
準備段階からトラブルが続出している大阪万博で、また新たなトラブルが発覚した。3月26日に、大阪万博のガイドブック内のイラストを担当していた絵本作家が、《前代未聞な事》としてXに告発文を投稿。「レイアウトの検討に必要」と言われて送った未完成のイラストを、そのままガイドブックに載せられてしまったと明かした。
予算は膨らみ続け…
万博の杜撰さは、今に始まったことではない。
会場の最大の目玉である木製の大屋根「リング」の足元では、海水による地盤の侵食が発生。問題は参議院内閣委員会で取り上げられ、伊東良孝万博担当相も、「なぜコンクリートか何かで固めなかったのかと思う。ごくごく当たり前の波がきたら崩れてしまうように思った」と、その杜撰さを認めていた。
また、予算が増え続けている点も非難の的となっている。建築費は当初1250億円と見込まれていたが、のちにほぼ倍の2350億円まで膨れ上がった。
「増額の主な理由は、人件費や建築資材の高騰です。昨年末には、来場する海外VIPや会場内の安全確保のために、警備費が55億円増額されました。大阪府と大阪市の負担費用は約1348億円だとされており、これも2022年の見込み予算から22億円以上増えています。
|
|
2024年3月には、大阪市民の負担について、1人27000円になると発表されました。物価高で苦しんでいるなか、興味のないことにお金を使われる人々からは、当然ながら不満の声が上がっています」(経済誌記者)
そんな中、発生した冒頭のトラブル。
イラスト作者の青山邦彦氏によると、ガイドブックに掲載された未完成イラストは、スマホで撮影して編集部に送ったもの。Xには「ガイドブックに載ってしまった未完成状態」と「本来載るべき完成品」の画像も投稿されており、比べてみると違いは一目瞭然だ。
「回収・やり直し案件」
その後の投稿で作者は、《編集部に知らせたら驚いてました》と状況を説明。描き込みも色塗りも中途半端なスマホで撮影したイラストが、作者への最終確認も取られぬままガイドブックに掲載された以上、依頼した側の管理体制に問題があると思われても仕方がない。編集部の杜撰な対応にネット上では、
《また出たよ……万博、本当に大丈夫?管理体制どうなってるの?》
|
|
《回収・やり直し案件だけど、一度出回ったものについてどこまで責任を取ってもらえるのか……》
《始まる前から問題しか起こってなくて、全く良いイメージが持てないんだけど》
と、批判の声が続出している。
「イラストを担当した青山邦彦氏は、建築設計事務所勤務を経て絵本作家になったという経歴の持ち主で、今回の絵のように都市や建物の絵を得意としています。
Xでは3月頭から、絵本の彩色の細やかな作業の様子を連続で投稿していました。万博という大仕事で発覚した編集側のミスには、悔しさが滲むのも無理はありません」(全国紙社会部記者)
|
|
一件について、ガイドブックを発行した日本国際博覧会協会の副会長を務める大阪府の吉村洋文知事は3月27日、「作家の方の大切な著作物であり申し訳ない」と謝罪。
しかし、万博のガイドブックについては、記載されている国際連合の旗が違う旗となっていたり、海外パビリオンの紹介欄で、イスラエルやパレスチナの首都を巡って誤表記が認められたりと、その内容の杜撰さが露わになっている状態だ。
多額の予算を注ぎ込んでいながらトラブル続きで、国民や府民の批判と不満を集めている大阪万博。果たして無事に4月13日の開幕を迎えることはできるのだろうか……。