画像提供:マイナビニュースコスモエネルギーホールディングスとCO2資源化研究所(UCDI)はこのほど、「UCDI水素菌」を用いてCO2をエタノールに変換する「Carbon dioxide Capture and Utilization」(CCU)の実現に向けた共同検討に関する契約を締結した。
○■不純物を含んだCO2や水素を直接利用して製造コストを低減
ガソリン代替燃料やバイオジェット燃料・合成燃料などの原料、石油化学製品の原料など多用途にわたり利用ができるエタノールは、カーボンニュートラル化に寄与する物質として注目されている。
しかし、食料や植物などを原料として生産される食料作物由来エタノールには、食料との競合や生産効率の限界、土地利用などに課題があり、今後の需要増大に対する供給への懸念が高まっている。
UCDIは高い増殖性を有する独自の水素菌「UCDI水素菌」を開発し、CO2と水素を原料にエタノールを生産することができる技術・特許を有している。同技術により、食料を原料としないエタノールの大量生産が可能となり、CO2排出量の削減とバイオ燃料製造の両立が期待される。※「UCDI水素菌」は水素をエネルギー源としてCO2を取り込み生育する。植物における光合成を想定すると理解しやすい。また、現在確認されている水素菌の中では世界一の生育速度を備えている。
従来のCCU技術ではCO2変換を阻害する排ガス中の不純物を除去し、CO2や水素の濃度を高める必要があり、多大なコストとエネルギーを要する。今回の共同検討では、不純物を含んだCO2や水素を直接利用する技術の開発により製造コストの低減を図ることで、経済性の高いエタノールの製造・供給が期待できる。
コスモエネルギーホールディングスは「本共同検討を通じて、コスモエネルギーグループの製油所等から発生するCO2由来のサステナブル製品の生産を目指し、次世代エタノールの供給可能性について双方で検討を進め、持続可能な燃料・化学品の実現に向けた技術開発を推進してまいります」とコメントしている。(エボル)