新入社員、期待背に始動＝日本代表監督もエール―全国で入社式

　新年度を迎えた１日、企業の入社式が全国各地で開かれた。人材の獲得競争が激しさを増す中で採用した新入社員に各社は大きな期待を寄せ、サプライズゲストを招くなどして門出を祝った。

　キリンホールディングスの入社式に登場したのは、サッカー日本代表の森保一監督。「自分の良さと仲間の良さを生かして、チーム一丸となってチャレンジしながら助け合ってほしい」などとアドバイスした。新入社員の柏原正宗さん（２４）は、「『攻めの姿勢』という森保監督の言葉を仕事に生かしたい」と話した。

　米鉄鋼大手ＵＳスチールの買収を目指す日本製鉄の今井正社長は、「国内外の鋼材マーケットで圧倒的なナンバーワンとなれるよう取り組んでいこう」と鼓舞。ＣＭに起用している俳優の川口春奈さんが出席し、新入社員と一緒に記念写真に納まった。

　ソニーグループは入社イベントを東京都内のライブハウスで行った。新入社員ら約１０００人が参加。グループ所属のお笑いタレントやす子さんやアーティストがライブで式を盛り上げた。

　日航機墜落事故から今年で４０年を迎える日本航空は、鳥取三津子社長が「お客さまを安全・安心に目的地へ送る大きな使命を担っている」と訓示した。約２１００人の新入社員は米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手らが寄せたビデオメッセージにも耳を傾けた後、紙飛行機を一斉に飛ばした。

　トヨタ自動車は愛知県豊田市の本社で入社式を開催。佐藤恒治社長は新入社員約２０００人を前に、「一緒にクルマの未来を変えていこう」と呼び掛けた。

　ローソンは一部店舗で導入予定の配送ロボが運んできた辞令書を、竹増貞信社長が新入社員の代表に手渡した。伊藤忠商事、リコーも入社式を開き、経営陣や先輩社員が新人を出迎えた。