清水直行が語るロッテの「ポスト佐々木朗希」 田中晴也の評価が高いのはなぜ?

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2025年04月04日 10:20  webスポルティーバ

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 高卒2年目の昨季に一軍で4試合に先発し、20イニングと少ないながらも防御率1.80をマークしたロッテの田中晴也。まだ勝利数は1にもかかわらず"ポスト佐々木朗希"と呼ばれ、次世代のエース候補として大きな期待がかかっている。

 オープン戦で安定したピッチングを見せるなど確かな成長を見せる田中は、なぜそこまで評価が高いのか。かつてのロッテのエースで、2018年、19年にはロッテの投手コーチも務めた清水直行氏に、田中のストロングポイントについて語ってもらった。

【長所はマウンド度胸とストライク先行】

――オープン戦でアピールし、開幕ローテーション入りを果たした田中投手ですが、同じ右投げの先発ピッチャーとして、どんなところに魅力を感じますか?

清水直行(以下:清水) 一番の魅力はマウンド度胸のよさです。高卒3年目にしてはとても落ち着いていますし、マウンド上で自分がやりたいことをしっかりとやれているピッチャーですね。

 ブルペンでいいボールを投げていても、マウンドに上がるとガラっと変わってしまい、自分のやりたいことができないピッチャーも多いのですが、田中は終始落ち着いています。1球1球に意図を感じますし、ストライク先行でカウント負けしないピッチングができるんです。

 昨年はカウント負けしてフォアボールを出してしまうシーンが見られたのですが、今年はオープン戦を見た限り、まだその気配がありません。それと、昨年よりも力みが抜け、もともとよかった腕の振りが、さらによくなっています。

――やはりボールが先行してしまうと、ピッチングは苦しくなります。

清水 コントロールが定まらずにボールが続いてしまうと、結果的に逃げのピッチングになってしまったり、行き当たりばったりのピッチングになってしまいますからね。

 例えば、変化球を軸にピッチングを組み立てる"かわす"タイプのピッチャーが、初球で変化球を投げてボールになってしまった場合、2球目をどうするか。できればストライクゾーンにストレートを投げたくないので、変化球を続けることも考えられますよね。ただ、その2球目もボールになってしまった場合、たちまち苦しくなります。

 そのようなピッチャーはストライクゾーンで勝負することが難しいのですが、田中はその逆で、ゾーンで勝負できるピッチャーなんです。それは、ピッチャーにとってすごく大きなこと。ゾーンで勝負できればフォアボールが減って球数を減らせますし、結果として長いイニングを投げられます。

【変化球も生きるストレート】

――田中投手のストレートをどう見ていますか?

清水 試合で投げる球種の割合を見ると、一般的なピッチャーはストレート系(わずかにボールを変化させてバットの芯を外すワンシーム、ツーシーム、カットボールなども含む)のボールが50%くらいですが、昨季の田中はストレート系の割合がより多かった(約60%)。ストレートでアウトが多く取れるピッチャー、と言っていいと思います。

 もう少し突っ込んで言うと、ストレートでゴロのアウトが取れるピッチャーですね。近年はパワーピッチャーが増えていますし、ストレートでポップフライを打たせることは多いですが、ストレートでゴロアウトが取れるピッチャーは相当有利ですし、ピッチングがすごく楽になるだろうと思います。

――ポップフライではなく、ゴロを打たせられる理由は?

清水 長身(186cm)を活かしていてボールに角度がありますし、低めに集められます。ストレートでゴロアウトが取れる、と聞くと、大したことがないように思えるかもしれませんが、僕の経験値から言わせてもらうと、それは意外と難しいことなんです。カウントで追い込んだあと、高めに投げて泳がせてポーンと打ち上げさせるフライアウトや、ツーシームで詰まらせてゴロを打たせるピッチャーはよくいますけどね。

 オープン戦でも、ストレートを軸にしてピッチングを組み立てていましたし、自信を持ってゾーンに投げ込めているので、続けていってほしいです。

――変化球はフォークやスライダーなどがあると思いますが、どう見ていますか?

清水 フォークを多く投げるのですが、ボールが暴れることなく低めに集めることができますし、ある程度はコントロールできていると思います。そこまでキレキレのフォークではないのですが、ゾーンに入れてカウントを稼ぐためのフォークと、空振りを取りにいくフォークを投げ分けることができています。

 ストレート、スライダー、フォークで組み立てるスタンダードなタイプのピッチャーではありますが、一番の魅力は、先ほどお話したようにストレートです。変化球を生かすも殺すもストレートの走り次第ですし、今後もストレートにこだわって磨き続けていってほしいですね。

【プロフィール】

清水直行(しみず・なおゆき)

1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝(旧・東芝府中)から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの中核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年のシーズン後にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

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