
反抗期のわが子から浴びせられる暴言。心をえぐられるような思いがするものです。グッとこらえてスルーしたり、皮肉交じりのジョークで返したりと臨機応変に対応しているママも多いでしょう。なんとかやり過ごしているそんな日々のなかで、わが子が一線を越えるひと言を突きつけてきたら……? ママのガマンも限界かもしれません。
息子に吐かれた「消えろ」の言葉。本当に消えていい?
ママスタコミュニティにも息子さんのひと言をきっかけに、人生を虚しく思い始めたママからのトピックがありました。
『中学3年生の息子に「消えろ」と言われました。私はこのまま生きていていいと思いますか? 看護師をしているので地方に応援ナースとして就職すればいい給料がもらえそうだし、私が家からいなくなるしで一石二鳥ですよね。関係ない娘に迷惑がかかるのはかわいそうだけど』人に向けた「消えろ」は、言ってはいけない言葉のひとつ。いくら反抗期だからといって、許されるものではありません。そこに至るまでにどんな経緯があったのか気になります。
『昼食の時間になったのでご飯を出したら「これ、食えっていうの!?」と言ってきたので、息子の分は下げて私ひとりで食べ始めました。それまで息子は動画サイトを観ていたのですが、「チャンネル変えてもいい?」と聞くとリモコンを渡してきたので、テレビ番組に変えました』高校受験が間近なのに、午前中ずっと動画を観ていた息子さん。もともとテレビ経由での動画サイトは、そこに他の家族がいるときは観ない約束になっていたといいます。そしてチャンネルを変えたときに言われたのが、「消えろ」。ダンナさんは「今は受験前だから、刺激しないで放っておこう」と言っているそうですが、「自分はあまり反抗をされた経験がないので、私の気持ちがわからないのかも」。
投稿者さんは今は家庭のこともあり、バリバリ働くのが難しいのかもしれません。しかし、単身で地方に行けばそれも可能。人手が足りない医療機関で即戦力として働くことになる応援ナースは、一般的な看護師よりもお給料がいいとされているようです。本当に消えて……しまいますか?
受験前の大事な時期。暴言はスルーするのが一番?
コメント欄にはさまざまな反応がありました。受験を控えた息子さんの気持ちを考慮し、「放っておけばいい」という意見も。
『受験直前ならスルーしておけばいいのに、なぜ刺激するの? おいしいご飯を作って、健康面だけ気にしてあげていればいいよ』
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『反抗したい年頃なんだろうね。「消えろ」も、もちろん本心じゃないと思う。偉そうなことは言うけど、まだまだ甘えたいんだろうな』出されたご飯にケチをつける。パパにはあまり反抗しないのに、ママには言いたい放題。息子さんがどれだけ投稿者さんに甘えているかが、長くはない投稿文からもよくわかります。
『養われている身で、何を言っているのかという感じ。息子が出て行けばいいと思う』こうした意見も目立ちました。家族の生活を支えて回しているのは息子さんではなく、投稿者さんです。もし家から一方が消えるとしたら、当然息子さんではないでしょうか。ママが家から消えればダンナさん、娘さん、そして当の息子さんも困ります。しかし、息子さんが消えたとしても誰も困りません。もちろん感情は別ですが。
その言葉は一線を越えている。ママのありがたみをわからせるには
『「反抗期だから仕方がない。ガマンするしかない」と言う人もいるけど、反抗期を免罪符に何を言っても許されるわけじゃない。そんなに親がウザいなら、全寮制の高校に行けばいいのに』息子さんの言葉は、一線を越えるものでした。ただ、救いがあるとすれば、”それ”を普段から連発している様子ではなさそうなこと。今回が初めてだったのかもしれません。
『うちも中3。「消えろ」「しね」なんて、しょっちゅう言われている。ムカつくよね。たまに本当に消えたら後悔するかなと考えてしまう。ダンナに一度ガツンと言ってもらったら、少しマシになったけど』
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お子さんに同様の仕打ちをされ、ダンナさんも気持ちを理解してくれなかったという方からは、こんなアドバイスが届きました。
『家族があまりに私をないがしろにするので腹が立ち、今は月に2日間家をあけてビジネスホテルに泊まるように。母のありがたみを理解してほしいし、夫にも妻の苦しみを理解してほしくて。ホテルステイをするようになってから私もリフレッシュできるようになったし、家族の態度も変わったよ』本当にママが消えたら家がどんなことになるのか、身に沁みてわかるのではないでしょうか。参考にできそうです。
とはいえ今は受験前ということで、今回だけはスルーしてあげてもいいのでは。次もあった場合は、ダンナさんからの一喝を。受験が終われば、息子さんのイライラも少しは落ち着くかもしれません。今が正念場と腹をくくり、一旦だけ大人の余裕を見せてはどうでしょうか。さらに受験が終わったあかつきには、娘さんを連れ数日旅行に行くのもよさそうです。ママが本当に消えたら家がどうなるのか、実際に体験してもらいましょう。今は「私はいつでも”消えるカード”を切ることができる」と考えれば、少しはガマンもしやすいのではないでしょうか。
文・鈴木麻子 編集・すずらん イラスト・マメ美
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