さようなら、君たちのことは忘れない──3月31日に終了するサービスたち 「魔法のiらんど」「177」「ぷらら」など

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2025年03月31日 08:30  ITmedia NEWS

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 2025年もあっという間に3月が過ぎようとしている。新たな環境に向け、新生活の準備を進める人も多いと思うが、3月でその役割を終えるサービスたちも存在している。この記事では、かつてITmedia NEWS内で取り上げた“サービス終了”に関する記事をいくつかまとめて紹介する。


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●「ぷらら」終了で、インターネット黎明期を思い出す人たちも


 NTTドコモは、インターネット黎明期から続くホスティングサービス「ぷらら」の個人向けWebサイトサービスと、法人向けサービス「BUSINESSぷらら」の提供を3月31日で終了する。ユーザーのコンテンツは4月30日に完全に削除する。


 終了の理由は「サービスの利用が近年減少しており、今後継続的にサービスを提供していくことが困難となった」と説明。“テキストサイト全盛期”ともいえる90年代に登場し、現代まで続くインターネットの草分けとなったサービスがまた一つ、その歴史に幕を下ろす。


(関連記事:「ぷらら」の個人向けホームページが3月末に終了 古参ネットユーザー「歴史が消えていく」)


●「魔法のiらんど」は単独サービスが終了に


 KADOKAWAが運営する小説投稿サイト「魔法のiらんど」が3月31日をもって、単独でのサービスを終了する。4月以降はWeb小説サイト「カクヨム」と合併し、同サイトの1ジャンルとして運営が続ける。


 魔法のiらんどは、無料Webサイト作成サービスとして99年に始まった。その後05年ごろから「ケータイ小説」の投稿サイトとして当時の若者の間で流行。「恋空」などがヒットし、書籍化されベストセラーになっただけでなく、テレビドラマや映画にもなった。その後、20年には「女の子のための小説サイト」としてリニューアルしていた。


 なお、魔法のiらんどに掲載した作品をカクヨムへ移行するには手動でデータ転送が必要になる。魔法のiらんどで「作品エクスポート機能」を使って作品データをダウンロードし、カクヨムの「作品インポート機能」を使うことで作品移動ができる。


(関連記事:小説投稿サイト「魔法のiらんど」を「カクヨム」に統合 KADOKAWAが発表 引っ越しツールも提供)


●ネットラジオの先駆者「超!A&G+」、17年超の歴史に幕


 文化放送は、インターネットラジオ「超!A&G+」のサービスを3月31日をもって終了する。アニメ・ゲーム・声優関連番組の専門チャンネルとして2007年9月に立ち上がったサービスだが、市場のニーズやユーザーの視聴環境の変化などを理由にサービス終了を決めた。


 このため、超!A&G+で放送していた一部番組も終了を発表。超!A&G+のサービス開始前から配信し、34年間続いた最長寿番組「ノン子とのび太のアニメスクランブル」も最終回を迎えた。また、一部の番組はプラットフォームを変更し、配信を継続するものもある。


(関連記事:ネットラジオ「超!A&G+」がサービス終了へ 17年超の歴史に幕 アニメや声優番組の専門チャンネル)


●掲示板サイト「スラド」は受け入れ先が見つからず


 コンピュータやOSS関連のニュース・話題を扱う掲示板サイト「スラド」と、OSSのホスティングサービス「OSDN.net」は、3月31日でサービスを終了する。22年には一度、両サービス共に閉鎖する計画を進めていたが、受け入れ先が決まれば継続する方針へ転換。しかし、結局受け入れ先は決まらなかったため、サービス終了する運びとなった。


 スラドは01年にオープン。運営元は、米VA Linux Systems日本法人、OSDN(サンブリッジ子会社)、アピリッツ、中国OSCHINAと移ってきた。サービス終了後は、関連するドメインネームは全てOSCHINAが保持し、今後、新しいサービスで使用する可能性もあるという。


(関連記事:スラド終了へ 受け入れ先募集打ち切り ドメインは将来、別サービスで利用の可能性)


●70年続いた「177」も、とうとう終止符


 NTT東日本とNTT西日本は、電話を使った天気予報サービス「177」の提供を3月31日をもって終了する。電話機から同番号に着信を入れると、その地域の気象情報を音声で伝えてくれるサービス。1955年の開始以来、70年近く提供してきた。


 しかし、インターネットが普及し、気象情報を取得する手段が多岐にわたるようになり、利用者数は減少。サービス終了を決断した。なお、26年3月31日には電話帳の「タウンページ」(紙版)や電話番号案内の「104」の提供をそれぞれ終了する。


(関連記事:NTT東西、天気予報の「177」も終了へ 25年3月末で)


●番外編:「LINE Pay」と「Skype」は4〜5月にサービス終了へ


 ここまで3月31日で終了するサービスを紹介してきたが、実は4月と5月にも終了するものがある。決済サービス「LINE Pay」は日本での提供を4月30日に、コミュニケーションツール「Skype」の提供は5月5日に、それぞれ終了する。


 LINEヤフーは、日本でのLINE Payの提供終了の理由について、同社の決済領域のサービスを「PayPay」に一本化するためと説明。なお、タイ・台湾でのサービス提供は継続する。


(関連記事:LINE Pay→PayPayへの残高移行スタート 4月末のLINE Payサービス終了に向け)


 米Microsoftも、Skypeのサービスは終了し、今後は無料のコミュニケーションサービス「Microsoft Teams」に注力するとしている。


 Skypeは03年に無料IP電話サービスとして立ち上がり、05年に米eBayが26億ドルで買収。その後、リーマンショックを経てeBayがSkypeを手放し、最終的には米Microsoftが11年に85億ドルで買収した。13年にはSkypeがWindowsの標準搭載アプリとなり、複数のメッセージアプリと合併していったが、18年に登場した後輩のTeamsにバトンを託す形となった。


(関連記事:「Skype」、22年の歴史に幕 Microsoftは「Teams」への移行を推奨)



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