コスモと静岡大学、海水を電気分解し経済性の高いグリーン水素を製造する共同検討を開始

0

2025年03月31日 07:50  マイナビニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
コスモエネルギーホールディングスと国立大学法人静岡大学は1月6日、海水の電気分解による経済性の高いグリーン水素製造に向けた共同検討に関する契約を締結した。

○■共同検討の背景



グリーン水素は、回収したCO2を有価物へ変換・資源化する技術「CCU」(Carbon dioxide Capture and Utilization)でCO2を別の物質へ変換する工程において必要不可欠な要素。しかし、日本国内では電力コストが高く、水の電気分解によるグリーン水素製造は価格が高騰しており、CCUの実現における大きな課題となっている。



そのため、CCUの実現には、より経済性の高いグリーン水素製造技術が求められている。



コスモエネルギーグループは、自社操業に伴うGHG排出量について、2050年にScope3を含めたカーボンネットゼロを目標に掲げており、その実現に向けてCO2の分離回収技術(Carbon dioxide Capture and Storage /CCS)やCCUの開発に取り組んでいる。



静岡大学は電気化学を応用し、海水中に溶解しているミネラル分によりCO2を固定化するとともに、海水の電気分解により水素を製造する「Carbon dioxide Ocean Capture and Reuse」(COCR)技術を開発、特許を有している。

この技術を活用することで、グリーン水素製造プロセスにおいてCO2から有価物の製造・販売を検討することができる。これにより、グリーン水素製造工程での固定費の削減を図ることができ、既存グリーン水素に比べ経済性の高いグリーン水素製造を行うことが可能になる。

○■共同検討の概要



コスモエネルギーグループは、グリーン水素製造に必要となる再生可能エネルギーをグループ会社であるコスモエコパワーより調達することが可能。また、石油精製において海水を大量に使用し、海水をくみ上げる設備を有している。



今回の共同検討では、コスモエネルギーグループが持つ再生可能エネルギー由来の電力、海水をくみ上げる設備と、静岡大学が持つCOCR技術を組み合わせることで、より経済性の高いグリーン水素を製造し、CCU技術の活用によるCO2削減に向けた技術開発を推進していく。


今回の契約締結を受け両者は以下のようにコメントしている。


静岡大学およびコスモエネルギーホールディングスは今回の共同検討を通じて、コスモエネルギーグループの製油所等から発生するCO2由来のカーボンニュートラル製品の低コスト化を目指し、CO2削減効果や投資採算性等を検討してまいります。(エボル)

    ニュース設定