【ネタバレあり】ファーストガンダムほぼリアルタイム世代が映画「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」を3回見た感想

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2025年04月04日 17:40  Fav-Log by ITmedia

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機動戦士Gundam GQuuuuuuX キービジュアル (c) 創通・サンライズ

 大きな話題となった、最新のガンダム映像作品「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」。劇場先行版である「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」は、公開から59日間の興行収入が31.9億円、観客動員が193.4万人という大ヒットとなっています。

【画像&動画】TV Series Promotion Reelも新たに公開されている

 今回は、“ファーストガンダム”ほぼリアルタイム世代の筆者が「-Beginning-」を3回見るに至った経緯と感想のようなものをつづってみようと思います。すでに鑑賞した方にも、これから鑑賞しようという方にもなんらかの参考になれば幸いです。なお、本編のネタバレを多く含んでいますので、本作の最大の魅力である「初見のインパクト」を味わいたい方は、必ず鑑賞後にお読みください。

●「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」とは

 「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」は、「ガンダム」シリーズの最新作。同シリーズを手掛けるサンライズと、「エヴァンゲリオンシリーズ」などを手掛ける、庵野秀明氏が率いるスタジオカラーが初めて共同で制作するガンダム作品です。

 1979年にテレビ放映された最初のガンダム「機動戦士ガンダム」、いわゆる「ファーストガンダム」と呼ばれる作品の「仮想戦記」との位置付けで、「1年戦争でジオン公国軍が勝利した」という世界線で物語が展開されます。「もし…だったら…」というIFもの、あるいはパラレルワールドのような作品だと考えればよいでしょう。

 劇場先行版の「-Beginning-」は2部構成。前半は「IF」の1年戦争が、ファーストガンダムを手がけた安彦良和氏のオリジナルデザインに準拠したキャラクターで描かれ、ファーストファンにはたまらない映像&物語となっています。

 そして後半からはいよいよ本編の主人公「マチュ」たちが現代的なデザインで登場。ファーストガンダムの世界観を感じさせながらも、フレッシュなストーリーに期待が膨らみます。

●1回目の感想:ネタバレを極力回避しながら1回目の鑑賞へ

 筆者が初めてテレビ版ファーストガンダムを見たのは小学校中学年ぐらいで、ブームが盛り上がり始めたころ、おそらく夏休みの再々放送でした。すぐにどっぷりとハマり、映画版は全作品(I〜III)を初回の劇場公開で鑑賞しています。

 その後もしばらくブランクはあったものの、OVAやゲームなどでファーストガンダムから連なる「宇宙世紀」の作品を楽しみ、DVDや配信などでテレビ版のガンダム作品はほとんど見ており、ジークアクスに関しても情報をキャッチした時点で見る予定でした。スタジオカラーが作るガンダムというだけでも期待は高まります。

 困惑したのは事前情報の少なさで、どのような世界観の作品なのか全くわかりませんでした。ただ、X(旧Twitter)などで、「緑の髪のおじさんがいるがシャリア・ブルではないか?」「ザクのようなモビルスーツ(MS)に『警察』というマーキングがある」といった情報が流れており、ただならぬ気配を感じていました。そのため、「これは急いで見ないとネタバレでがっかりするに違いない」と思い、公開初週の日曜に鑑賞に行きました。

 これが大正解で、最初のシーンのインパクトはすさまじく「俺は何を見せられているんだ?」というドキドキ感と、展開される「IF」世界の映像のワクワク感を存分に楽しめました。一緒に見に行った私と同じガンダム好きの友人も、事前情報なしに見たのですが「誘われなければスルーしていたが、大変いいものを見た」と大満足でした。

●2回目:「ギレンの野望」で体感した「IF」が映像で目の前に

 ジークアクスで描かれる「ジオンが勝利するIFの世界」と言えば、私にとっては、1998年にセガサターンで第1作が発売されたゲーム「ギレンの野望」シリーズで体感済み。ギレンの野望は、ギレン・ザビ率いるジオン軍を自らが操作できるシミュレーションゲームで、シリーズを重ねるごとに何度も何度も我がジオン公国の勝利をかみしめてきました。

