日本郵政、増田社長が退任＝後任に初の元郵政官僚

　日本郵政は２８日、増田寛也社長（７３）が退任し、後任に日本郵便の根岸一行常務執行役員（５４）が就く人事を発表した。増田氏は就任から５年がたち、ゆうちょ銀行の株式売却などの経営課題に一定のめどが立ったことから後進に道を譲る。２００７年の民営化以降で、元郵政官僚が持ち株会社のトップに就くのは初めて。

　傘下の日本郵便も千田哲也社長（６４）が退任し、小池信也常務執行役員（５６）が昇格する。６月の定時株主総会の開催後にそれぞれ就任する。

　増田氏は１９７７年建設省（現国土交通省）入省。岩手県知事や総務相、郵政民営化委員会委員長を務めた。かんぽ生命保険の不適切販売問題で当時のグループ３社長が一斉退任したことを受け、２０２０年１月に日本郵政の社長に就任。かんぽ生命の社長となった千田氏とともに、経営の立て直しに陣頭指揮を執ってきた。

　ただ、足元では、日本郵便によるゆうちょ銀行の顧客情報の不正流用などの不祥事が相次いでいた。