「卵サンド」を1000種類以上食べた男性を直撃。ハマったきっかけや、健康診断の結果を聞いてみた

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2025年03月31日 09:31  日刊SPA!

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「喫茶ラック」の卵サンド
飽食の時代、寿司・焼肉・カレー・スイーツなど、あらゆるものが好きな時に食べられる日本。そんな状況にあって、徹底的に同じものを食べる人も存在する。
卵サンドを愛し、これまでに1000種類以上の卵サンドを食べ歩いたという、小橋敬太さんもそのひとり。ハマった経緯にくわえ、健康診断の結果など、体調面についても気になるところではある。本人を直撃した。

◆ハマるきっかけになった衝撃的な卵サンド

卵サンドに対する愛が加速したのは、2015年までさかのぼる。大阪府堺市のとある喫茶店での話だ。

「それまでも、わりと好きな食べ物ではありました。ただ、ふと立ち寄った『喫茶ラック』で食べた卵サンドがあまりに衝撃的でして。このお店は卵サラダではなく、出し巻き卵が挟んであるんです。ほどんどのメニューを中華鍋で作っていて、その出し巻き卵も中華鍋で焼かれています。もちろん都度洗っていますが、焼きそばやピラフと同じ中華鍋で作っているので、あらゆる料理の美味しさをまとっている感じです。それから、『ほかにも美味しい卵サンドを食べたい!』と思うようになり、津々浦々巡るようになりました」

喫茶ラックでどちらかといえば個性派に分類されるようなものに出会って以降、数多くの卵サンドを食べてきた小橋さん。その魅力を次のように語る。

「材料は“シンプル”がいいですよね。基本はパンと卵とマヨネーズで、そこまで決まっているのに、お店によって全然違った味わいになるのが、懐の深さを感じます。実際、いろんなお店で食べるようになると店主のこだわりが伝わってきます。『ここの店主はマヨネーズ好きだな』とか『あの店とこの店は、見た目は似ているけど、パンのエアリーさが全然違うな』とか。楽しいですよ」

◆まだ見ぬ卵サンドを求め探すのが日課だった

現在、東京在住の小橋さんは、卵サンドを求めて片道20キロもの距離を自転車で走ることもあるという。ただ、大阪で暮らしていたころは、さらに守備範囲が広かった。

「河内長野という大阪南部の町に住んでいて、大学まで50キロくらい離れていました。家と大学の経路上にある卵サンドを売っているお店を調べまくりました。朝、家を出て電車やバスでは行きにくい店に寄ってから、大学に向かうので片道60キロくらい走ってたと思います。日中は大学で研究して、帰りには別のお店で卵サンドを買って帰ったりしていたので、1日に100キロ以上走っていました」

ちなみに、今までで特に記憶に残る卵サンドは?

「大阪市にある『共栄堂』というお店ですね。いわゆる喫茶店ではなく、昭和から何十年もやっているような雰囲気で、外観からすでに“美味しい”とでも言いましょうか。フランスパンのようなパンに、切り込みを入れて挟んであるタイプで、粗めに切られた卵が味わい深いんですよ!」

◆コンビニの卵サンド、ナンバーワンは?

卵サンドの食べ歩きをライフワークとする小橋さんだからこそ、卵サンドを求めて東奔西走するが、そうではない私たちは「気軽に」美味しい卵サンドにありつきたいもの。コンビニ各社のサンドイッチにも卵サンドがラインナップされているが、そこに差はあるのだろうか。

「ローソンは以前から、卵サンドに対するモチベが高くて、これまでもいろんな種類を出しています。現在では、店内調理をする店舗『まちかど厨房』で、今年1月から売られている『厚切りカツ&店内づくりのだしたまごサンド』という商品に注目しています。出汁の利きかたが絶妙ですし、パンにはからしマヨネーズが塗られていて、このアクセントもいいんですよ。名店としても有名な麻布の『天のや』の卵サンドに似ていると思います」

まちかど厨房のような一部店舗ではなく、通常の商品として販売されている卵サンドでは、ファミリーマートが頭一つ抜けているとのことだ。

「ファミマの『ハムチーズたまごサンド』は、ある時、商品がリニューアルされて玉ねぎが入れられたんですが、ネット上で『玉ねぎが入ってると食べられない』という声が多く上がって、次のリニューアルで玉ねぎがなくなりました。こうした変遷も面白いですし、コンビニの商品はちょくちょくリニューアルされるので、その度に楽しみになりますね」

◆「お酒にあう卵サンド」もある

小橋さんのSNSやブログでは、卵サンドとお酒を合わせている投稿が多い。筆者も毎晩お酒を飲むが、その時に炭水化物を求める気にならない。しかし、お酒にあう卵サンドも数多くあるようだ。

「板橋区にある『イタサン』というお店の『たまごザーサイ』という商品をぜひ食べて欲しいです。卵サラダに、刻んだザーサイが入ってるんですよ。ポテトサラダに、いぶりがっこを入れて香りと塩気を足したりしますが、それに似た感じですね。個性的ですし、ブラックペッパーもしっかり入っているので、パンチがあってお酒に合いますよ」

お店の雰囲気も大事にする小橋さんが、お酒に合う卵サンドの店として推すのが、大阪・難波にある『純喫茶アメリカン』だ。

「昭和21年創業の喫茶店です。シャンデリアが吊るされていたりして、昭和のゴージャスな喫茶店という内装。かっこいい上に落ち着く雰囲気なんです。ビールも販売されているので、その空間で卵サンドとビールの組み合わせにありつくのは最高の一言」

◆完全栄養食だからこそ?「むしろ体調は良くなった」

食事はバランスと言われる。卵サンドばかり食べていることで、健康診断の結果や体調に悪影響はないのだろうか。

「健康診断の結果はまったく問題ないですし、体調が悪くなったことはありません。卵は完全栄養食なので、ラーメンなどを食べていた食事が卵サンドに置き換わり、むしろ体調は良くなった印象です。自分で作るなら野菜をたくさん入れたりもできますしね」

◆「生の卵黄を混ぜこむ」

最後に小橋さんにおすすめレシピを聞いた。

「卵サラダに生の卵黄を混ぜこむと、めちゃくちゃ濃厚になって美味しいですよ。そして、パンはロイヤルブレッド(山崎製パン)一択ですね。しっとり感が圧倒的ですし、耳まで美味しいし、焼いても美味しい。全方位的に喜びをくれるパンですね。食パンガチ勢の方には超熟(敷島製パン株式会社)も人気みたいですが、卵サンドにするならロイヤルブレッドです!」

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知られざる卵サンドの世界を堪能した取材だった。シンプルな中に個性が光るというのも、巡りがいがあるもの。小橋さんの発信によって、さらにファンの裾野が広がっていく日も近いはずだ。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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