福岡県が助成する健康事業「ケア・トランポリン運動」を巡る汚職事件で、福岡地検小倉支部は31日、県当初予算案の可決などで便宜を図った見返りに現金計約5500万円を受け取ったとして、元県議の片岡誠二容疑者(59)=同県中間市=を収賄罪で起訴した。健康事業の運営に関与していた北九州市の健康器具製造販売会社「サンライフ」の鬼木義美社長(66)は贈賄罪で在宅起訴した。
ケア・トランポリンは手すり付きの円形の跳躍器具(直径約1メートル)。県は高齢者の健康づくりの一環として2019年度から、市町村が関連の健康教室を開く際の費用を全額補助しており、関連の助成予算として22、23年度はともに約1億7800万円を計上していた。
起訴状によると、県議だった片岡被告は22、23年度の県当初予算の審議で健康事業に関連する助成予算案がそれぞれ可決されるように便宜を図り、見返りとして鬼木被告から22年4月4日に2800万円、23年4月24日に2718万円を受け取ったとしている。地検支部は両被告の認否を明らかにしていない。
関係者によると、鬼木被告が実質的経営者の会社は健康教室に跳躍器具を貸し出しており、県の補助金を受領していた。同社は片岡被告の妻が代表を務める不動産賃貸会社(福岡市)と契約を結び、跳躍器具の「販売促進」の名目で補助金の一部を支払っていた。
だが、契約内容と業務実態が伴っていなかったことなどから、地検支部は商取引を装って賄賂を授受したと判断したとみられる。【井土映美】
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。