肥満の専門医が教える「やせる人とやせない人の違い」SNSを鵜呑みにしないで

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2025年04月02日 19:00  週刊女性PRIME

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※写真はイメージです

日本人男性の3人に1人、女性では4人に1人が肥満という現代。心筋梗塞など病気のリスクも高まるので「見た目はもちろん健康のためにやせたい」と思っている人は多いはず。とはいえリバウンドを繰り返したり、なかなか結果は出づらいもの……。肥満の専門医・藤井崇博先生が導き出す「成功」「失敗」の分かれ目とは?

「3分のストレッチですぐにウエストが細くなる」「○○だけを食べて1週間で5キロやせる」など、SNSや動画投稿サイトには、短期間で簡単に結果が出るというダイエット情報があふれている。試してみても、まったく結果が出なかったり、かえって体調を崩してしまうことも。

成功の秘訣は正しい知識と継続

最速最短で結果を出したい気持ちもわかりますが、魔法のように短期間で健康的にやせる方法はありません。自分の身体ときちんと向き合い、食事や運動などの生活習慣を見直し、中長期的に取り組むことが、結果的にダイエットの一番の近道なのです」

 と言うのは、循環器内科専門医で医療ダイエット専門のディオクリニック統括院長の藤井崇博先生。

 ダイエットは美容面だけでなく、健康な身体を維持するためにも重要。肥満はがんをはじめ、さまざまな病気のリスクを増大させる。

特に女性の場合は、肥満細胞から女性ホルモンの一種であるエストロゲンが産生されることで、乳がんや子宮体がんのリスクが上昇します。イギリスの研究では、閉経後の女性は体重が5キロ増えるごとに乳がんリスクが11%上昇するという結果も。中高年以降は元気に長生きするためにも、正しいダイエットが必要です」(藤井先生、以下同)

 ダイエットの第一歩は自分の身体と向き合い、無理のない目標を設定をすること。一つの目安になるのが、肥満度を現す、「体重(kg)÷〔身長(m)〕2」の計算式で算出できるBMIだ。

「中高年女性の場合、普通体重とされる25未満を目標にするとよいでしょう。また、BMIが適正でも、お腹回りがぽっこり出ている人は要注意。女性は腹囲が90cm以上だと、内臓脂肪がたまっている可能性が高く、動脈硬化や血栓の原因にもなるため、お腹回りのサイズも気にかけて」

〇〇制限は9割がリバウンドする

 メディアやSNSの情報を鵜呑(うの)みにして、「糖質は1日○グラム以下」「おやつは絶対食べない」といった“制限つきダイエット”にすぐ飛びつくのは、典型的なダイエットに失敗する人だという。

制限つきダイエットは9割近く失敗します。理由は『してはいけない』というストレスから、コルチゾールやドーパミンなど、食欲を増進させるホルモンが多く分泌されるため。このホルモンのせいで過食してしまい、リバウンドしやすい体質になります」

 ストレスを軽減し、ダイエットを長続きさせるコツは「適度に自分へのご褒美を与えること」だ。

「例えば週に1度ダイエット中に好きなものを自由に食べる日の“チートデー”を設け、ケーキなどの甘いものやラーメンなどの高カロリー食を食べてもいいことにすれば、ダイエットのモチベーションを無理なく維持できます」

 また、福島県立医科大学の調査によれば、メタボリックシンドロームの因子を持つ40〜79歳の人を対象に実施した実験で、落語鑑賞など笑いのプログラムを定期的に受けたグループのほうが、何もしなかったグループよりも、BMIの改善が見られたという結果があるという。

「つまり、やせるために好きなものを我慢して険しい表情でいるよりも、週に1度好きなものをおいしく食べて、笑顔で大らかな気持ちで取り組んだほうが成功しやすいといえるのです」

腹八部の食事で若返り効果も

 朝食や夕食を抜いて、食事回数を減らせばやせられるというのも、よくあるダイエットの失敗例だそう。

「食事回数を減らすと一度の食事からより多くの栄養を吸収しようとするため太りやすくなります。1日3食は変えず、全体の食事量を必要な摂取カロリーの8割程度にとどめれば無理なくやせられます」

 50〜60代女性の場合、1日の消費カロリーは1900〜2000キロカロリーなので、その8割の1600キロカロリーが摂取の目安となる。

カロリーの計算は大変なので感覚的にお伝えすると、満腹になるまで食べるのではなく、腹八分にとどめるということです。このときもう少し食べたい気持ちを抑えて身体に軽いストレスをかけることで、体内にNADというアンチエイジング作用のある補酵素が増えることが、近年の研究で明らかになっています

 腹八分の食事を習慣にすれば、やせるだけでなく老化予防にも効果があるのだ。

 ダイエットのために中高年以降が特に意識してとるべき栄養素は、タンパク質。

「タンパク質が不足すると、基礎代謝を上げてくれる筋肉量が減ってくるので、1食あたり20〜30グラムを目安にとると、やせやすくなります」

 ちなみに、卵1個(60グラム)に含まれるタンパク質は6.3グラム。細かい計算が面倒なら、豆腐や納豆などの小鉢を追加するなど、食事の品数を増やすことで、いつもよりも多くタンパク質を摂取して。

週1のジムより毎朝30分の散歩

 週末にジムなどで2〜3時間まとめて運動するのは、ダイエットが目的の場合は、あまりおすすめできないという。

「ダイエットのための運動の目安は週に150分以上といわれますが、週に1回まとめて運動してもあまり効果がないといわれています。私の患者さんでも、週に2、3回以上に分けて定期的な運動習慣を身につけた人が、結果を出しているんです。

 また、週に1度、意気込んで激しい運動をすると、足や腰を痛めてしまうリスクも。ウォーキングや水泳など、身体に負担の少ない軽めの有酸素運動がおすすめです」

 また、運動するなら夜よりも朝のほうが効果的だそう。

朝イチの低エネルギー状態で運動すれば、身体に蓄積された脂肪を運動エネルギーにかえようとするため、脂肪の燃焼効果を得やすいのです

 さらに、運動開始30分前にカフェインをとると、時間帯に関係なく脂肪燃焼効果が高まるという研究結果も。コーヒーや緑茶などを飲んでから運動するようにしたい。

明るい部屋で寝ると太りやすくなる

 睡眠の質や量も、ダイエットの成功に大きく関わる。

睡眠時間が短いと、食欲抑制ホルモンであるレプチンの量が減り、逆に食欲増進や脂肪蓄積作用があるグレリンというホルモンが増加するため太りやすくなります。睡眠不足が内臓脂肪の蓄積を引き起こす因子であることも、新たにわかってきました

 明るい部屋で寝ている人も要注意。

「寝室の照明が明るい人ほど、BMIや腹囲、中性脂肪が高くなったという研究結果が国内外にあります。夜間に照明にあたりながら眠ると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられるため、睡眠の質が低下し、脂肪を蓄積しやすくなるのが原因と考えられています。

 スマホのブルーライトも睡眠の質を下げるため、寝る30分前には見ないようにしたいですね。暗い部屋で最低7時間以上の質の高い睡眠を心がけて」

教えてくれたのは……藤井崇博先生●循環器内科専門医、ディオクリニック統括院長。10年間大学病院に勤務の後、2021年、クリニックの立ち上げに参画。開院から4年で30万人(外来実績)のダイエットをサポート。近著に『やせたいあなたが最後に読む本』(ダイヤモンド社)。

取材・文/伊藤淳子

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