重賞に初挑戦するセルズパワー(24年10月撮影、ユーザー提供:ワラビさん) 春のクラシック出走へ賞金加算を狙う各馬が集結する毎日杯(3歳・GIII・芝1800m)で“クラシック登録を行なっていない”セルズパワー(牡3、栗東・牧田和弥厩舎)が重賞初制覇を目指す。
セルズパワーは父サトノアラジン、母ファーマペニー、母の父ジャングルポケットの血統。母はJRAで1勝。母のいとこのトーセンクラウンは10年の中山記念の覇者。曾祖母の全兄のサンデーサイレンスは89年の米年度代表馬に選ばれた名馬にして、日本競馬界に革命をもたらした歴史的名種牡馬だ。
ここまで7戦1勝。2走前に中京ダ1400mで初勝利。続く前走の1勝クラスではデビュー戦以来となる芝に挑戦し、タイム差なしの3着に健闘した。今回は一気の相手強化、さらには1800mへの距離延長とあって楽ではないが、いい力試しになるだろう。
クラシックへの出走を目指す馬は全3回の3歳馬5大特別競走の登録、いわゆる「クラシック登録」を行なっているのだが、実はセルズパワーは昨年10月の第1回クラシック登録こそ行ったが、今年1月の第2回クラシック登録を見送っている。そのため、仮に毎日杯を勝って賞金加算できたとしても、皐月賞や日本ダービーに出走するには追加登録料の200万円がレース毎に必要となる。
過去の追加登録組をチェックすると、99年の皐月賞をテイエムオペラオー、15年の菊花賞をキタサンブラックが制するなど、6頭がクラシックウイナーに。また、今年のスプリングSではクラシック登録のないフクノブルーレイクが2着に食い込み、皐月賞の優先出走権を獲得している。セルズパワーはいい意味で陣営の期待を裏切る走りができるか。その走りに要注目したい。