
「ぼだっこ、ぼだっこじゃないか!!
この塩鮭、というか、鮭風味の塩の塊は北東北では「ぼだっこ」と呼ばれ、噛むと「シャリッ」と塩の結晶を噛んだ感覚がある、超激辛塩の塩ジャケです。
この一欠片でこの量の白米食べるなんてこの塩辛さを知ってるなら全然余裕です。むしろ足りない。」
こんな投稿をしたのは、「すぽんちゅ」(@Iwatekko6969)さんです。すぽんちゅさんが引用ポストしたのは、お弁当パックいっぱいに詰められた白米に、ほんのひとかけらの塩ジャケが置かれた写真。おかずを食べてしまったのか、はたまたおかずの入れ物は別なのかと思うようなバランスの写真ですが、逆に白米が足りないくらいだというのです。
「なるほど、だからこの量なんだ 知らなくて、昨日別の投稿で見た時にただの激安弁当だと思った」「え?これシャケ食べたあとじゃないんですか?」などとコメントが寄せられています。コメントを見るとどうやら、秋田を中心に、岩手、仙台(宮城)あたりまで食べられているようです。
すぽんちゅさんは「岩手出身在住ですが、ぼだっこは珍しい方の食べ物かと思います。ウチは父が好きでよく食べてます。焼き鮭感覚で朝食に焼いて食べています」とのこと。
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「私の家は少し齧って、その猛烈な塩気で白米をかき込む感じです。あの程度の大きさの欠片でもあの量の白米は余裕で食べられるでしょう。秋田では身をほぐした商品も売ってるようですね」(すぽんちゅさん)
コメントには「辛鮭と白飯の相性の良さはホンマに異常… 特にハラミ部分1口でもうご飯が止まりません状態になるのよね… 皮もパリパリしててって書いてたら涎が止まらなくなったのですがどうしたらいいですかね?(*´﹃`*)」などとおいしさを伝えるコメントも多く寄せられていました。
「ぼだっこは、焼くと表面に塩が吹き出してくるくらい塩が多いので体に良くないのでは?」という声もありましたが、すぽんちゅさんは「昔の人はこんな涙ぐましい工夫をしてまで、いかにおかずを減らして多く米を食べるかに腐心していたのがわかる塩辛さなので、皆さんぼだっこを食べる時は戦前の零細百姓になりきったつもりで食べてみてください」としつつ、「ほとんど塩味しか感じないほど塩辛いのですが、あんまり塩辛いので何となく癖にはなります。食べる度に『あーコレコレ』と思います」とハマってしまう味のようです。
秋田県をはじめ北国の味が店頭に並び、ぼだっこも販売する「秋田市民市場」の担当者さんに、ぼだっこについてお話を聞きました。
――オンラインショップを拝見すると、激辛だけでなく、甘口や中辛も塩ジャケは「ぼだっこ」というのですか?
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全部「ぼだっこ」と言います。甘口〜中辛〜激辛とありますので、ご自分にあった味をお楽しみいただけます。
――激辛のぼだっこが、人気商品3位になっていますね。激辛が一番売れるのでしょうか。
売れています。最近SNSで話題の「げきから ぼだっこ飯」を見て、若い方たちが直接市民市場に買いに来たりもしております。
――そうなのですね! ちなみに、なぜ「ぼだっこ」という名前なんでしょうか。
諸説ありますが、色鮮やかな紅鮭の切り身が、牡丹の花のようだからと言われています。
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――なるほど。激辛のぼだっこは食べ方にコツなどありますか?
焼きすぎないようにしてほしいですね。夏場や食欲がない時は、焼いたぼだっこをほぐしてお茶漬けにするのがおすすめです。作り方は、焼いてほぐしたぼだっこをご飯にかけて、お湯または水をかけます。ぼだっこは、お酒のおつまみとして食べる方もいらっしゃいます。ただし、塩分濃度が高いので食べ過ぎには注意です!
――関東・関西などでよく見る「東京切り」というシャケの切り方のほかに、長方形になるような「ぼだっこ切り」という切り方もあるとか。
「秋田切り」とも言います。昔、お弁当を持っていくときに、四角いお弁当箱に入れやすいように四角く切って焼いたと言われています。秋田市民市場では、ぼだっこを切らないでそのまま姿売りもしておりますし、「秋田切り」「東京切り」でも販売しています。各店舗では、小分け売りもしております。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)