水素を電力に換える燃料電池=27日、ドイツ・ミュンヘン近郊 【ミュンヘン時事】パナソニックは27日、ドイツ南部ミュンヘン近郊の事務所兼ショールームで、使用電力を再生可能エネルギーで100%賄う実証実験を始めた。既設の太陽光発電と、水素を電力に換える燃料電池を組み合わせる。日英の工場で同種の実験を行っているが、今回は需給調整に使っていた蓄電池を省き、コストを抑えた。2030年以降の商用化を目指す。
太陽光での発電が見込めない夜間や悪天候時に、足りない電力の分だけ自社開発の燃料電池を稼働させる。製造過程で二酸化炭素(CO2)を排出しない「グリーン水素」を採用し、独国内やオーストリアから調達する。
パナソニックの重田光俊常務は、水素を使った再エネ導入事業について、「30年代に年1000億円の売り上げを目指す」と展望を語った。今後実証データを基に、英マンチェスターなど温暖化対策に熱心な自治体と連携し、実用化を図る。