毎日杯に出走予定のキングノジョー(撮影:下野雄規) 皐月賞、日本ダービーへと向かう馬たちにとっての前哨戦。阪神競馬場の外回り芝1800m戦を舞台に行われ、最後の直線は高低差1.8mの急坂が待ち受ける473.6m。広いコースを使って行われるワンターンコースゆえに器用さよりも、総合力、たしかな末脚が求められるレースだ。
◎キングノジョーは京成杯4着。良馬場発表ではあったが、小雨降る中で半マイル通過46.5秒、前半1000m58.3秒のハイペースをやや離れた3番手で追走。勝負どころから前を追い、4角手前で先頭に立って逃げ込みを図った。さすがに、最後の坂で力尽きたが、高い能力を証明した1戦でもあった。デビュー戦は東京競馬場芝2000m。この時は半マイル通過50.5秒のスローペースでさすがにやや行きたがっていたが、途中で折り合いを付けると最後は素晴らしい瞬発力に結びつけた。いずれのレースもスケールの大きさを感じさせる内容だった。
〇リラエンブレムはシンザン記念優勝馬で2戦2勝。スタートセンスが良く、二の脚も速いが、それでも折り合える操作性の高さと追われてからの瞬発力が武器。前走のシンザン記念は半マイル通過46.8秒のハイペースを中団インで追走し、1ハロン標識付近で抜け出すと最後は、11.8秒で後続を突き放した。前走のような競馬ができるなら、1ハロンの距離延長には十分対応できるはず。阪神競馬場は初めてだが、右回りワンターンのデビュー戦と左回りでコーナー3つのシンザン記念をあっさりクリアしたことから不安は感じない。
▲アスクシュタインは弥生賞6着。半マイル通過48.7秒(稍重)のスローペースだったため壁を作ってレースを進めたが、ペースが上がったところで外に持ち出すことができず、位置取りが悪くなってしまった。最後は大外に持ち出されて追い込んだが、勝ち馬から0.4秒差。追い込みに転じて2戦目だったことを考えれば悪い内容ではなかった。洋芝で2連勝してきた馬だが、暮れのホープフルSでは最後の2ハロン11.9秒、11.9秒のレースラップの中で差を詰めており、速い時計にも対応できそうだ。
△ファンダムはジュニアCの優勝馬で2戦2勝。この時2着に退けたのがモンドデラモーレで、3着はモンテシートだからレベルの高い1戦だった。武器は抜群のスタートセンスとスピード。デビュー戦はスタート直後にフラついていたが、1ハロン標識付近で抜け出すと、急坂をものともせずに10.8秒。この時記録した1分32秒8は当時の2歳コースレコードにもなっており、侮れない。
最後にデビュー戦の内容が良かった△エコロディノス。前走は折り合いを欠いてしまったが、時間をかけて挑む1戦だけに注目したい。