SNS上で注目を集めた投稿について、その背景をあらためて取材する「バズ投稿のウラ話」。今回は、2024年7月12日にX(Twitter)で話題を呼んだ、かつて青森県青森市中心部に存在していた「マクドナルド」の店舗について、投稿者に話を聞きました。
●1990年代にオープンも2010年に閉店
話題を呼んだのは、青森県内でストリートピアノの設置運営やイベント事業などを手がける一般社団法人Art Music Aomori(青森県深浦町)代表の蝦名ミカコさんの投稿です。
「なんでも無いような写真が貴重だったとおもう写真を黙って貼る」というハッシュタグを付けて投稿した画像には、1軒のマクドナルドが写っています。少し色あせた、昔懐かしいような質感の写真は、現在の店舗とあまり変わらないようでいて、どこか時の流れを感じさせます。
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この店舗は、青森市にかつて存在した「マクドナルド青森新町店」。1990年代にオープンし、2010年に閉店しています。
在りし日のマクドナルドの写真に、Xでは「懐かしすぎて泣く」「胸が締め付けられる」「高校時代、友達と学校帰りによく行ったな」「閉店して今も空き物件のままなのが寂しいです」「この上に映画館もあった!!」「映画見てからのマック、良くやってました」など、地元民とみられる人からの反応が集まっています。
青森市の人口は2000年の31万8732人をピークに減少傾向にあり、マクドナルドがあった中心部では2019年に百貨店「中三」が閉店するなど、衰退が課題となっています。ねとらぼ編集部では蝦名さんに、マクドナルドがあった当時の思い出や、地元に対する思いなどを聞きました。
●モスバーガー、ドムドム、ロッテリア、ミスド……「全て無くなってしまった」
―― こちらの写真はどのような思いで投稿されましたか
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蝦名さん:学生のころ、この街はとても活気あふれる街でした。モスバーガー、ドムドム、ロッテリア、ミスタードーナツ……。学生もたくさんアルバイトしていました。「青森市が一番いい時代」「胸が締め付けられる」という声が寄せられたように、この街を知っている人の「全て無くなってしまった」という悲しみを共有したい思いで投稿しました。
――このお店での思い出があればお教えください
蝦名さん:この場所は若者に大人気の場所でした。時期的にハッピーセットが流行っていたため、特に女子高生からは人気がありました。近くにプリクラのお店がたくさんあり、女子高生がマックでプリクラを友達と分けて交換していました。携帯電話もポケベルもあった時代ですが、まだまだ会って友達とコミュニケーションを多く取る時代でした。あのお店から、青森の街を見下ろしていました。
―― 投稿にはさまざまな反響が寄せられました。ご感想をお聞かせください
蝦名さん:アカウントでは、普段から青森の懐かしい風景や、私が個人的に好きな物や食べ物を投稿しています。懐かしい気持ち、寂しい気持ち、取り戻したい街並みを思う気持ちは、コメント欄を見てもみんな同じなのだなと思いました。
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マクドナルドは、みんなのシンボル的存在でもありました。どんどん街に人が来なくなってしまいましたが、みんなの思い出が目に焼きついています。弊社(Art Music Aomori)は現在、青森県内でストリートピアノの運営やイベントを行っていますが、この楽しかった町をまた取り戻したいという思いで、青森県内に「楽しい」を作っています。この街にまた活気が戻る事を祈っています。
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