花澤香菜第27回電撃小説大賞で大賞を受賞した、著者・菊石まれほ、イラスト・野崎つばたコンビによるSFクライムサスペンス『ユア・フォルマ』。全6巻の壮大なる電索ワールドを紡いでいます(2025年3月現在)。
そんな本作が、ついに2025年4月2日(水)より初のTVアニメシリーズの放送をスタート! 独特の世界観で魅せる新たなSFバディものとして注目を集めています。
そこで本稿では、小説版のスペシャルPVから続投する形で主人公「エチカ・ヒエダ」を演じる花澤香菜さんにインタビュー。役作りの秘密や感動したポイントなどをうかがいました。
[取材・文=気賀沢昌志 撮影=撮影=You Ishii]
<作品イントロダクション>
未曽有のパンデミックの影響で、人々が脳に多機能情報端末を埋め込むようになった時代。視覚、聴覚、さらに感情までデータとなった記録の集合体「機憶」にダイブして重大犯罪を捜査する「電索官」がいた。
彼女の名はエチカ・ヒエダ。
世界最年少の電索官として活躍する天才少女は、ヒト型ロボット「アミクス」の青年ハロルドをパートナーに困難な重大犯罪に立ち向かう……。
◆PVから続投! 『ユア・フォルマ』の世界がアニメに
――2021年に公開された書籍の発売記念スペシャルPVから続投する形で、主役であるエチカ・ヒエダ役を担当されます。どのようなお気持ちですか?
驚きました。もちろんこれまでも、他媒体で担当させていただいたキャラクターをテレビアニメで続投させていただくことはありましたが、やはりそのたびにありがたく感じています。
あのPVで、「エチカ・ヒエダはこの声のイメージかな」と思っていただけたのでしたらうれしいですね。
――アニメ化で配役が変わることはよくありますよね。
あります。この1度限りになったとしても大切に演じるよう心がけています。
――作品のどのようなところが「おもしろい!」と感じましたか?
やはり「電索」という本作ならではのギミックです。作中でもユア・フォルマ反対派がいてリアリティーを感じますし、本当にそんな未来が来るんじゃないかと思わせてくれるほどです。
ただいくら科学技術が進化しても、記憶を他人に見られるのは抵抗がありますよね。私の頭の中も本当にヤバいと思いますよ。きっとエチカに「この人、毎日パン屋行ってない?」って引かれると思います(笑)。
――完成した本編映像ご覧になっていかがでしたか?
電索がどう表現されるかずっと気になっていましたが、すごく神秘的な映像になっていて思わず「はぁ〜!!」と! 記憶の中に潜るときは、海の中を泳いでいるような感じになるのですね。監督は考えに考え抜いたと思います。
私が期待していたのもありますけど、これだけでアニメ化した意味はあると思います!
――花澤さんが演じているエチカ・ヒエダとはどのような人物ですか?
ツンとしていたり、思ってもいないのに勢いで言ってしまったり、表面を見ただけではわからない本心を抱えた不器用な女の子です。
彼女の内面を拾い上げるために原作小説も読みました。電索の能力を持つ者としての自覚、そこに自信を持つからこそ今生きていられる部分、ハロルドとの関係性をどう捉えているかなど……。
――映像だけでは分からない部分を補うわけですね。
原作小説だと、そのへんは地の文である程度語られていました。その点では、アニメ版はかなりミステリアスなキャラクターとして見られてしまうのかなと感じています。
芯の部分は凛としていて捜査官としても優秀ではありますが、身体的にも内面的にもまだまだ少女の部分が残っています。
――ハロルドはどのようなキャラクターですか?
私なら手のひらで転がされちゃうなと思うくらい紳士です。エスコートが上手な王子さまキャラですね。
ただAI搭載型のロボットなので発言が冷たい部分もあります。エチカはすでに大きな事件を通してハロルドを受け入れており、人間と同じように捉えているところがあるので、彼のドライな部分に「機械」を感じて傷付いたりとか、それを伝えるときに言い過ぎてしまったりだとか、不器用だけどかわいらしくもあります。
物語が進むにつれてハロルドの「さらなる人間らしさ」が見えてくるので、どんどんと変わっていくハロルドを見守っていただければと思います。
――「すでに体験した大きな事件」とは原作の第1巻にあたる部分ですよね。今回のアニメシリーズでは第2巻からスタートしています。1巻を経ていない分、どのような役作りをされたか気になっていました。
「こういう関係性のコンビが物語を引っ張っていきますよ」という部分が明確になっているので、ストーリー的には視聴者の皆さんがストレスを感じることはないと思っています。
ただ演じる側は、それを踏まえた役作りが必要だなと思い……。第1話の収録では、自分の中でその背景を噛み砕きつつ、ハロルドとの会話をどうしようかなと探っていた部分はありました。
――言われてみれば、通常の役作りとあまり変わりませんね。
そうですね。今後、いくつもの出来事を経て関係性が深まっていくことを想定して第1話は演じました。
◆私が電索したいのは〇〇さん!
――収録はどのような感じでしたか?
