フジテレビで流れるACジャパンの公共広告 フジテレビのCMを中止しているスポンサー企業は、旧態依然とした企業風土をフジが改められるのか見極めた上で、再開を判断する。現時点で、セブン&アイ・ホールディングス(HD)など多くのスポンサーが再発防止などの進展を踏まえて「総合的に判断する」と慎重姿勢。キリンHDや花王は、国連の原則にのっとった人権方針に照らし合わせて再開するかどうか決める方針だ。
フジ第三者委員会は元タレント中居正広氏による性暴力を認定し、「重大な人権侵害行為」と指弾。併せて、フジの人権やコンプライアンス(法令順守)意識の欠如、企業統治不全を厳しく批判した。
これに対し、キリンHDは2日、「人権侵害の事実認定は重大な問題と受け止めている」との見解を示し、CMの停止を続けると発表した。再開については、再発防止に取り組むようフジに働き掛けた上で、「適切に進捗(しんちょく)していると判断できた段階で検討可能になる」との考えを表明した。花王も「いかなる人権侵害も容認しない」とコメントした。
フジと親会社はコンプラ部門の強化などを盛り込んだ再発防止策を公表したが、金融界の担当者は「どう考えても組織的な問題だ」と、早期の「再生」に懐疑的。拙速なCM再開は視聴者の反発を招きかねず、小売業界の関係者は「再開を急ぐ理由がない。イメージダウンにつながる方が怖い」と本音を漏らした。
セブン&アイのほか、イオンや三井不動産、東京ガス、コスモエネルギーHD、ロート製薬、ネスレ日本(神戸市)などが今後の動向を見極めて総合判断する考えを明らかにした。トヨタ自動車もCM出稿について「お客さまなどの共感を得られる形で行っていく」と説明。資源開発大手INPEXは「費用対効果」の観点から、ミニ番組の単独スポンサー契約の更新を見送った。
一方、サントリーHDは「今後、CMの再開について検討していく」とコメント。新浪剛史会長は2日、フジが経営陣を刷新したことなどを評価し、「再開を検討する状況になってきたのではないか」と述べた。