
衝撃から頭部を保護する「ヘルメット」。第二の顔とも言えるアイテムですから、乗るバイクや服装とのコーディネートも楽しみたいもの。最新ラインアップの中から、かっこいい「フルフェイスヘルメット」を紹介します。
●今も品薄状態が継続中:ショウエイ「グラムスター」
最初に紹介するのは、ショウエイのネオクラシックフルフェイス「グラムスター」です。発売されたのは2020年の秋でした。国内外のバイクメーカーが往年の名車を模したモデルを充実させる中、それに似合うフルフェイスとして企画された製品です。
もうすぐ4年と半年が過ぎようとしていますが、あまりの人気のために現在も品薄状態が続いており、一部の通販サイトではプレ値で販売しているほどです。
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おすすめする最大のポイントは、見た目こそ往年のフルフェイスを踏襲しているものの、機能性に関して一切の妥協がないことです。
暑い日の快適性を左右するベンチレーションはしっかり設けられていますし、汗やホコリを吸った内装は取り外して洗濯することができます。シールドは時代を感じさせるフラットなデザインですが、開閉時の支点部分を工夫することで帽体との密着性を高めています。
カラーバリエーションが豊富なのも美点で、2025年3月現在で11種類もあります。ぜひ愛車とのコーディネートを楽しんでください。メーカー希望小売価格は5万3900円からとなっています。
●1980年代のモデルを復刻:リード工業「RX-100R II」
続いて紹介するのは、リード工業の復刻版フルフェイス「RX-100R II」です。日本で最もバイクが売れていた1980年代。リード工業は「RX-100」と「RX-200」というヘルメットを販売し、大人気となっていました。
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時は流れて2019年12月。復刻版フルフェイスとして「RX-200R」を、2021年10月に「RX-100R」を発売します。先に紹介したショウエイのグラムスターと同様、ネオクラシックなバイクに似合うことから人気となりました。
最新作「RX-100R II」の帽体のシェイプは復刻版を名乗るにふさわしい忠実なもので、旧ロゴも含めてベテランライダーなら「よくぞここまで」と感心するでしょう。
シールドの形状も当時のイメージをうまく残していますが、実はハードコート&UVカット仕様という現代の技術を盛り込んでおり、さらにラチェット機構によってシールドの開き角を4段階に調整することもできます。
2021年に発売された旧型「RX-100R」との違いは内装です。頭頂部のサテンキルティングをブラックからヘリテイジブラウンとし、さらに刺しゅうまで施しています。サイズは1種類(フリー)のみですが、調整用のスポンジでMサイズ相当に微調整することが可能です。
安全規格に関しては、一般財団法人製品安全協会のSGと、消費生活用製品安全法のPSCに適合しています。公式オンラインショップでの価格は1万8700円(税込み、以下同)と非常に安価なので、色違いでそろえてもよいかもしれませんね。
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●安価なシステムヘルメット:カブト「RYUKI(リューキ)」
ネオクラシック系が二つ続いたので、最後はシステムヘルメットを紹介します。海外ではフリップアップとも呼ばれるジャンルで、見た目はフルフェイスですが、チンカバー(あごを保護する部分。チンガード、フェイスカバーとも呼ばれる)が跳ね上げられるのが最大の特徴です。
オープンフェイス(ジェットタイプ)のヘルメットよりも防風性が高く、いちいち脱がなくても飲食ができることから、ツーリングライダーに根強い人気があります。
カブトの「リューキ」は、単色で4万1800円とシステムヘルメットとしては安価ながら、日差しがまぶしい時に重宝するインナーサンシェードをはじめ、計3カ所のベンチレーション、あごひもが脱着しやすいマイクロラチェットバックルなど、ツーリングライダーにとってうれしい要素が満載なのです。
システムヘルメットはその構造上、一般的なフルフェイスよりも帽体が大きくなりがちなのですが、リューキの場合はエッジを巧みに採り入れることでスマートな印象を与えています。脱がなくても水分補給ができるという長所は、多くのライダーに知ってほしいですね。