【高松宮記念】9回目のチャレンジで待望のGI制覇なるか スプリント王が顔をそろえた春の電撃戦を制すのは/長岡一也

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2025年03月29日 12:00  netkeiba

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長岡一也さん(フリーアナウンサー)
【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆過去2年とは異なる過程で挑むナムラクレア

 芝1200米のGIウイナーが顔をそろえているが、これまでそのチャンピオンが成績をあげているかというとそうでもない。ほんのちょっとしたことで勝敗が左右するスプリント戦のムズカシさがある。1番人気馬が8連敗しているのも、これに関連しているだろう。中京の1200米は、3コーナーの手前から下り坂が続くので、ペースは速くなり、これがとても厄介だ。だからといってあまり後方からでは馬群の外を回らされるので差し切るのは大変で、いくら切れる脚があるといっても位置取りが問題になる。

 昨年の勝ち馬マッドクールは、それまで全6勝のうち4勝が中京で左回り巧者だが、パワーがあって渋太いのが身上で重馬場も味方したとみている。流れに乗れるかがポイントだ。

 これにくらべ、2年連続2着とあと一歩まできているナムラクレアには、まだまだ可能性がありそうだ。昨年は2枠3番から出て、道中無理せず中団につけ、ずっとラチ沿いを狙って走り、ゴール間際でよく伸びてアタマ差まで追っていた。そして2年前は不良馬場で7枠15番の外枠から中団につけ、キメ手がそがれても一生懸命に走って1馬身差までつめていた。短距離の重賞を5勝もしているスペシャリストで速いタイムにも適応できる。これまでの2度の2着のときと異なるのは、レース間隔。過去2年は、1ヶ月から2ヶ月ほど前のレースを叩いて本番だったが、今回は3ヶ月という長いスパン。大外枠から一気に差し切った前走の阪神Cは、着差以上に強かったと思う。GI・9回目のチャレンジで待望の初勝利をと期待してみたい。

 昨秋のスプリンターズSで一番人気ながら7着と敗れたサトノレーヴは、出遅れて前後半差2秒8の前傾ハイペースの中、思ったより位置取りが後ろになり流れに乗れなかった。前走の香港スプリント3着で世界に通用するスピードを見せてくれ、今度は、本領発揮のシーンを期待したい。父ロードカナロア、母父サクラバクシンオーは、このスプリントGIにぴったりの血統だ。

 2年前のスプリンターズSを勝ってからしばらく勝利から遠ざかっていたママコチャが、前走のオーシャンSで久々にいいところを見せた。スローで上がり勝負になる中、ママコチャは好位から力でねじ伏せていたが、最後まで速い脚を持続させるのが持ち味で、暖かくなると調子をあげるタイプで混戦から抜け出すシーンも想定できる。

 2連勝と勢いに乗るエイシンフェンサーも有力馬に加えておきたい。スタートが上手で競馬もうまい。力を付けているのは確かで、速いタイムになっても適応できる。ここ2戦の内容がいいのは、いいポジションにつけられているからで、瞬発力があるので、これが最後のひと伸びにつなげれば十分にチャンスがあっていい。父ファインニードルは7年前に高松宮記念を勝っている。

「速さなら その名も高き 電撃王」

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