どんな服装のお客さんでも、勝手に低収入だと決めつけて侮るのは危険だ。東京都に住む50代の女性（公務員／年収700万円）は、20年以上前に新築マンションのモデルルームを夫婦で訪れた際、啞然とする対応をされた経験がある。なんと営業マンから
「このクラスのマンション買うんだったら年収400万円以上ないと無理なんですよ」
と見下されたのだ。しかし投稿者は「私は公務員、夫は美容師で、2人の年収を合わせると大体950万円くらいでした」というから、だいぶ低く見積もられてしまったわけだ。（文：篠原みつき）
「私も夫も下はジーパン、スニーカー」
そもそも結婚当初は、女性が所有するマンションに夫婦で住んでいた。事情をこう明かす。
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「夫の両親は既になく、私の母と夫がとても仲良しだったので、いずれ同居することも視野に入れ、一回り大きなマンションを買おう！という話になりました」
購買意欲が高まっていたタイミングで、「ディズニーランドに遊びに行った帰り」のことだった。たまたま自宅の近くで建設中のマンションがモデルルームの公開を行っていた。そこは当時住んでいた場所から近く、間取りも4 LDKで希望に適っていた。
「これいいんじゃない！ということになり2人で入りました。私も夫も下はジーパン、スニーカー。上は、夫がポロシャツ、私はTシャツの上にキャラクターの入ったパーカーを羽織っていました。だって、ディズニーランドの帰りですから」
レジャー帰りのラフな服装のまま、「たまたま相談席が空いていた」ため、2人で並んで座った。すると担当の営業マンがくわえタバコで現れ、冒頭の通り信じられない言葉を口にした。
「『お客さんたちね、このクラスのマンション買うんだったら年収400万円以上ないと無理なんですよ。ローン組めないんですよ』とニヤニヤ笑いながら言いました」
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勝手に「ローンも組めない低所得者」と決めつけた、あまりにも失礼な発言だ。女性は「唖然としました」というが、すぐに腹を立てた夫は、「逆にニヤニヤ笑いながら」こんな反撃に出た。
「なんだ、400万円程度の年収で買えるの？じゃあ安普請なんだね。おいこの近くにもう1軒ここよりグレードの高そうなマンション建ててただろ。そっち行くぞ」
こう言うと、妻の手を取りさっさと会場を後にした。夫は、出ていく瞬間にも「マンションてさぁ、案外安いよな」と聞こえよがしに捨てゼリフを吐いたという。その後この営業マンとは、ある場所で再会することになるのだが……。【後編へ続く】
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