
「ビール」から「ピール(果皮)」へ。サントリーは、ビール好きに向けた新商品“レモンピールサワー”「THE PEEL(ピール)」を4月1日に市場投入すると発表した。ビール党だという俳優の大泉洋さん、斎藤工さん、池松壮亮さんをブランドメッセンジャーとして新テレビCMに起用。大泉さんは「サワーだけど甘過ぎない。ビール好きに飲んでもらいたい」とアピールした。
▽ビールユーザーをRTD市場に
「THE PEEL」は、ジャンルとしては缶チューハイやハイボール缶などと同じRTD(Ready to drink=レディ・トゥ・ドリンク)といわれる「すぐに飲めるお酒」だ。3月25日に東京都内で開催した「THE PEEL商品説明会」に登壇したサントリー常務執行役員の多田寅(すすむ)ブランド部門長兼ビール・RTD本部長は、この10年間でRTD市場が約2倍に拡大し「引き続き伸張を見込めるマーケットだ」と説明した。
サントリーは「ほろよい」「こだわり酒場」「−196」といった商品を展開し、RTD市場の約40%のシェアを持っているという。ただ、ビール好きにとってRTD商品は「甘くて食事に合わない」「本格・品質感が低い」といったイメージが強く、多田氏は「約2000万人のビール類ユーザーがRTDを飲まない」と分析。中でも第3のビールなどではなくザ・プレミアム・モルツなど本格的なビールを飲む「狭義ビール購入者」(約1200万人と推計)は、RTDに求めるイメージが実際との乖離(かいり)が大きいとして、この層をターゲットにした「狭義ビールとRTDの『境域』に位置するRTD新商品の開発を進めてきた」という。
▽果皮100%のこだわり
新商品「THE PEEL<レモン>」の最大の特徴は「果汁」ではなく「果皮」の採用だ。開発を担当したスピリッツ・ワイン商品開発研究部の米澤知絵さんは「レモンの果皮を使う南イタリアの伝統酒『リモンチェッロ』に着想を得た」と話した。果皮は果汁に比べ香り成分やポリフェノールを多く含有しているといい「果皮の原料酒にこだわったことで、レモン果汁を使わず、果皮100%のレモンスピリッツができた」と強調。味については「レモンならではの香りとほろ苦さが特徴」と説明した。
▽ビール好きの2人も絶賛
商品説明会と合わせて行われた新テレビCM発表会には、大泉洋さんと斎藤工さんが登場した。自他共にビール好きを認める大泉さんは「サワーだけど果皮なので甘過ぎない。ビールを飲んだときのような喉ごしがある」と絶賛。斎藤さんは「いろんな料理に合う。イタリア料理だけでなく、これからの花見にもいいのでは」と話し、北海道出身の大泉さんは「ジンギスカンにも合う」と同調した。
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テレビCM「果皮の逆襲」でレモンの皮をむくシーンがあることから、2人は壇上でレモンの皮むきに挑戦。さらに大泉さんは、この日サントリーの「CSO(チーフ・サンプリング・オフィサー)」に就任し、「THE PEEL<レモン>」のPR活動に力を入れることを宣言した。
「THE PEEL<レモン>」は、アルコール度数5%、350ミリリットル缶の希望小売価格が167円(税別)、500ミリリットル缶が228円(同)。