デル・テクノロジーズは3月31日、法人向けPC「Dell Pro」「Dell Pro Max」の新製品を発表した。新製品は同日から順次、直販サイト(Dell.com)などで販売される。
●新製品共通の特徴
今回登場する新製品は、1月に発表された新しいブランドに基づいて製品名が付けられている。
新ブランドはデスクトップPCとノートPCで共通しており、デスクトップPCではボディーの形状、ノートPCでは画面サイズの整数部分が名称に含まれる。また、拡張性を強化したモデルには「Plus」、デザインを重視したモデルは「Premium」(ノートPCのみ)という名称が加わる。
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Dell Proは、専属の情報システム部署/担当者の下でPCを管理/運用している中〜大規模法人向けのビジネスPCだ。一方、Dell Pro Maxは、より高い処理パフォーマンスを求める法人向けのビジネスPC(ワークステーション)という位置付けになる。
デル・テクノロジーズでは「シリコン(CPU/SoCや外部GPU)の多様化」も推進しているといい、CPU/SoCをIntelとAMDから選択できる製品を増やした。サステナビリティー(持続可能性)の観点からメンテナンスのしやすさを改善していることも特徴となる。
●ノートPCの新製品
ノートPCでは、以下の新製品が登場する。なお、製品名の末尾が「0(ゼロ)」のモデルはIntel製CPUを備えるIntelモデル、「5」のモデルはAMD製CPU/APUを備えるAMDモデルを意味する(以下同様)。
・Dell Pro 14(PC14250/PC14255)
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・Dell Pro 16(PC16250/PC16255)
・Dell Pro 13 Plus(PB13250/PB13255)
・Dell Pro 14 Plus(PB14250/PB14255)
・Dell Pro 16 Plus(PB16250/PB16255)
・Dell Pro Max 14(MC14250)
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・Dell Pro Max 16(MC16250)
Dell Pro 14/16
Dell Pro 14は14型、Dell Pro 16は16型の液晶ディスプレイを搭載するスタンダードモデルだ。レーザーテクスチャーを施した「ソリッドマグネタイト」とメタリック塗装を施した「プラチナムシルバー」の2色から選択可能だが、基本的にはソリッドマグネタイトが下位構成、プラチナムシルバーが上位構成という“すみ分け”が行われている。ボディー素材は両色共にプラスチックだ。
直販サイトにおける推奨構成(最小構成とは限らない、以下同様)の販売価格は以下の通りとなる。
・Dell Pro 14:15万264円(Intel)/12万8871円(AMD)
・Dell Pro 16:12万6600円(Intel)/11万3339円(AMD)
選べるCPU/APUは、カラーによって以下の通り異なる。
・ソリッドマグネタイト
・Intelモデル:Intel Processor U300E/Core Uプロセッサ(シリーズ1)
・AMDモデル:Ryzen 200プロセッサ/Ryzen PRO 200プロセッサ
プラチナムシルバー
・Intelモデル:Core Ultra 200Uプロセッサ(vPro対応も選択可能)
・AMDモデル:Ryzen AI 300プロセッサ/Ryzen AI PRO 300プロセッサ(Coplot+ PC準拠)
メモリはDDR5規格で、8GB〜64GBまで搭載可能だ(速度は搭載するCPU/APUによって変動する)。ストレージは原則としてPCI Express接続のSSD(容量は256GB〜2TB)だが、ソリッドマグネタイトのIntelモデルでは128GBのUFSストレージも選べる。
ディスプレイはDell Pro 14が14型、Dell Pro 16が16型の液晶で、解像度は1920×1200ピクセルとなる。いずれもタッチセンサーの有無をカスタマイズ可能で、Dell Pro 14については省電力パネル(タッチ非対応)の選択肢もある。Webカメラは「HD撮影対応(ソリッドマグネタイトのみ)」「フルHD撮影対応」「フルHD撮影/顔認証対応」のモジュールから選べる。
ポート類は左側面に電源端子、HDMI出力端子、Thunderbolt 4(USB4)端子×2、イヤフォン/マイク端子とスマートカードリーダー(※1)を、右側面にUSB 3.2 Gen 1×2と有線LAN(1000BASE-T)端子を備えている。Thunderbolt 4端子はUSB PD(Power Delivery)規格の電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力も可能だ。
(※1)スマートカードリーダーはプラチナムシルバーのみカスタマイズオプションとして選択可能(後日発売)
