万博公式ガイドブック、イラスト“下書き段階”で掲載して公式謝罪　経緯・対応を発表　文章にも誤り

　3月19日発売の『2025年日本国際博覧会 大阪・関西万博 公式ガイドブック』に“描きかけ”のイラストが掲載された問題を受け、28日に、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会（万博協会）と出版社のJTBパブリッシングが、ともに謝罪コメントを発表した。

【写真】完成品ではなく、制作途中で掲載　万博「公式ガイド」イラスト提供者が訴え

　万博協会は、公式サイトを通じて「このたび、『2025年日本国際博覧会 大阪・関西万博公式ガイドブック』（日本語版、英語版）において、制作者の方の意図に反して制作途中のイラストを誤掲載したことがわかりました。ご購入いただいた方ならびに関係者の皆様には大変なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。また、イラスト制作者の方にご不快な思いをさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪。

　続けて「書籍については、完成イラストを記載した訂正表の差し込み、博覧会協会HPおよびJTBパブリッシングHPでの訂正の告知、重版時には完成したイラストの掲載を、電子書籍版については、完成したイラストに差し替えるなど対応を進めてまいりたいと考えております。この度は大変申し訳ございませんでした」と記した。

　具体的に、P300-301「わたしたちの未来社会はどんな世界？」に掲載のイラストが完成版ではなく、下書き段階のものだった。

　JTBパブリッシングも同社サイトで「ご購入いただいた方、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会様ならびに関係者の皆様には大変なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。また、イラスト制作者にご不快な思いをさせてしまいましたことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪。

　対応について「博覧会協会様HPおよびJTBパブリッシングHPにて訂正の告知を行うとともに、電子書籍については、完成したイラストに差し替えます。販売中の書籍については完成イラストを掲載した訂正表を差し込み、重版時の修正版には完成したイラストを掲載いたします」と記し、完成版イラストを掲載した。

　あわせて「※イラスト上に編集者が記載した文章に一部誤りがありました。合わせて訂正させていただきます」とも伝えた。

　万博公式ガイドブックをめぐっては、誤り記載が複数見つかっている。絵本作家の青山邦彦氏は、27日までに自身のXを通じて「前代未聞な事が起きました！」と明らかにし、「未来都市」のイラストが制作途中で掲載されたと訴えていた。

■イラスト誤掲載の経緯
ページデザインの制作時、イラスト制作者には下書き段階のイラストを写真に撮って送っていただき、それを使用していました。校正の過程で、お預かりしていた完成版に差し替えるべきところ、弊社と印刷会社との間におけるデータの確認が不十分であり、下書きを最後まで差し替えることなく発行に至ってしまいました。

本件に関してご迷惑をおかけしましたイラスト制作者、ご購入いただいた読者の皆様、博覧会協会様および関係者の皆様には、深くお詫びを申し上げます。
二度とこのようなことが起こらないように再発防止に向けて取り組んでまいります。