
みなさんは、高齢者がどの程度老後資金を用意していたか気になりませんか。年金受給者に老後資金として65歳までに貯蓄した金額を聞いたところ「500万円未満」が最多となりました。
【グラフ】老後資金として「65歳までに貯蓄した金額」 ちなみに4分の1は「3000万円以上」
ベンチャーサポート相続税理士法人が2024年9月にインターネット上で実施した調査で、、子どもがいる65歳以上の男女で、年金を受給している人505人を対象に行われました。
「老後資金として、65歳までに貯蓄した金額を教えてください」と質問をしたところ、500万円未満が最多(31.3%)という結果になりました。その一方で、約4分の1(24.0%)が3,000万円以上の貯蓄をしており、二極化が進んでいることがわかります。
「年金で生活を賄えていますか?また、貯蓄額に不安を感じますか?」の質問では、「年金で生活を賄えているものの貯蓄額に不安を感じる」の回答が最多(37.6%)で、次いで「年金で生活を賄えておらず貯蓄額に不安を感じる」(29.5%)という結果に。合わせると、約7割もの人が、貯蓄額に不安を感じていることがわかりました。
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また「老後資金の実際の使い道を教えてください」という質問では、「日常生活」(78.0%)、「医療費」(65.5%)という回答が多く、「旅行」(44.4%)、「趣味」(39.2%)、「子どもや孫へのプレゼントなど」(33.3%)と続きます。老後資金は、趣味や旅行、その他特別なことに使うよりは、現実的な用途に使う人が多いようです。
「子どもにどのくらいの預貯金を相続する予定ですか?」という質問をしたところ、「500万円未満」という回答が半数以上(52.1%)で最多という結果に。
反対に、「3,000万円以上」と答えた人が約1割(10.5%)おり、相続を通じた所得移転の格差が大きいことも明らかになりました。
30代〜40代「老後資金は2,000万円以上貯蓄したい」が約半数
同調査では、ミドル世代の老後資金に対する意識についても聞いています。両親または父母のどちらかが健在、かつ子どもがいる30代〜40代の男女505人に対して、老後資金への不安や備えの実態について調査を実施しました。
「老後資金として、65歳までに貯蓄したい金額を教えてください」と質問したところ、もっとも多いのは「3,000万円以上」(29.9%)という結果に。「2,500万円〜3,000万円未満」(4.5%)「2,000万円〜2,500万円未満」(14.1%)と、2,000万円以上貯蓄したいと考えている人は半数近くにのぼります。調査を行った同社は「老後2,000万円問題が話題となったのを機に、貯蓄への関心が高まっていると思われる」と述べています。
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また、「毎月いくら老後のために貯蓄していますか?」という質問では、もっとも多いのが「3万円未満」(59.0%)という結果になりました。「10万円〜15万円未満」(3.6%)、「15万円以上」(6.1%)と、毎月10万円以上貯蓄している人は合わせて約1割と少ない印象です。
「老後資金を何に使いたいと考えていますか?」の質問では、もっとも多いのが「日常生活」(72.9%)、そして「旅行」(45.2%)、「医療費」(45.0%)と続きます。30〜40代の人たちが想定している老後資金の使い道は、現在の65歳以上の年金受給者の人たちの実際の使い道とほぼ同じ内容となりました。
「不足する老後資金をどのように準備しようと考えていますか?」という質問も実施。「NISA」(39.6%)、「定年退職後にアルバイトで働く」(39.2%)と続き、新NISA制度への関心の高さがうかがえる一方で、定年退職したあともアルバイトをするという、厳しい懐事情も明らかになりました。
また「親からどのくらいの預貯金の相続を期待していますか?」とも質問したところ、6割強(64.4%)もの人が、「期待していない/期待できない」と回答。親からの相続に希望を抱くよりも、現実的に考えている人が多いことがわかります。
最後に、「子どもにどのくらい預貯金を相続しようと考えていますか?」と質問。もっとも多いのが「500万円未満」(48.3%)で約半数を占めており、老後資金への不安が高まる中で、やはり相続について現実的に考えている人が多いことがうかがえます。
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【出典】
ベンチャーサポート相続税理士法人/<老後資金に関する調査>