※写真はイメージです。日系自動車メーカーのディーラーに4年間勤務していた経験がある宇野源一と申します。皆さんは新車を購入するとき、複数のお店を回りますか?
食料品などは折込チラシなどを見て安いお店に行く人も多いと思いますが、新車においても「少しでも安い」お店で買うことができるかもしれません。今回は、筆者の実父が新車を購入したときの実例を交え、複数のお店で値引き額や条件を比較する“相見積”の効果を紹介します。
◆ディーラーは“同じ看板でも別の会社”のケースも
多くの人が知らない事実として、ディーラーは全て同じ経営資本ではない場合があります。トヨタの車を買おうとしたとき、同じ看板を掲げている正規ディーラーであっても、経営している会社を見ると「◯◯トヨペット」であったり「◯◯トヨタ」、あるいは「カローラ◯◯」といったように同じトヨタの看板を掲げていても“別の会社”というケースがあります。
これに加えて「◯◯モータース」というように地域密着の個人経営に近いサブディーラーと呼ばれるものもあります。ディーラーは基本的に自動車メーカーから車を仕入れますが、仕入れ値がディーラーごとに違うので、値引き額に違いが出てくるのです。
◆2店舗を回った父、どれくらいお得に新車を買えた?
前段で説明したことを踏まえ、筆者の父が新車を購入したときの話を紹介します。
詳しい部分は割愛しますが、父はスズキのハスラー「タフワイルドターボ」というグレードを買いたいとのことで商談を開始していました。
最初に父が行ったディーラーは自宅近くにある「◯◯自動車」が経営しているスズキのサブディーラー。メーカーオプション付きの新車価格は219万円。軽自動車も高くなりましたね。マットやバイザーなど必要最低限のディーラーオプション総額は11.4万円。値引き額は車両とオプションからそれぞれ5万円の合計10万円でした。
下取り車として、私がディーラー勤務だった頃に販売した日産キューブがあり、それが9万円という内容。
オプション値引きを頑張っている様子でしたので、“こんなものか”と思いましたが、父に進言して正規ディーラーである「スズキアリーナ」まで一緒に行きました。
車に限らず、商談は「後出しジャンケン」が有利になるのはわかっていましたので、正規ディーラーの方が多少は条件が良くなるだろうと予測していました。実際にフタを開けてみると、案の定サブディーラーよりも好条件の見積書が出てきました。
支払い総額はサブディーラーよりも4万円ほどしか安くありませんでしたが、正規ディーラーが提示した見積書には、ボディコーティングとウインドウ撥水、さらに5年分のメンテナンスパックなど、総額だと約20万円も用品が追加されていました。値引き額は車両から5.5万円、オプションから8.5万円。
驚くべきは下取り車の価格で、22万円まで増額されていました。
◆相見積の注意点「お互いに本気の姿勢で」
今回の商談では正規ディーラーでの方が値引き総額も支払い総額も安くなりましたが、地域や時期によってその力関係が大きく変わることもあります。
首都圏など都市部においては正規ディーラーの方が強い傾向にあり、地方など正規ディーラーが少ない場所だとサブディーラーが強い傾向にあります。これは実際に足を運んでみないとわかりません。また、商談をする際は「いつまでに買うのか」ということは基本的に伝えるべきですが、「好条件が出るのであればその場で契約する」という意思表示をすることが重要です。
ディーラーの立場からすれば、買うかどうかもわからない客に対して本気の値引きを提示しません。ですので、商談をする際には“お互いに本気の姿勢”ということが大切なのです。ディーラーとの付き合いが長くなると、その1社で商談を完結してしまうケースが多々ありますが、相見積によって多少はお得に買える可能性があります。ですが、これまで築いてきた関係性を壊してしまう可能性もあるので、商談をする際は気をつけましょう。
<文/茂木源一>
【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801