていった――もしそんな姿が見られたら、「自分たちは遅いプレーを自覚している」ということが周囲にも伝わってきます。好感度がアップし、後ろで待っているこちらのイライラも半減します。

 逆に言えば、我々が叩いて遅くなっても、小走りで乗用カートに向かえば、周りは温かい目で見てくれる、ということです。

(2)グリーンへの打ち込み
 グリーン上でプレーしているところに、後ろの組からバーンとボールを打ち込んでくる行為を「打ち込み」と言います。これは主に、自分の飛距離を把握できていない、伸び盛りの方に多いです。

 およそ35年間のゴルフ生活を振り返れば、バブルの頃にもよくありました。当時もゴルフをやり始めた方が多かったのでしょう。

 一番すごかったのは、後方からのボールがパットをしている我々のグリーンを越えていったこと。直接打ち込んではいないものの、どこかの国のミサイルにたとえるなら"領空侵犯"といったところでしょうか。

 今はネットにゴルフの情報が出回っているので、「打ち込みはいけない」というのはほとんどの人が理解しています。それゆえ、ここ10年以上は直接打ち込まれたことはありません。

 ただマナーとして、グリーン手前50ヤードまでは打ち込みと見なす、ということを理解していないビギナーが多いです。

 パッティング中、グリーン手前にボールがズドンッと落ちてきたりしたら、パットに集中することができません。だから、グリーンそばにボールを落とす行為も「打ち込み」と見なしているのです。

 誤ってグリーン手前に打ち込んでしまった。すると、グリーンにいる人が睨んできた――そういう場合は、次のインターバルで前の組に駆け寄って、「すみませんでした」と言えば済む話です。相手も「あ〜、いいよ。今度から気をつけてね」と返してきます。

 ところが、ビギナーのなかには、その際に打ち込んだと認識していない人がいます。あるいは、怖くて謝りにいけない人もいます。それで、バツ悪そうにして立っている青年を何度か見たことがあります。そうすると、結果的に礼儀を知らない人間、となりますのでご注意を。

 いずれにしても、何度も打ち込みされると、さすがに頭にきます。無意識なのか、意図的なのかはともかく、その場合はこちらも何か対策を考えないといけません。

 そういった時は、マーシャルに連絡して注意してもらいましょう。当事者同士でキツいことを言い合うと、喧嘩になりかねませんからね。

(3)隣のホールからの打ち込み、ロストボールへの対応など
 ビギナーの増加によって、隣ホールからのボールの打ち込みも増えています。ここ4〜5年、フェアウェーに謎のボールが落ちているな、というのをよく体験しています。

 昔は隣のコースにボールが飛んだ場合、林越えを狙ったリカバリーショットをしたものです。今は打ち返す自信がないのか、それをやる人は少ないです。隣のコースから打てる状況でも、ワンペナ扱いにして、自分のボールを拾って戻っていく、という人が多いような気がします。

 また、隣のホールに打ったボールをそのまま置きっぱなしにしている人もいたりします。おそらく2〜3ホール後に回収するつもりなのでしょう。だから、きれいなボールがフェアウェーに残っているんですな。

 というわけで、フェアウェーに落ちているボールは自分たちパーティーのものでなくても、誰かのものなので、そのまま放置しておいたほうが無難です。

 ついでに言っておくと、ビギナーの場合、とんでもないミスショットをして、人に当たりそうなところにボールが飛んでくることがあります。そういうビギナーは、「ファー」と言わないというか、言えない人が多いので、そういった気配を感じたら、注意を払うようにしましょう。自分の身は自ら守らねばいけません。

(4)悪いライの処置、バンカーのならしなど
 初心者はバンカーショットを打ったあと、レーキでならさなかったり、ならし方が中途半端だったりしますよね。おかげで、バンカーに入れてしまった自分のボールが靴跡の窪みにあることも......。

 従来は「あるがままに打て」が正式なルールですが、これってよくよく考えると人偽的にできた障害物ですよね。キャディさんがいる高級コースでは、最終的にキャディさんがバンカーをならすので、そういう状態は稀ですから。

 そこで、お気楽ゴルフ派としては、足跡などの窪みにボールが入った場合は、同伴プレーヤーの許可を取ってローカルルール扱いにして、バンカー内の窪みのないところにボールを動かしていいと思います。

 フェアウェーのディボット跡もそうです。ビギナー増加により、コースのディボット跡も増えたような気がしますし、砂を入れて直していることはほとんどありません。ですから、ボールがディボット跡に入ってしまった場合は、6インチプレースルールを使って、ディボット跡から避けて打つ、といった処置もありかなと。

 もちろん、6インチプレースルールの採用は、プレー開始前に同伴競技者と話し合って決めてください。突然そんなことをすると、「なんだそれ?」「聞いてないよ!」となりますから。

(5)最終的には直接迷惑をかけてこなければ寛大に
 先日も某コースで、乗用カート2台で"合体プレー"をしていた組がいました。グリーン周りに7人立っている光景は異様でしたよ。自分たちは後ろの組だったので、直接迷惑をかけられたわけではなく、何らクレームは出しませんでしたけどね。

 ゴルフをやっていると、自分はちゃんとプレーしているのに、あの組は2回ボールを打っているとか、ルール&マナー違反の場面をちょくちょく見かけます。それを言い出したらきりがないので、自分に迷惑がかかってくる場合だけ、クレームを言うなりの処置をすることにしています。

 各々のパーティーごとに、プライベート&ローカルルールが違います。処世術としては、あまり他人に干渉しない、というのがいいと思います。

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