【スピードスケート】高木美帆、ミラノ・コルティナ五輪での1500m制覇へ「都度道をつくる」

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2025年04月04日 17:09  日刊スポーツ

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会見に出席した高木(撮影・勝部晃多)

スピードスケート女子の高木美帆(30=TOKIOインカラミ)が、来年2月のミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)へ向けて変革を誓った。4日、都内で今季の総括会見を実施。先月行われた世界距離別選手権で日本女子初の1000メートル2連覇を達成、W杯の五輪種目通算勝利数を日本勢歴代最多の「36」に伸ばすなど偉業を成し遂げた一方で、最大目標に設定した1500メートルで振るわなかった1年を冷静に見つめ直した。22年北京五輪で1000メートルの金を含む4個のメダルを獲得した日本のエースが、さらなる高みへ挑戦する。


赤裸々に語りたいという意思から、自ら命名した「高木美帆と語ろうの会」。その約50分間の会見で、高木は1000メートルで歴史を更新した喜びよりも、1500メートルで結果を出し切れなかった自身を磨き直すことに主眼を置いていた。


「1500メートルが伸びてこないフラストレーションがある。自分の積み上げてきたものを信じながら、変換していくことが大切になる」


先月16日にノルウェー・ハーマルで行われた世界距離別選手権の同種目では、まさかの4位。「満足はない」と、今季の総決算の氷で勝てなかった悔しさがにじんだ。「あの段階の私の力では、最初から攻めるしか勝つ手段は残されていないと学んだ。選択肢の少なさが一番大きな敗因。後半に粘れる力がないというのが、大きな反省すべきポイントになる」と、受け止めた。


ミラノ・コルティナ五輪へは1年を切った。自らが置かれている状況は、18年平昌大会や22年北京大会の前とは明らかに異なっている。「過去2大会は前年シーズンの中から明確な道筋があって、『愚直に進んでいくだけ』という思いが強かった。だけど、今回は迷いや不安がある」と、思いを隠さない。大舞台へ向けた指針や手応えはない。自問自答を繰り返す日々を送ることへの覚悟を示した。


だが、その顔に決して悲壮感はなかった。「自分の中で弱気になっていたりというのは全然ない」。ネガティブは“伸びしろ”と捉えている。「つくってきた道を走るより、その都度道をつくることになる。だからこそ、『こういうふうにやればいい』という慢心や怠惰は起きない」と、プラスに変換した。


15歳で10年バンクーバー五輪に出場し、自ら道を切り開いてきた第一人者。三十路(みそじ)を迎えても、その姿勢は変わらない。1000メートル&1500メートルの両取りへ、日本のエースは自らを更新し続けていく。【勝部晃多】

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