2027年4月以後、上場企業や会社法上の大会社に新リース会計基準が適用される。会計事務所向けサービスなどを提供するTKC(宇都宮市)は、同社システムユーザーの上場企業を対象に、2027年4月以後に強制適用される「新リース会計基準への対応の準備状況」を調査した。
【画像】上場企業の経理部に聞いた、新リース会計基準に関する「影響額の試算状況」
新リース会計基準に関する対応・準備状況について、現在「情報収集中」と答えた人が最も多く68.4%だった。「対応中」と答えた人は31.0%、「未着手」は8.0%、適応対象外または新リース会計基準(IFRS16号)を適用済みなどで「影響なし」と答えた人は3.9%、「不明」は10.3%だった。また、「対応中」と答えた人でも「情報収集中」と複数回答した人が多く、専門機関からの情報発信や他社の動向をうかがっているようだ。
●影響額の試算状況は
新リース会計基準に関する「影響額の試算状況」について、最多は「試算中」(22.1%)だった。「半年以内に試算を始める予定」が11.5%、「1年以内に試算を始める予定」が11.0%と、全体の半数近くが2025年中には影響額の試算に着手している、またはする段階であることが分かった。
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●上場区分別でみると?
上場区分別でみると、東証プライム上場企業に勤める人の46.7%が、影響額を「試算中」または「年内に開始予定」と回答。年商区分別では、年商100億円を超える企業に勤める人の40%超が影響額を「試算中」または「年内に開始予定」と答えた。
また、年商1000億円超の企業では「不明」と答えた割合も41.7%と多く、新基準への対応を自部門以外で進行していることがうかがえた。
業界別でみると、影響額を「試算中」または「年内に開始予定」と答えた最も多かった業界は「外食・中食」(61.5%)で、「消費者サービス」(58.8%)、「金融」(56.5%)、「運輸サービス」(55.9%)、「素材・素材加工品」(52.3%)が続いた。
新リース会計基準に関する自社の「使用権資産の想定件数」について、「不明」(53.5%)と答えた人が最も多く半数以上だった。ほか、「11〜100件」と「101〜1000件」がともに16.6%、「1000件超」が7.5%、「1〜10件」が4.2%となった。
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新リース会計基準に関する影響額の試算をどのような方法・ツールで行うかについて、「スプレッドシート」と答えた人は18.4%、「利用中の固定資産管理システムなど」は10.5%だった。また「検討中」は32.4%、「不明」は29.9%と、具体的な方法はこれから検討する企業が多い状況もうかがえた。
今回の調査は、当社システムユーザーの上場企業を対象にインターネットで行った。期間は2024年12月1日〜2025年1月6日、有効回答数は746人。「対応中」は、リースを識別中(契約にリースが含まれているかの確認)、もしくは影響額を試算中、リース期間を算定中のいずれかの状況に該当する人。
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