ワイヤレス通信はWi-Fi 6/6E(IEEE 802.11ax)に対応しており、Bluetoothは搭載するモジュールによってBluetooth 5.3またはBluetooth 5.4の対応となる。指紋センサーはカスタマイズオプションで、搭載時は電源ボタンと一体化される。バッテリー容量は45Whか55Whを選択可能で、いずれもロングライフサイクル(長寿命)モジュールを選択可能だ。
本体のサイズと、最軽量構成の重量は以下の通りだ。
・Dell Pro 14:約313.7(幅)×225.3(奥行き)×20.37(厚さ)mm/約1.36kg
・Dell Pro 16:約358(幅)×251.82(奥行き)×20.85(厚さ)mm/約1.92kg
Dell Pro 13/14/16 Plus
Dell Pro 13 Plusは13.3型Dell Pro 14 Plusは14型、Dell Pro 16 Plusは16型の液晶ディスプレイを搭載する、Dell Pro 14/16の上位モデルだ。いずれもIntelモデルとAMDモデルを用意しており、Dell Pro 13/14 Plusについては通常のクラムシェルボディーに加えて、コンバーティブルタイプの2in1ボディーも選択可能だ。
カラーはプラチナシルバーのみで、ボディー素材はアルミニウムとなる。発売当初は構成にやや大きめの制限があり、2in1は13 PlusのIntelモデルのみ、14 Plus/16 PlusはAMDモデルのみの販売となる。推奨構成の販売価格は以下の通りだ。
・Dell Pro 13 Plus:21万2129円(Intelモデル)/16万1353円(AMDモデル)
・Dell Pro 14 Plus:14万4787円(AMDモデル)
・Dell Pro 16 Plus:21万3221円(AMDモデル)
CPU/APUは以下のものから選択できる。
・Intelモデル:Core Ultra 200Vプロセッサ(Copilot+ PC準拠、vPro対応もあり)/Core Ultra 200Uプロセッサ(vPro対応もあり)
・AMDモデル:Ryzen 200シリーズ/Ryzen AI 300シリーズ(Copilot+ PC準拠)/Ryzen AI PRO 300シリーズ(Copilot+ PC準拠)
メモリはCore Ultra 200Vプロセッサ構成はLPDDR5規格(SoCと一体化)で16GBまたは32GB、他のCPU/APUを搭載する構成がDDR5規格で8GB〜64GBを備える。ストレージはPCI Exprss接続のSSDで、容量は256GB〜2TBを選択できる。
ディスプレイはPro 13 Plusが13.3型、Pro 14 Plusが14型、Pro 16 Plusが16型のIPS液晶を搭載しており、パネル解像度は基本的に1920×1200ピクセルとなる。ただし、Pro 16 Plusについては2560×1600ピクセルのパネルも選べる。Pro 13/14 Plusで2in1ボディーを選択した場合は、タッチ操作/ペン入力対応パネルとなる。Webカメラは「フルHD撮影対応」「フルHD撮影/顔認証対応」「500万画素/顔認証対応」のモジュールから選べる。
ポート類は左側面にHDMI出力端子、USB 3.2 Gen 1 Standard-A端子、Thunderbolt 4端子×2とスマートカードリーダー(搭載時)を、右側面にnanoSIMカードスロット(モバイル通信モジュール搭載時)、microSDメモリーカードリーダー(Pro 16 Plusのみ)USB 3.2 Gen 1 Standard-A端子と有線LAN(1000BASE-T)端子(※2)を搭載している。Thunderbolt 4端子はUSB PD(Power Delivery)規格の電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力も可能だ。
ワイヤレス通信はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応しており(※3)、オプションでモバイル通信モジュール(5G/LTEまたはLTE)を搭載可能だ。指紋センサーはカスタマイズオプションで、搭載時は電源ボタンと一体化される。バッテリー容量は45Whか55Whを選択可能で、いずれもロングライフサイクル(長寿命)モジュールを選べる。
(※2)Pro 14/ PlusのCore 200Uプロセッサ搭載モデルとAMDモデルのみ搭載。ただし、いずれもUSキーボードを搭載した場合はカスタマイズオプション(有無を選択可能)となる(※3)Core Ultra 200Uプロセッサ搭載モデルは「Wi-Fi 6E+Bluetooth 5.3」に変更可能
本体のサイズと、最軽量構成の重量は以下の通りだ。
・Dell Pro 13 Plus:約300(幅)×215(奥行き)×19.95(厚さ)mm/約1.23kg
・Dell Pro 14 Plus:約313.5(幅)×224(奥行き)×19.05(厚さ)mm/約1.4kg
・Dell Pro 16 Plus:約358(幅)×251(奥行き)×21.35(厚さ)mm/約1.84kg
Dell Pro Max 14/16
Dell Pro Max 14は14型、Dell Pro Max 16は16型ディスプレイを搭載するモバイルワークステーションだ。いずれもCore Ultra 200Hプロセッサを搭載しており、最小構成の販売価格は Pro Max 14が27万4792円、Pro Max 16が34万4232円となる。
