
客に提供した商品に異物が混入する事案が続いたことを受け、大手牛丼チェーン「すき家」はショッピングセンター内など一部を除く全店舗を、3月31日午前9時から4月4日午前9時まで一時閉店することを発表した。
外食チェーンへの信頼が揺らぐ中、3月28日以降にThreadsで投稿された「焼肉きんぐ」の対応に批判が殺到している。
焼肉きんぐで、隣の席で客が嘔吐
《席についた頃から隣の席の方が気分悪そうにしており、何度も外に出たり、おえっおえっと苦しそうにしていました。まあそれは気にしなかったのですが、そのうち大きいゴミ袋をテーブルの上に広げゲロゲロ何回も30分くらい? 吐いていました。(中略)
店員さんにちょっとさすがに...と途中で相談したのですが、席移動を吐いている方達に聞いて断られており、そのまま真横の私達にすみません、と言ってきました。私達が文句言ったのが相手にバレてしまうような対応でそれも嫌だったし、そもそも飲食店でテーブルの上で吐かせるのはアリなのでしょうか》
《店長さんと電話で少し話したのですが隣でゲロゲロ吐いていても帰る帰らないはお客様の判断、食べる食べないもお客様の判断ですと言われたんですよね。それにも文句言ったのですが店長さんはこんな感じだったので話しにならないし。お店にいた副店長さんは僕は良く分かりませんって感じだったし...責任者いない本社も繋がらないで30分程待たされたのでそのままお金払って帰ってきました》
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その後、本社宛にメールを送ったところ訪問した店舗の店長から連絡が来たというが……。
《“メールも拝見し経営陣と相談した結果、私が対応する事になりました。15%オフさせていただきます。これ以上何を求めているか分かりません”と言われました。こちらとしてはお金は別に返金してもらわなくて良いのですが、まず謝罪だと思います。
(中略)上の者を出せと言っても今回の事はこの店長さんが全て対応すると本社で決まったらしいのでメールしても電話しても無駄だそうです。今回の事は全てにおいて納得できませんでした》
あるXユーザーが、この投稿をスクリーンショット。
《ヤバすぎるだろ…焼肉きんぐ…衛生面どうなってるん…嘔吐しているテーブルの横で飯なんて食えんし、ノロウィルスの嘔吐だったら周辺の人全員終わるやん》
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と文を添えて再投稿したところ、「焼肉きんぐ」がトレンドに入る事態に。
元の投稿者が投稿した利用した際のレシート画像は店舗名が分からないよう黒塗り加工をしていたものの、加工が薄かったことであるSNSユーザーの手によって、名古屋上飯田店だということが特定された。
SNSで炎上し慌てて謝罪の申し出
そのため名古屋上飯田店のGoogleの口コミ欄は、低評価が多くつく結果になっている。
「その後“当社側に落ち度があったため、直接謝罪したい”という連絡が届いたそうですが、SNSで炎上したことで慌てて対応したように見えてしまいますよね。
すき家も鳥取南吉方店でみそ汁にネズミが混入していたことを把握していたにも関わらず、SNSで話題になるまで2か月も公表しなかったことで批判が殺到しています。今回の件は炎上系インフルエンサーが取り上げたことですでに拡散しているので、焼肉きんぐは迅速な対応をすべきでしょう」(IT系ライター)
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そこで「焼肉きんぐ」を運営する「物語コーポレーション」に問い合わせたところ、広報・IR部の担当者は「当社として、投稿がなされたことは認知しております」と、一連の投稿は把握していると回答。
「当時の状況につきましては、現在お問い合わせを頂戴しているお客様との対応を進めている最中でございますので、個別の状況についての詳細は回答を控えさせていただきます。
該当店舗をご利用いただき、お問い合わせをくださったお客様につきましては、当日の店舗における対応をはじめ、その後の当社からのお客様への対応に至らぬ点が多々あり、大変ご不快な思いをおかけしたことを真摯に反省し、誠心誠意対応を進めている最中でございます」
客が嘔吐してしまった際のマニュアルについては、
「当社は、全店舗において衛生マニュアルを定めており、その中で嘔吐物に関する処理方法と消毒方法を厳格に規定し、発生時には速やかに所定の手順に従って対応を行うこととしております。
また、客席における嘔吐を容認することは決してなく、お手洗い等隔離された空間に移動していただくことを原則としております。しかしながら、突発的な事態の対応においては、袋をお渡しする等の対応をとらせていただく場合はございます」
利用客が嘔吐してしまった場合は、帰った後に以下の内容を実施しているという。
・該当テーブル周辺のテーブルなど全てを次亜塩素酸ナトリウム希釈液による拭き上げ作業を実施
・客席に設置されている食器やカトラリーの次亜塩素酸ナトリウム希釈液による消毒、洗浄
・客席に設置されているストロー、おしぼりの廃棄
・待合席、トイレの次亜塩素酸ナトリウム希釈液による拭き上げ
・店舗内吸気へのアルコール消毒液を吹きかけ
「加えまして、3月30 日(土)営業終了後にも改めて店舗内の消毒作業等を自社スタッフにより実施しております」
また今回の件を踏まえ、以下の再発防止策を進めているとのことだった。
・お客様が嘔吐された際の対応マニュアルの改訂と再周知
・店舗従業員向け研修を強化し、衛生管理に加え、お客様対応力向上の観点を含めた継続的な教育を実施
投稿主は「しっかり謝罪もいただきました」
「私たちは、すべてのお客様にとって安心・安全な店舗運営を第一に考え、今後も会社一丸となって、誠実な姿勢で取り組んでまいります。当日、せっかく当社店舗をご利用いただいたお客様に対し、当社の対応が十分ではなかったことを深くお詫び申し上げます。
また、本件を受けてご不安やご心配をおかけしている多くのみなさまにも、心よりお詫び申し上げます。まずは当日ご来店いただいたお客様への謝罪を最優先に、今後は衛生管理をはじめとした店舗対応の徹底に全社をあげて取り組んでまいります」
週刊女性PRIMEに回答が届いた後に投稿主にもきちんと謝罪したようで、3月31日深夜に、
《本社の結構上の方と話をしてとても丁寧に真摯に対応していただきました。私が投稿した内容に間違いがない事も認めていただき、当日のお店の対応、翌日以降の店長、マネージャーの対応など全てにしっかり謝罪もいただきました。
また、これ皆さんに1番伝えたいのですが昨日ブロック長の方が該当店舗に行き、当日いた従業員全てに1人ずつヒアリングし、監視カメラも確認し、これはダメだと思い自分から朝一保健所に連絡したそうです》
と問題が解決したことを報告。
同社の公式サイトでも、《SNS上の投稿に関する当社の対応について》というタイトルで、問題が起きた経緯や衛生管理、反省点、再発防止に向けた取り組みについて報告している。
幅広い世代が利用する人気チェーンだけに、みんなが安心して利用できるように衛生管理を徹底してくれると信じたい。