 「ギレンの野望」ではシャアがキャスバルとして勢力を率いるモードもあり、その際にキャスバル専用の「赤いガンダム」が登場します。ジークアクスを鑑賞して「これはギレンの野望がついに公式の映像作品になった!」と感じ、20年以上を経て「アニメで見たかった映像」が目の前に現れる感動を覚えました。

 一方、「ギレンの野望」で体感できるのはあくまで既存作品内のキャラクターのその後であり、世界がどのように変わっていくのかまではあまり描かれません。ジークアクスが描いていくのは、「アムロが戦争をかき乱さなかった世界線」のそのまた先なのです。1回目の鑑賞では、ただただ前半の映像に引き込まれてしまった私ですが、「後半にこそジークアクスの本当の魅力がある」と、気になって仕方なくなり、もう一度見ることにしました。

 2回目の鑑賞となると細かいところに目が届いて来ます。サイド6の軍警ザクのマーキングの「警察」に代表されるように、映画後半からは様々な場所に日本語が使われています。エヴァンゲリオンシリーズでもこのような描写が多く、カラーが作成したガンダムだというのがよく伝わってきます。

 また、富野由悠季監督がかかわっていないガンダム作品では意外に避けられがちな「ニュータイプ」が作品全体のテーマの一つとなっているのも非常に引き込まれるポイントです。そして、主人公マチュ(アマテ)が「キラキラ」を求め、戦いに引き込まれていく様子は、ララァとアムロが邂逅を通じて、ニュータイプ同士の引かれあいに身を投じていく姿と重なります。

●3回目:4D上映の迫力はアトラクションそのもの

 ジークアクスの4D上映が予告された時点で3回目の鑑賞を決めました。MX4D・4DXといった4D上映は、振動・煙・風・水しぶき等といった五感を刺激する特殊効果がシーンに合わせて展開され、作品世界に入り込んだような臨場感が味わえるアトラクション型の上映形態です。

 4D上映のジークアクスにおける、モビルスーツの戦闘シーンでの体感はまさに圧巻です。以前、「逆襲のシャア」の4D版上映を鑑賞したことがあり、同様の楽しさを期待しながら見に行ったのですが、最新の技術によって描かれるMS同士の戦闘など、映像の迫力も高水準ですし、映画版ファーストの第1作を前の人の頭が気になる映画館のヘタレた座席で見た記憶と比べると、隔世の感がありした。

 3回目の鑑賞では、ここぞという場面で効果的に流れる主題歌にも耳を奪われました。昨今のアニメでは、「これ、アニメの内容と関係なくない?」と感じるような主題歌が多く感じるのですが、担当の米津玄師氏はゲーム「SDガンダム GGENERATION F」をプレイしていたという強者で、好きなMSはケンプファーというガンダム通。さらにジークアクスの監督である鶴巻和哉氏の監督作品である「フリクリ」に影響を受けたとも語っており、ジークアクスの主題歌にはうってつけの人選。曲中で何度も出てくる「もしも」というフレーズは、ジークアクスという作品そのものを表していると言っていい言葉であり、とにかく耳に残る楽曲です。

●テレビ版への期待:4月8日、地上波で本編が放送スタート

 大きなインパクトを我々に与えたジークアクスの劇場先行版「-Beginning-」ですが、テレビ放映される物語が本編です。4月8日より毎週火曜24時29分から日テレ系30局ネットで放送されることが発表されており、Amazon Prime Videoでは4月9日の午前1時から国内最速で配信されます。

 シャリア・ブルはシャアと再会できるのか? マチュはどのようなニュータイプに成長していくのか? 謎の少年・シュウジの正体は?生き残っているマ・クベやキシリア、ガルマたちのその後は? そしてアムロは登場するのか──など、気になる要素が盛りだくさんのジークアクス本編に期待は尽きません。

 劇場においては、「特別映像」が追加されており、私も3度目(4D上映)で鑑賞できました。そちらでは新たなキャラクターの少女や、本来は連邦の量産型MSであるジムらしきMSの姿なども確認できます(このジム、ガンダムXのドートレスに似てると思うのは私だけでしょうか)。新たに公開された「TV Series Promotion Reel」でそれらを確認できますので、未見の方はぜひ視聴して、本編への期待をさらに膨らませましょう。

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