左より・1段目)窪田正孝、三浦透子、大貫勇輔/2段目)吹越満、成河、森山未來舞台「チ。ー地球の運動についてー」の上演が決定した。
15世紀ヨーロッパ「P国」では、「C教」と呼ばれる宗教が生活の中心となっていて、「C教」の教えに反するものは“異端思想”として拷問や処刑で激しく弾圧されていた。神学を志す12歳の神童ラファウは、ある日、禁じられた思想、地動説を提唱する男と出会い、宇宙の法則に魅せられる。彼は知的探求の末、地動説の研究にのめりこむが、やがて異端審問官ノヴァクに目をつけられる。
時が流れ、ラファウの信念は多くの人々の手を渡りながら受け継がれていく。一方、ノヴァクは、以前にも増して執拗に異端者を取り締まるようになっていた。知的探求心に突き動かされ、命を懸けてまで真理を追い求める人々。歴史の流れの中で、信念が人々を繋いでいく――。
本作は、アニメーション化もされた魚豊の同名漫画の舞台化。地球の真理を知ることに魅せられ、命を懸ける人間たちを描いた衝撃作。舞台化にあたり、身体表現・芝居・歌や演奏を融合させ、新たな物語が劇場に生まれる。
キャストには、窪田正孝、三浦透子、大貫勇輔、吹越満、成河、森山未來と、身体能力も高い俳優陣が集結した。
演出は、ミュージカル「100万回生きたねこ」や百鬼オペラ「羅生門」のアブシャロム・ポラック。脚本の長塚圭史と共に、漫画の魅力をライブパフォーマンスとして立ち上げていく。また、音楽は阿部海太郎、振付はエラ・ホチルドと、世界で活躍するクリエイターを迎える。
なお、配役やチケット販売情報などは、後日発表となる。
コメント
窪田正孝
「私たちの人生はどうしようもなくこの時代に閉じ込められている。それでも、この世に期待したい。」
原作の真理に満ちた文字たちが脳に響き渡ったあの感覚が今でも忘れられません。
「チ。」を舞台で体現できる喜び、スタッフキャストの美しさ。
僕にとって紛れもない正義を与えてもらいました。
持てる全てを曝け出し挑んでいきたいです。
三浦透子
原作を拝読し、学ぶ自由、疑う自由との戦いに心が震えました。芝居・踊り・歌、様々な表現を通して創る作品の世界を体現できるよう、出来うる限りの心と時間を費やす覚悟です。沢山の方に愛されているこの「チ。」という作品に最大限のリスペクトを持ち、スタッフ・共演の皆様から学びながら、自分の表現を磨いていければと思います。
大貫勇輔
僕が大好きな漫画である、「チ。」に参加できることが、本当に嬉しいです!
演出のアブシャロムさんと森山未來さんとは『100万回生きたねこ』の初演以来。素晴らしいキャストの方々と、世界初演のこの作品をクリエイションできることにすごく興奮しています!主人公が何人も出てくるこの入り組んだ作品をどう形にしていくのか。尊敬している長塚圭史さん、海太郎さんの脚本と音楽も今からとても楽しみです。
皆様もきっと観たことないであろう世界、楽しみにしていてください!
吹越満
だいたいの舞台というものは、大きく3つの種類に分けられる。
例えば、(1)10cmは10cmである舞台。(2)10cmを2cmとする舞台。(3)10cmを1メートルでみせる舞台。(4)10cmを50グラムで表現する舞台。(5)10cmとは雨に濡れる赤いハイヒールである、な舞台。
んあ?あ、5つか。いや、嘘つきましたすいませんつまりは、種類は無限にあるんでしょう。しかし、嫌いなものをたくさん発見してもしょうがないのです。いつもの慣れたものでお茶を濁すより、無限にあるものの中からまだみぬお気に入りを探す。
アブシャロムさんとの仕事は、そんな感じになるといいです。楽しみです。
成河
アブシャロムというひとは凄いひとです。凄い役者で、凄い演出家です。『100万回生きたねこ』の時、僕は彼から俳優として身体操作すること、その深み、喜びを学びました。さらに、ねこ先輩である森山未來さんまで一緒とは。まるでご褒美のような気分です。原作のエネルギー迸る作画と、加速力ある物語。このメンバーでなら、未だ誰も足を踏み入れたことのないような舞台化の領域を探索出来ると確信しています。
森山未來
以前より愛読していた「チ。」を、心から信頼するクリエイター・キャスト陣と共に舞台化できることを嬉しく思っております。いつの世も混沌とした人間世界ではありますが、この作品が、コペルニクス的転回とまでは言わないまでも、みなさまが日々を生きる地球への見方を少しでも変容させるものになることを願っています。
舞台「チ。ー地球の運動についてー」東京公演は10月、新国立劇場 中劇場にて上演予定(※11月ツアー公演あり)。
(シネマカフェ編集部)