CPUは先述の通りCore Ultra 200Hプロセッサで、vPro対応も選べる。発売時点では外部PUなしの構成のみとなるが、後日カスタマイズオプションでNVIDIAの「次世代プロフェッショナルGPU」も搭載できるようになる(Pro Max 14は1種類、Pro Max 16は3種類から選べる予定)。メモリはDD5規格だが、より高クロックなCSODIMMを搭載することも可能だ。
ディスプレイはPro Max 14は14型、Pro Max 16が16型の液晶を搭載する。パネル解像度は1920×1200ピクセルまたは2560×1600ピクセルで、1920×1200ピクセルの場合はタッチ対応パネルに変更することもできる。Webカメラは「フルHD撮影対応」「フルHD撮影/顔認証対応」「800万画素/顔認証対応(後日追加)」から選べる。
●デスクトップPCの新製品
デスクトップPCでは、以下の新製品が登場する。
・Dell Pro Micro(QCM1250/QCM1255)
・Dell Pro Slim(QCS1250/QCS1255)
・Dell Pro Tower (QCT1250/QCT1255)
・Dell Pro Micro Plus(QBM1250)
・Dell Pro Slim Plus(QBS1250)
・Dell Pro Tower Plus(QBT1250)
・Dell Pro 24 All-In-One 65-Watt(QC24250)
・Dell Pro 24 All-In-One 35-Watt(QC24251)
・Dell Pro 24 All-In-One Plus(QB24250)
・Dell Pro Max Micro(FCM2250)
・Dell Pro Max Slim(FCS1250)
・Dell Pro Max Tower T2(FCT2250)
本記事では、All-In-One(ディスプレイ一体型)を除く各モデルの概要を紹介する。
Dell Pro Micro/Slim/Towerの概要
その名の通り、Dell Pro Microは超小型のマイクロタワー形状、Dell Pro Slimはコンパクトなスリムタワー形状、そしてDell Pro Towerは通常のタワー形状のデスクトップPCだ。いずれもIntel製CPUを備える「Intelモデル」と、AMD製CPUを備える「AMD製CPUモデル」を用意している。
従来モデルから吸気口の追加/変更を行い、ファンの形状も改善したことで、静音性と冷却効率が向上したという。Plusモデルについては、各ボディーをはそのままにポート類の強化/増設をしたものだが、CPUはIntel製のみとなる。
新モデルではマザーボード上にある「70ピンコネクター」を使うことでより多彩なポートを“後から”増設/追加することになったことも特徴で、Slim/Tower(Plusを含む)については後からモジュールを購入してポートを変更/増設/追加することも可能だ。
推奨構成の直販価格は以下の通りとなる。
・Dell Pro Micro:12万3588円(Intelモデル)/12万6193円(AMDモデル)
・Dell Pro Micro Plus:20万5201円
・Dell Pro Slim:12万1127円(Intelモデル)/13万5744円(AMDモデル)
・Dell Pro Slim Plus:21万2383円
・Dell Pro Tower:13万8494円(Intelモデル)/13万1113円(AMDモデル)
・Dell Pro Tower Plus:24万306円
CPUは、IntelモデルはCoreプロセッサ(第14世代)またはCore Ultra 200Sプロセッサを選択可能で(いずれもvPro対応あり)、AMDモデルはRyzen 8000G/Ryzen PRO 8000Gプロセッサを搭載する。SlimとTowerについては、オプションでAMDまたはNVIDIAのGPUを搭載するグラフィックスカードを追加することも可能だ(選択できるオプションは構成により異なる)。
Dell Pro Max Micro/Slim/Tower T2の概要
Dell Pro Max Microは超小型のマイクロタワー形状、Dell Pro Max Slimはコンパクトなスリムタワー形状、そしてDell Pro Max Tower T2は通常のタワー形状のデスクトップワークステーションだ。CPUはvPro対応のCore Ultra 200Sプロセッサのみとなり、SlimとTowerはアンロック対応の「K」付きモデルを選べる。
オプションのグラフィックスカードは「NVIDIA RTX」シリーズ(Ampere/Ada Lovelaceアーキテクチャ)を搭載可能で、Tower T2についてはAMDの「Radeon Pro W7500/W7600」も選べる。最小構成の直販価格は以下の通りだ。
・Dell Pro Max Micro:18万7272円
・Dell Pro Max Slim:19万265円
・Dell Pro Max Tower T2:16万6251円
メモリは用途によってECC(エラー訂正機能)の有無を選択できる。Slim/Tower T2はSSDとHDDの両方を搭載できるが、HDDのみの構成は選べない。
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