「エチカ・ヒエダ」の発音が尻上がりなのか尻下がりなのか、そのイントネーションで少しザワつきましたね(笑)。
実際にどう呼ばれているかをその場で調べたり、「こっちのイントネーションのほうがかっこいいぞ」みたいなことを話しあったりして(笑)。最終的には平板なイントネーションに落ち着きました。
あとは原作の菊石まれほ先生もいらっしゃっていたので、わからないことは何でもうかがっていました。
――先生に会われていかがでしたか?
殺伐とした事件を描いているとは思えない、めちゃめちゃ優しい、素敵な方でした!
――本作のキャストは比較的ベテラン揃いな印象ですが、印象に残ったキャストは誰ですか?
遠藤綾さんと杉田智和さんの、普段とはまったく違う別人のような役作りとか、斎藤千和さんの長尺セリフとか……。
限られた尺の中でちゃんと伝わるように演技をするのって本当に大変なんです。しかも斎藤千和さんが演じるレクシーは教授ですからセリフの内容も専門的です。それをあそこまでわかりやすく伝えたのは本当にうまいなと思いながら近くで見ていました。
――ちなみに電索できるなら、誰の頭の中を覗いてみたいですか?
やっぱり菊石まれほ先生です! 「これ行けるぞ!」と電索を思いついた瞬間に立ち会いたいです。たぶんすごい快感だったと思うんです。「すげーぞ自分!」って(笑)。
あとは昨年行われたオリンピックの、柔道代表選手も電索してみたいです。試合をめちゃめちゃ見ていましたからね(笑)。
試合中は苦しかったと思います、でも逆転した瞬間の快感もすごかったはず……! 私も中継を見ていてボロ泣きしましたから、あの苦しさと「私強いぞ!」という瞬間を体験してみたいです!!
――最後に本作の見どころをお願いします。
やはりエチカとハロルドの関係性ですね。2人がお互いに影響しあってどんどんと関係性を変化させていきます。エチカは人として成長していきますし、ハロルドはAIの進化にもつながっていきます。
AIの部分も掘り下げられますし、「人が機械とどう向き合っていくのか」という部分はやはりSFらしい要素です。
――おもしろいと思ったのは、ひたすらプラスを重ねていくだけの関係ではないことです。
エチカはハロルドと対等な関係でいたつもりですが、どうしても人間の立場の方が上になってしまいます。そんな中でエチカがハロルドに隠しごとをして、結果としてエチカの立場が引き下げられる。そういったマイナスの出来事が、結果として関係性を深めることにつながるんですよね。
エチカはずっと対等でいようと思ってはいるんですよね。ただ人とAIの関係性で言えば、どうしても人が上になってしまいます。そう見えてしまうのは仕方のないことではあると思います。
エチカ自身、そのときはハロルドのAIらしい、感情を排した合理的な行動に反発して傷つきます。AIはそういうものなんだと自分に言い聞かせるけれど感情が追いつかないんです。そういった人とAIのすれ違いが見どころですね。
――それでは、読者へメッセージをお願いします。
『ユア・フォルマ』ファンの皆さんには電索のシーンに注目してほしいですし、ハロルドのビジュアルにも見惚れてほしいです(笑)。ハロルドはほかのアミクスと違って目の光り方が違うんですよ!
あとはエチカとハロルドのもどかしい会話ややりとりにも注目してほしいです。1話ごと少しずつ心の距離が縮まっていったと思ったらまた離れて……。そういった関係性も面白いですし、個別の事件の裏で蠢く縦軸の物語にも注目してほしいです。
私もエチカとして先のことを知りすぎないようセーブしながら収録に挑み、収録現場の「犯人は誰だ?」みたいな討論を楽しんでいます。ぜひ応援のほど、よろしくお願いします!
■放送・配信情報
2025 年4月 2 日(水)より、毎週水曜よる 11 時 45 分〜
テレビ朝日系全国ネット“IMAnimation W”枠にて放送開始 ※一部地域を除く
地上波放送終了後、ABEMA にて先行配信開始
4月 7 日(月)より、
毎週月曜深夜 0 時 15 分〜各種配信サービスにて順次配信開始
4 月 4 日(金)より、毎週金曜よる 11 時 30 分〜BS 朝日にて放送開始
4 月 6 日(日)より、毎週日曜よる 10 時 00 分〜CS テレ朝チャンネル 1 にて放送開始
■キャスト・スタッフ
〇キャスト情報:
エチカ・ヒエダ:花澤香菜 ハロルド・W・ルークラフト :小野賢章
ビガ :東山奈央 トトキ:遠藤綾 フォーキン:岡本信彦
ダリヤ:七瀬彩夏 ソゾン:福山潤
レクシー:斎藤千和 ライザ:東城日沙子 ベンノ:林勇
シュビン:杉田智和 ナポロフ:山寺宏一
〇スタッフ情報:
原作:菊石まれほ(電撃文庫/KADOKAWA 刊)
原作イラスト:野崎つばた
監督:尾崎隆晴
シリーズ構成・脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:嘉手苅睦
音楽:加藤達也
オープニング・テーマ:yama「GRIDOUT」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
エンディング・テーマ:9Lana「ネオラダイト」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
アニメーション制作:ジェノスタジオ
製作:ユア・フォルマ製作委員会
(C)2025 菊石まれほ/KADOKAWA/ユア・フォルマ製作委員会