高松宮記念に出走予定のサトノレーヴ(撮影:高橋正和) 春のスプリント王決定戦だが、季節柄パンパンの良馬場で行われることは少ない。過去10年間で1番人気馬は[1-1-1-7]と不振だ。舞台となる中京競馬場芝1200m戦はスタートしてすぐなだらかな上り坂のあと4角までは下り坂。そのため逃げ、先行馬にとっては息を入れにくいコース形態になっている。最後の直線は約400m。最後の240mは平坦コースだが、直線の入り口には高低差2.0mの急坂が設けられており、タフなコース設定となっている。
◎サトノレーヴは2024年サマースプリントチャンピオンで、昨秋のスプリンターズS1番人気。デビューが遅れ、その後も2度にわたる長期休養を余儀なくされて6歳馬ながらも、今回が12戦目というキャリアだが、ここまで[7-1-1-2]と抜群のスピード能力を見せている。昨秋のスプリンターズSはスタートのタイミングがあわなかった上に超がつくようなハイペースを追いかけざるを得ない展開となって伸びを欠いた。今回は海外遠征帰り初戦だが、じっくりと間隔を空けて調整しており、能力を出せる状態と判断した。
〇ルガルは昨秋のスプリンターズS優勝馬。11.8秒、9.9秒、10.4秒という猛烈なラップを踏んだピューロマジックをやや離れた3番手で追走すると、最後の直線ではこれを自ら捕まえに行き、坂を上がってから力でねじ伏せた。昨年の本レースは1番人気を裏切る10着だったが、レース後に骨折が判明。それを除けば国内の1200m戦では[3-2-0-0]と堅実だ。中京競馬場はダートとはいえ初勝利を記録した競馬場。昨年の雪辱を期す1戦となった。
▲トウシンマカオは昨秋のスプリンターズS2着馬。わずかに勝ち馬には及ばなかったが、好ダッシュから好位のインをキープし、そのまま内ラチ沿いを鋭く伸びたレース内容は、これまでのイメージを見直させるもので見どころがあった。このレースには3年連続での出走となるが過去2回は馬場状態に恵まれなかったもの。セントウルSを勝っているくらいだから左回りは苦手ではない。
△ナムラクレアは昨年、一昨年の2着馬。ここまで1400m以下に限れば[6-5-3-2]という快足牝馬だが、重・不良馬場も[2-2-0-0]と得意にしている。武器はどんな位置からでも競馬が出来るレースセンスと馬場状態を問わずに繰り出される強烈な瞬発力。上位争いは必至だ。
連覇を狙う△マッドクールと連勝中の△ビッグシーザー、そしてオーシャンSで復活をアピールした△ママコチャも十分に圏内だ。