30分以上の世間話、「上司を出せ」もアウト…専門家が指摘するクレームと“カスハラ”の境界線

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2025年04月02日 16:20  web女性自身

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4月1日から全国で初めて、北海道、群馬県などでカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止を目指す条例が施行された。



東京都では「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行。



「客からの就業者に対して行われる著しい迷惑行為で、就業環境を害するもの」を“カスハラ”として定義し、罰則規定はないものの、カスハラが違法であることが条例上明記されることになった──。



「商品の不具合に対して購入価格以上の金銭を要求したり、サービスの不手際に対して、従業員に暴力的・屈辱的な態度をとったり、度を超えた謝罪を要求するのがカスハラです。



客として、商品の不具合やサービスの不手際に対して、返品や交換、対応の改善や要望を言うことは大事な権利です。



ところが、そのクレームが時にいきすぎてしまうことも。



つまりは誰もがカスハラの加害者になってしまう可能性もあるのです」



そう語るのは、クレーム研修担当講師の津田卓也さん(Cube Roots代表)。



クレームといっても多種多様だ。



商品やサービスについての問題に対して正当な要求をするクレームもあれば、問題があったとはいえ要求内容や手段が常識的な範囲を超えているクレームもある。



後者のクレームは「ハードクレーム」と呼ばれ、そこに悪質な言動や行為が伴うのが「カスハラ」だ。



「カスハラの対応に心が疲れてしまう現場スタッフが増え、休職したり退職したりする人が急増中です。



豚まんで有名な『551蓬萊』では、客からの電話対応をしていた男性社員がうつ病になり、自死したのは、客からのカスハラを受けたことが原因として、遺族が国に労災認定を求める訴えを提起したケースがありました。



またある住宅メーカーの男性社員が客から受けたカスハラなどで精神疾患を発症し自死するなど、不幸なケースも起きています」(津田さん、以下同)



そもそも一般的なクレームは、『購入した商品が壊れていた』『店舗のスタッフの対応が悪かった』『レストランの料理がおいしくなかった』……など、商品やサービスの質が、客が抱いていた期待値を下回ったことによって生じる正当な要求だ。



「『もう利用しない』と離れていく客が多いのですが、本来、このようなクレームは『一般クレーム』といって、店や企業にとっては商品やサービスを改善するきっかけになる可能性が大。その声に真摯に耳を傾けることで顧客満足につなげることができるのです」



その一方で、クレーム対応をしている担当者にはまったく非がないのにも関わらず『対応が悪い』『お前の話し方が気に入らない』など商品やサービスへの意見とみせかけて、関係ないことを持ち出してクレームをつけて、担当のスタッフを困らせるケースは社会問題化している。



「かつて購入したタオルケットに穴があいていることに気付いた客が、商品管理の悪さについて指摘するとともに店までの交通費などの支払いを要求。



さらに、対応した店員2人に土下座をさせ、自宅に謝罪に来るように命令し、店員が土下座している姿を撮影した画像をネット上で公開したケースもありました。



カスハラは、暴力行為や土下座の要求などはもちろん金銭の要求や業務妨害、つまり従業員が仕事をする上で障害となる言動、行為であり、その定義は、組織ごとに決めてもいいのです」



常識外れ(無理難題、理不尽)の要求をする悪質クレーム、正当な理由もなく嫌がらせをしたり、迷惑行為をしたりすること。



これらのクレームの対応者が身体的、心理的な負担による害を受けたり、組織が多大な損害を被ったりするのが“カスハラ”だと言える。



同じクレームでも「一般クレーム」とカスハラとは大きな隔たりがあるように思える。



しかし「一般クレーマー」だったはずが、最終的にカスハラの加害者になってしまうことも十分ありえるという。



「売り言葉に買い言葉ではありませんが、最初はサービスや商品に対する要求だったのに、人間は感情の生き物ですから、エスカレートしてしまい『ふざけんじゃねえ』となってしまうケースは少なくないのです」



最後にはキレてしまい『お前はバカだろ!』『殺してやる』など言ってしまい、カスハラの加害者になってしまう。



ちなみに『お前を殺してやる』『ネットでばらまく』などの発言は「脅迫罪」が成立する可能性がある。



また、大声で怒鳴り、従業員や店員に恐怖を与え、土下座を強要したり、謝罪という形で書面を書くように強要したりすれば「強要罪」に抵触するする可能性も。



「たとえば、カフェで、店のスタッフがうっかりこぼしたコーヒーが自分のコートにかかってしまった。



店側からすぐ謝罪があり、クリーニング代も渡されたのにもかかわらず、怒りがおさまらずに『誠意を見せろ』と繰り返すのは、恐喝罪や脅迫罪が成立する可能性も。



『誠意』を求めてくる場合は、金品の要求であることがほとんど。



常習の悪質クレーマーは、『お金を払え』と表現すると、脅迫罪に該当することを知っているので、誠意のような曖昧な言い方で、金品の解決という提案を引き出そうとします。



具体的に『慰謝料をよこせ』『迷惑料をよこせ』などの発言も恐喝罪に、さらには口コミサイトで『低評価を書く』と威嚇することで脅迫に当たる可能性があります」



また、執拗に『上司を出せ』という要求を続けることも時にはカスハラととらえかねられないようだ。



この発言も、現場スタッフにはできない、金品での解決といった特別な対応を上司にしてもらえると判断されるようだ。



「そもそもは、一般的なクレームを冷静になって言えばいいものの、怒りがおさまらず、感情をぶつけてしまう。



客にも感情のコントロール法であるアンガーマネージメントが必要になってくるでしょう」



さらに市役所などの窓口で、特別な苦情や要求を言うわけでもないのに、毎日やってきては長時間の世間話をする。



苦情電話なのに関係ない話を持ち出して長時間にわたって話し続ける──。



これもカスハラとして認定される可能性もあるという。



「業種によっても異なりますが、だいたい30分もあれば要求や要望はしっかり伝えられると考えられています。



窓口対応や電話応対でも、30分以上になると業務妨害と判断されてカスハラになってしまうこともあるでしょう。



お客さまは“神様”なのだから、仕事以外の相談や世間話にも誠心誠意をもって丁寧に対応すべきだと、という要求が隠れていると考えられても不思議ではありません」



お客さまは神様だ──なんて、誤った認識で、気づかぬうちに「カスハラの加害者」になってしまう可能性も……。



対応には細心の注意を払うことを心がけよう。

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  • 誠意を見せろは一発退場だよね。
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