3月31日、今年1月に芸能界を引退した中居正広氏(52)の女性トラブルに関する一連の問題で、フジテレビが設置した第三者委員会は会見を開き、別冊の資料も含めて全394ページにおよぶ報告書を公表。フジテレビ元社員の女性アナウンサーに対し、中居氏が性暴力を加えていたことを認定した。
報告書によると、中居氏は’23年6月、自宅マンションで、2人で食事することを女性に提案。当初、中居氏は女性以外のメンバーも誘ったが調整できず、適当な飲食店が見つからなかったと女性にメールで伝え、自宅での食事を提案したが、実際には誰も誘っておらず、店を探した事実もなかった。
これについて、報告書では《B氏(編注・フジテレビの元編成幹部)やCX社員が関与した事実は認められなかった》としつつ、女性が従来から証言していた《業務の延長線上》における性被害だと認定。女性は中居氏の自宅で食事することに同意したが、著名タレントである中居氏との間には“圧倒的な権力格差”があり、女性は誘いを《拒否できなかった》と評価している。
そのほか、港浩一前社長(72)ら上層部は《プライベートな男女間のトラブル》と即断し、女性が性暴力を受けた疑いがあったにもかかわらず、中居氏への事実確認を行わずに本人の番組出演を継続。女性への“刺激になる”などの理由で事実確認を怠ったことは《合理的判断とはいえない》とし、港氏らには人権問題であることの認識が欠如していると指摘していた。
そんな港氏に代わって、今年1月27日に新社長に就任したのが清水賢治氏(64)。第三者委員会の会見後に行われたフジテレビの会見には1人で臨み、「改めて被害女性にお詫びすると同時に、会社が委託した第三者委員会の調査に協力してくれたことに対して、深く感謝を申し上げたいと思います」と冒頭にコメント。フジの“再生・改革”に向けた今後の取り組みや、すでに実施している社員との“意見交換”の進捗状況などを伝えた。
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会見には98媒体、265人が参加。会見時間の大半が質疑応答に割かれ、清水氏は被害女性側と直接コンタクトが取れていないと明かしつつ、「女性との対話を通して苦労に報いたい」などと胸中を明かした。報告書では直接的な関与が否定されたものの、元編成幹部(B氏)については「結構問題が多い社員だったと認識している」とも語り、「厳正に処分するつもりです」と断言した。
長きにわたって影響力を持った日枝久氏(87)のフジテレビ、フジ・メディア・ホールディングス代表取締相談役退任が、第三者委員会の調査結果がまとめる直前に決まったことについて問われると、
「慌ててやったとかではない。第三者委員会を軽視しているわけではない。フジテレビがどのように刷新するのか、強く求められていることを肌身で感じた。調査結果が出るまで何もできない、それでいいのかと思い、経営諮問委員会の交代を行った」などと話し、旧日枝体制との“決別”も強調していた。
会見の途中では、前列の記者がある宗教団体の名称を連呼し、司会から発言を遮られる場面も。こうした波乱が起こりながらも、約3時間に及ぶ会見を清水氏は最後まで1人で相対していた。現場にいた記者は、明かす。
「私が見ていた限り、挙手していた記者には全員に質問の機会が与えられていたと思います。会見では“質問は簡潔に”“1人一問まで”というルールが共有されていたのですが、ヒートアップした記者が一度にも何問も質問をぶつけたり、一回の質問が数分に及んだりするケースも。それでも清水社長は傾聴姿勢を保ち、時には『どこからが質問ですか?』と毅然とした対応を取ることもありました。
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1月27日の会見当時は問題の全容が明らかになっていなかったこともあり、単純に比較はできませんが、今回の会見の方が全体的に締まった印象があります。1月は港氏ら役員5人体制でしたが、今回は清水社長ただ1人。“歯切れが悪い”と指摘されていた港氏と比べると、清水社長の方がしっかりと受け答えしていたのではないでしょうか。実際、記者席では『一人でよくやってる方』といった声も漏れ聞こえてきましたね」
清水新社長の元で、フジテレビは生まれ変わることができるのか。
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