
そもそも「揚げ物は太りやすい」と言われるのはなぜ?
「揚げ物は太りやすい」と言われているのは、高カロリーで脂質が多く含まれているから。揚げ物の衣が油をよく吸収するため、カロリーや脂質の量が増えてしまうのです。三大栄養素のうち、炭水化物やタンパク質は1g当たり約4kcalなのに対し、脂質は1g当たり約9kcalもあります。脂質を取りすぎると、エネルギーとして消費できなかった分が体脂肪として蓄積されてしまうのです。
また、揚げ物の衣にはパン粉や薄力粉、片栗粉などの粉類を使用しますが、これらの粉類には糖質が多く含まれています。糖質を取りすぎるとインスリンが過剰に分泌され、体に脂肪がつきやすくなるので注意が必要です。
なお、衣が多いほど油を吸ってカロリーが高くなります。油の吸収率は、素揚げ<唐揚げ<フライ・天ぷらの順に高くなるので、揚げ物を準備する際は参考にしてみてください。
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揚げ物と組み合わせると「より太りやすくなる食べ物」
揚げ物には脂質や糖質が多く含まれています。これらの摂取量が増えてしまうような組み合わせは「太りやすい」と言えるでしょう。具体的な食べ物は以下の3種類です。1. ご飯やパンなどの炭水化物
カツ丼、天丼、カツサンドのような揚げ物と炭水化物の組み合わせは要注意。揚げ物自体が糖質を多く含んでいるので、ご飯やパンなどの糖質を多く含む食品と合わせるとさらに摂取量が増えてしまいます。2. ビール、炭酸飲料などの飲み物
ビールや炭酸飲料は糖質を多く含むのが特徴。これらの飲み物を揚げ物と合わせると、さらに糖質の摂取量が増加してしまいます。3. タルタルソースやマヨネーズ、ソースやケチャップなどの調味料
タルタルソースやマヨネーズは脂質を多く含んでいるので、揚げ物と合わせることでさらに脂質の摂取量が増えてしまいます。また、ソースやケチャップは糖質を多く含むため、揚げ物と合わせると糖質の摂取量が増加してしまいます。揚げ物と組み合わせるべき「おすすめの食べ物」
揚げ物と組み合わせるのにおすすめの食べ物は以下の通りです。
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1. レモン
レモンに多く含まれるポリフェノールの一種・エリオシトリン。エリオシトリンに関する研究では、中性脂肪の増加を抑制するなど「肥満予防に効果がある」という結果もあります。エリオシトリンは特に皮の部分に多く含まれているため、レモンを絞るときは皮を下にして絞りましょう。2. 牛乳や卵、納豆など
ビタミンB2は、体内に入ってきた脂質をエネルギーに変えるのに欠かせない栄養素。ビタミンB2が不足すると体内で脂肪が燃焼されにくくなってしまいます。ビタミンB2は牛乳や卵、納豆やモロヘイヤ、ひらたけなどに多く含まれているので、揚げ物はこれらと組み合わせるといいでしょう。食べる前やほかの時間帯で取り入れても問題ありません。
3. 野菜、きのこ類、海藻類
野菜、きのこ類、海藻類などは食物繊維を多く含む食材。揚げ物を食べる前に野菜サラダやきのこスープ、海藻サラダを食べることで満足感につながり、揚げ物の食べ過ぎを防止してくれますよ。また、食物繊維は糖質や脂質の吸収を穏やかにしてくれるので、血糖値の急激な上昇を抑えるのにも役立ちます。今回は揚げ物の食べ合わせについてご紹介しました。揚げ物を食べる際は組み合わせるメニューに気を付けて、ダイエットにつなげていきましょう。
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岡田 明子プロフィール
管理栄養士。特別養護老人ホームや病院での栄養指導・給食管理に携わったのち、2014年に一般社団法人NS Laboを設立。個々の生活習慣に合わせた的確な指導に定評があり、食事サポート実績は延べ1万人に及ぶ。『朝だから効く!ダイエットジュース』(池田書店)など著書多数。(文:岡田 明子(管理栄養士))