【プロ野球】山本昌&岩瀬仁紀が考える2025年中日ベストオーダー「すべては4番サード・石川昂弥にかかっている」

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2025年03月27日 08:20  webスポルティーバ

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山本昌×岩瀬仁紀 レジェンド対談(中編)

 中日ドラゴンズOBの山本昌と岩瀬仁紀による"レジェンド対談"。中編のテーマは2025年の中日打線。課題の得点力をアップするためにどのようなオーダーを組めばいいのか? 打線のキーマンは?

【石川昂弥にかかる期待】

── 今回はおふたりが考える、2025年中日ベストオーダーを発表していただこうと思います。

山本昌 これは自信があるんですよ(笑)。

岩瀬 そうなんですか?

山本昌 キャンプでいろいろと取材させてもらったので。上位は1番・岡林勇希、2番・村松開人、3番・福永裕基。岡林はあまり報道されていないように感じますが、この時期に報道されないということはいい傾向なんです。故障してしまった昨年と違って、今年は順調ということですから。ショートは村松以外に候補はいるかな?
※対談後、福永裕基はオープン戦で負傷し戦線離脱となった

岩瀬 守備は土田龍空のほうが、守備範囲が広くていいとは思います。ただ、打撃は村松のほうが上ですね。

山本昌 村松はパンチ力があるし、守備だって決して悪くない。福永は昨年に3割を打つまでになった。2022年のドラフト最下位から、こんな選手が出てくるのだからすごいよね。日本新薬で臨時コーチをしていた宮本慎也(元ヤクルト)が、福永のことを「反対方向にも飛ばせるいい打者」と褒めていたのを思い出したよ。

岩瀬 あとは石川昂弥次第じゃないですか?

山本昌 そうそう。

岩瀬 昂弥を4番として使うのか、それとも思い切って外すのか。その選択を迫られる年になると思います。

山本昌 昂弥は凡打の形が悪く見えてしまうところがあるんだよね。本人は一生懸命に振っているんだけど、凡退時のスイングがゆるく見えてしまう。

岩瀬 食らいついていく感じが伝わりづらくて、印象が悪くなってしまうのかもしれませんね。

山本昌 それでも、力がある選手なのは間違いない。故障なく打率.280、15本塁打のラインを超えたら楽しみです。

岩瀬 昂弥がそれくらいの成績を残せたら、チームとしても上位にいけると思います。

【正捕手は誰にすべきか?】

山本昌 新外国人の(ジェイソン・)ボスラーは、ここまでは実戦で好調だね。インコースの球をきれいにさばけるし、低めのボール球にバットが止まる選球眼もある。

岩瀬 インローが一番飛ぶバッターですね。才木浩人(阪神)から場外本塁打を打って話題になっていますけど、僕はまだ半信半疑なんです。

山本昌 あぁ〜、左投手の外のスライダーにどう対応するかだね。

岩瀬 そうなんです。本人も苦手意識があるようなので、なんとか克服してもらいたいです。

山本昌 ボスラーがレフトではまらなかった場合は、どこでも守れる(オルランド・)カリステや、バッティングのいい上林誠知、ベテランの大島洋平もいる。若手なら鵜飼航丞、ブライト健太も。ボスラーが5番に入ってくれれば、細川成也を6番で使えて面白い打線が組めると思うんだけど......。

岩瀬 あと、調子がよければ中田翔を7番にしたいです。彼が7番にいたら、相手は怖いですよ。

山本昌 今年は減量をしたけど、フリーバッティングの音が一番よかったので楽しみにしているんだ。あとは捕手をどうするか。実績のある木下拓哉、打撃のいい宇佐見真吾、肩の強い加藤匠馬もいる。

岩瀬 僕は石伊雄太か石橋康太を使うと面白いかなと思っています。

山本昌 あぁ〜、石伊はルーキーだけど、あれだけの肩を見せられるとね。あとはバッティングがどうなるか。

岩瀬 打つほうも課題ですけど、何よりリード面ですよね。ここまでは投手が石伊のサインに首を振る回数が多いと感じます。開幕までにプロのリードを覚えて、宏斗との相性次第では開幕マスクもありかなと。

山本昌 その可能性は十分にあるね。石伊にしても石橋にしても、打率.230〜.240を残せれば、首脳陣も「使いたい」と思うはず。最近の中日捕手陣は「帯に短し襷に長し」という状況だったけど、柱になる捕手が育ってほしいです。

岩瀬 守備面を考えても、昂弥がポイントなんですよね。サードを昂弥で固定できるなら、ほかのポジションも動くことはありません。昂弥が固まらなければ、福永、ボスラー、中田、カリステ......とみんな動くことになります。

山本昌 昂弥が4番・三塁で1年間通して戦えるかどうかがカギだね。井上一樹監督も「昂弥を育てたい」と言っていたから、期待したいね。

岩瀬 あとは(本塁打が出にくい)バンテリンでどうやって点を取るかですね。

山本昌 足をどう絡めるかだけど、今まで名前を挙げた選手はシーズンに入ると意外と盗塁は多くないんだよね。樋口正修、尾田剛樹といった足の速い選手がスペシャリストになれるか。代打には宇佐見など打力のある選手が控えている。中日を最下位予想にする評論家が多いけど、十分に戦える戦力だと思うよ。

岩瀬 僕は昂弥次第で3位以内もあると思っています。

つづく


山本昌(やまもと・まさ)/1965年生まれ。神奈川県出身。日大藤沢高から83年ドラフト5位で中日に入団。5年目のシーズン終盤に5勝を挙げブレイク。90年には自身初の2ケタ勝利となる10勝をマーク。その後も中日のエースとして活躍し、最多勝3回(93年、94年、97年)、沢村賞1回(94年)など数々のタイトルを獲得。2006年には41歳1カ月でのノーヒット・ノーランを達成し、14年には49歳0カ月の勝利など、次々と最年長記録を打ち立てた。50歳の15年に現役を引退。現在は野球解説者として活躍中。

岩瀬仁紀(いわせ・ひとき)/1974年11月10日、愛知県生まれ。西尾東高から愛知大、NTT東海に進み、98年のドラフトで中日を逆指名し2位で入団。入団1年目の99年シーズン途中から勝ちパターンの一角を担い、最優秀中継ぎ投手賞を受賞。その後も中継ぎで起用され、2004年からは抑えとして5年ぶりの優勝に貢献。12年にはセ・リーグ史上最多の5度目、また最年長記録となる最多セーブのタイトルを獲得。18年9月28日の阪神戦でNPB初の1000試合登板を達成し、同年現役を引退。19年からは野球解説者として活動。25年に野球殿堂入りを果たした

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