
学生時代にアルバイトを経験したことがある人は多いでしょう。なかにはクセの強い職場で働くことになって、他の人が体験できないような面白いエピソードに触れたという人も少なくないはず。漫画家のまぼさんもクセの強い職場でのアルバイトを経験したらしく、その様子を『赤ちゃん言葉の店長をビール瓶で叩く。そんなバイト先の話』という作品に綴ってX(旧Twitter)で投稿しています。
【漫画】「赤ちゃん言葉の店長をビール瓶で叩く。そんなバイト先の話」全編を読む
派遣アルバイトに登録していたまぼさんは、とある蕎麦屋のヘルプ依頼を受けます。早速お店に向かったまぼさんを出迎えたのは、ねじりハチマキを頭に巻き、首元がビロビロに伸びているTシャツを着た男性でした。後に女性スタッフのあゆみさんによって店長のヤブさんと紹介される彼は、まぼさんのことを「まぼ様」と呼びます。しかもヤブさんは「〜でちゅ」というような赤ちゃん言葉を使い、さらに自己紹介をする際には「ヤブでちゅ。ペコリ」発言するなど、異様な存在感を放ちます。
ヤブさんの怪しさに衝撃を受けるまぼさんでしたが、あゆみさんは社交的でテキパキとお店のルールなどを説明してくれたこともあり、なんとか仕事の準備を整えられました。仕事用のTシャツに着替えてエプロンを付けてあゆみさんの待つ厨房に向かったまぼさんは、次の瞬間、衝撃の場面を目撃してしまいます。
なんとあゆみさんがヤブさんを何度もビール瓶で殴っているのでした。混乱するまぼさんに、あゆみさんは「蕎麦打ちしすぎて腰痛持ちなの。だからこうやって腰を叩いてあげるのも業務のひとつです」と説明します。怪しい店長のヤブさん、そのヤブさんの腰をビール瓶で思いっきり叩くのも仕事のひとつという強烈な職場に不安を募らせるまぼさん。
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そんなクセの強い蕎麦屋ですが、あゆみさんはまもなく就職のため辞めるため、新たなアルバイトを募集しているようです。そこであゆみさんは、まぼさんに「派遣会社の登録期間が終わったらうちで働かない?」と誘います。怪しい蕎麦屋の怪しい仕事に最初は躊躇するまぼさんでしたが、ヤブさんの「時給1000円」という言葉に、正式なアルバイトとして働くことを即決するのでした。
まるでフィクションのようですが、これが全て実話だということが最も衝撃的な同作について、作者のまぼさんに詳しく話を聞きました。
ーこのバイト先を選んだ経緯を知りたいです。その後バイトはどれぐらい続けられましたか?
元々は派遣バイトで、飲食店のヘルプということで入ったことがきっかけです。その後、蕎麦屋のバイトはなんと5年も続けました!
ー個性的な店長さんですがバイトを辞めようとは思わなかったのでしょうか?
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バイト初日は怖すぎて「今すぐここを逃げ出さなければ怖いことされちゃう…」と思っていましたが、店長の人柄を理解するうちに、「私にとって無害な人だな」と認識できました(笑)。
ービール瓶で叩く姿はびっくりしたと思うのですが、まぼさんもビール瓶で叩いていたのですか
店長の腰痛がひどすぎて、最終的にはビール瓶でなく最終的にはゴムハンマーで叩くようになってました(笑)。あまりにもぶっ飛びすぎてて、読者の方に嘘を描いていると思われたらいやだなと思って繰り返し「実話です」とアナウンスしました(笑)。
ーまぼさんは他にも面白いアルバイトを体験していますか?
実は他にもあります。また私のアルバイト経験を一冊の漫画に纏めた作品『勤労ロードショー 今日も財布がさみしくて』が2月4日に発売されました。ご興味持ってくださった方にはぜひ読んでもらいたいです!
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(海川 まこと/漫画収集家)