最大10万円アップも!2025年度、7割超の企業が初任給を引き上げ

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2025年03月28日 11:31  All About

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2025年は、物価の上昇や人材不足を背景に、多くの企業が賃金の見直しを進めています。帝国データバンクが実施した「初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)」によると、71%の企業が前年度から初任給を引き上げると回答しました。この記事ではアンケート結果と、初任給引き上げを発表した企業の一部を紹介します。
2025年は、物価の上昇や人材不足を背景に、多くの企業が賃金の見直しを進めています。

帝国データバンクが実施した「初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)」によると、71%の企業が前年度から初任給を引き上げると回答しました。

7割超の企業が初任給を引き上げ、引き上げ額の平均は9114円

このアンケートは全国1519社を対象に、2025年4月入社の新卒社員に支給する初任給について尋ねたものです。

初任給の引き上げ状況について回答した企業のうち、「引き上げる」と回答した企業は71%と約7割に達しました。これに対し、29.0%の企業は「引き上げない」と回答しています。

また、引き上げ額の回答については、「1万〜2万円未満」が41.3%と最も高く、引き上げ額の平均は9114円でした。
画像出典:株式会社帝国データバンク

初任給を引き上げる企業からは、「物価上昇のなか、社員の生活のために初任給を引き上げる」といったコメントが寄せられた一方で、初任給を引き上げない企業からは、「物価が上昇中で利益が出ない状態のため、初任給引き上げの原資がない」といった声もあり、厳しい経営状況もうかがえました。

大手企業の初任給引き上げ額、最大10万円アップも!

2025年に入ってから、大手企業が相次いで賃上げや初任給の引き上げを発表し注目を集めています。

具体的にどのような企業が、どの程度の引き上げを実施するのでしょうか。一部の企業の初任給を見てみましょう。

・KDDI株式会社
初任給(ベース):30万5000円(2万5000円増)
実施時期:2025年4月入社より適用

・株式会社りそな銀行/株式会社埼玉りそな銀行
初任給(ソリューションコース・専門コース)​:​28万円(2万5000円増)
実施時期:​2026年4月入社より適用​

・株式会社丸井グループ
初任給(大学卒)​:​31万5000円(3万5500円増)
実施時期:2025年4月入社より適用

・三井化学株式会社
初任給(学士卒・新卒総合職):28万円(2万4000円増)
実施時期:​2025年7月1日より適用
※​2025年4月入社の新入社員も同年7月より、初任給の引き上げを実施

・大和ハウス工業株式会社
初任給(大学卒)​:​35万円(10万円増)
実施時期:​2025年4月1日入社より適用

・SBIホールディングス株式会社
初任給:​34万円​(4万円増)
実施時期:​2025年4月1日入社より適用

各社は初任給を引き上げる一方で、既存社員に対しての給与ベースアップも予定しています。例えば、KDDIは基幹職(非管理職)の社員に対し1万2000円のベースアップ、大和ハウス工業では従業員の給与水準を改定し年収で平均10%アップ、SBIホールディングスは入社3年目までの社員の給与テーブルを10%引き上げるとしています。

初任給の引き上げは、新卒採用の競争力を高める一方で、企業によっては既存社員の給与を見直す動きも見られます。特に人材確保が重視される中で、給与の水準を引き上げることは、働く人のモチベーションアップにもつながるでしょう。

一方で、企業ごとに対応は異なり、初任給のほか全体的な待遇改善を進めるかどうかは、それぞれの経営判断に委ねられています。物価上昇が続く中、企業がどのように給与や待遇を調整していくのか、今後も注目されます。
(文:All About 編集部)

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