
スピーカーを内蔵した畳からの振動や音に合わせて息をすることで、ストレスや自律神経の乱れなどで浅くなった呼吸を理想的な呼吸に導くという体験装置「呼吸の間」の発表会が3月25日、東京・原宿で開かれた。正座、あぐら、ごろ寝と自由な格好で畳に接し、呼吸に集中すれば“ととのう”体験ができるという。装置を開発した八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会(熊本県八代市)は「国産畳やい草が持つリラクセーション効果の特徴を実感してもらえれば」として、一般向け体験イベントを3月28日から30日まで原宿で開催する。
スピーカー4個を内蔵した1畳分の「TATAMI SPEAKER」は、2024年7月から27万4780円(税込み、送料別)で販売している。今回の体験に使われるのはスピーカー3個で半畳の大きさ。畳から伝わってくる振動の強弱に合わせ、息を3秒吸って、6〜10秒かけて吐き、3秒止める。これを10サイクル繰り返す。体験者の後ろのスクリーンには、畳の振動とセンサーで感知した体験者の呼吸が、色違いの同心円で映し出され、振動と呼吸の同期具合が可視化されるようになっている。ブルートゥースを搭載しており、呼吸体験のほかにも、スマートフォンなどの好きな音源を再生できる。
監修した呼吸コンサルタントの大貫崇さんは「安静時の呼吸が1分間に6回になると、うつ症状がよくなるとか血圧が下がるとか、いろいろな良い効果があるとする論文が出ている。『呼吸の間』は、日本人が古来慣れ親しんだ畳という空間で、すべての感覚を呼吸に集中できるよう工夫されている。ぜひ体験してみてほしい」と話している。
今後は、温浴施設の休憩室やオフィスの和室スペースなどでの利用を想定。呼吸体験ができる音源の配布も検討しているという。一般向け体験イベントは3月28日(金)から30日(日)まで、東京都渋谷区の東急プラザ原宿「ハラカド」3階「STEAM STUDIO」で開催される。
八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会は、畳表の保護・継承を目的に、日本一のい草産地である八代地域の生産者団体、企業、行政が一体となって2019年に設立された。全国の畳表生産枚数は全盛期(1989年)の4%以下にまで激減しており、国産畳表の絶滅が危惧される状況になっているという。
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