【フィギュア】“天才少女”アリサ・リュウが米女子19年ぶり世界一「何てこった」坂本V4阻む

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2025年03月29日 12:06  日刊スポーツ

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世界選手権女子で優勝したアリサ・リュウ(撮影・藤塚大輔)

<フィギュアスケート:世界選手権>◇28日(日本時間29日)◇第3日◇TDガーデン(米マサチューセッツ州ボストン)◇女子フリー



【ボストン=松本航、藤塚大輔】今季復帰した“天才少女”米国の19歳、アリサ・リュウが初優勝を飾った。SP74・58点、フリー148・39点でともに1位の完全優勝。地元の大声援に押されてノーミスの完璧演技を披露し、総合222・97点で頂点に立った。米女子では06年のキミー・マイズナー以来19年ぶりの奪還を、自国で果たした。


「新たな世界女王」と紹介されてのインタビューでは「What the hell over and over again!(何てこった、意味分かんない)」と満面の笑み。「まだSPで勝った(首位発進した)ことさえ、消化できていなかったのに」と自分でも驚き「ふぅ」とおどけた。


66年ぶりの4連覇を目指した日本の坂本花織(24=シスメックス)は217・98点で銀メダル、千葉百音(19=木下アカデミー)は215・24点で銅、樋口新葉(24=ノエビア)は204・58点で6位だった。


リュウは冒頭の3回転フリップを降りて以降、全てのジャンプとスピンとステップで出来栄え点(GOE)プラスのノーミス演技。3回転ルッツからの2連続も3連続も決めた。開催地ボストンで生まれた米歌手ドナ・サマーの「マッカーサー・パーク」で、超満員の会場を沸騰させた。坂本とは抱擁で健闘をたたえ合った。


2019年のシニアの全米選手権を、まだノービスだった13歳の時に制した天才。22年の北京オリンピック(五輪)は6位入賞で、同年の世界選手権は銅メダル。直後の4月に引退を電撃発表したが、昨年3月に現役復帰していた。


同11月には日刊スポーツの単独インタビューに応じ「競技に対するモチベーションを取り戻すため。もう1度、経験することが必要だと思ったから」と復帰理由を説明。「競技がどのようなものだったのか、感覚など全てを忘れてしまっていた。(引退後は)スケート靴を履くこともなく、自宅のクローゼットに閉まったまま。1年半のブランクがあって、その間は競技も見ていなかった」などと明かしていた。


19年のジュニアグランプリ(JGP)シリーズ第1戦スケートアメリカで、米女子初の4回転ルッツとトリプルアクセル(3回転半)を決めた才能が、再び開花した。名門UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)にも通い、文武両道を行く新女王。2度目の五輪となる26年ミラノ・コルティナ大会の金メダル最有力候補に躍り出た。

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