フジテレビ(C)ORICON NewS inc. 元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルを巡る一連の問題で、局員の関与が指摘されたフジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗氏)は31日、調査結果を公表した。
【写真】BSフジ『プライムニュース』キャスター・反町理氏 「重要な社内ハラスメント事案」として「当委員会において行った調査の中で、多数のCX社員から、反町理氏が報道局の後輩女性社員2名に対して行ったとされるハラスメント行為について、当該ハラスメント行為を申告した女性社員に対してCXの取った対応が不適切であり、その後反町氏がキャスターとして番組に出演し続け、昇進を続けることにより、セクハラやパワハラをCXに相談しても無駄と思わせる結果となっているなど問題視する意見が寄せられた」と報告。「これらの意見を踏まえ、当委員会では当該事案について調査を実施したところ、CXにおけるハラスメントに対する取組みを分析する上で特筆に値するものと判断されたので、本調査報告書に記載することとした」とした。
「事案の概要」として「2006年から2007年頃に発生した、当時報道局に在籍していた反町氏から報道局の後輩女性社員2名に対するハラスメント行為及びその後、2018年4月に反町氏がCXの夕方のニュース番組「プライムニュース イブニング」のメインキャスターを担当することとなったタイミングで同月の週刊文春に本件ハラスメント行為の疑惑が掲載されたことに関連して、2018年1月から5月にかけての当社の女性社員に関する対応が問題となるものである」と伝えた。
ハラスメント行為としては、まず「女性社員mに対する行為」を挙げ「女性社員mの申告によると、2006年頃に、反町氏から食事の誘いが何度かあり、何度か一対一での食事に行ったところ、休日に反町氏からドライプに誘われ、そのまま三崎のマグロを食べに行き、花火を見て、そのあと横浜でホラー映画を見て、バーに連れまわされることで1日拘束されたことがあった。また女性社員mが、この出来事の後、反町氏からの食事等の誘いを断るようになったところ、反町氏は、女性社員mに対して業務上必要となるメモを共有せず、女性社員mに対して原稿が遅いなどと不当な叱責を部内一斉メールで送信したり、電話で怒鳴られたり、威圧的な口調で話をされたりしたとのことである」とした。
また、女性社員nに対する行為にも触れ「女性社員nの申告によると、2007年から2008年頃に、反町氏は女性性社員を一対一での食事に誘っていたりしていたが、あるときから、休日に今何しているのか写メを送れという趣旨のメールをし、食事の誘いをするようになったため、女性社員 はこれを断り、そうしたところ、女性社員nに対しても原稿が遅いなどと不当な叱責を部内一斉メールで送信したり、電話での論旨不明な叱責をしたりしたとのことである」と伝えた。
「本件ハラスメント行為に関する評価」としては「反町氏は、女性社員m及びnと食事に行った事実、女性社員mに対してメモを送付しなかった事実、女性社員nに対してメールを送付した事実を認めているものの、行為の詳細については記憶にない等と供述し、メモを送付しなかった事実については全員に送付しているわけではなく理由があるなどと主張し、叱貴の事実も否認する。本件ハラスメント行為は2006年及び2007年と相当程度前の出来事であるところ、その厳密な認定は困難ではある。しかし、女性社員m及びnの申告によれば、反町氏の行為は、一対一で食事に誘うものも含まれたり、プライベートの写真の送付を求めたりするもので、職場において行われる、労働者の意に反する性的な言動により職場環境が悪化したものとして、セクハラに該当し得るものである」とした。
さらに「また、休日に行動を共にさせたことや、業務上必要なメモを共有せず、周囲の社員に見えるように叱費をしたことは、上司という職場における優位的な関係を背景に、業務の適正な範囲を超えた言動で、労働者の就業環境を悪化させる行為として、パワハラに該当し得るものである」とも指摘している。