
長年勤めた会社だが、経営陣が変わるなどして途端に働きにくくなることがある。東京都の男性(70代〜)は、かつて上場企業に勤めていた。昔は終身雇用が当たり前だったから、定年まで勤める予定でいたに違いない。ところが
「20年勤めた会社を去る決心をしました」
とは、どんな経緯があったのだろうか。(文:天音琴葉)
「社長派と反社長派の内乱」の結果、「全く新しい部署へ配属」
グループ全社を取りまとめていた創業者が高齢になり、「このままでは影響が出る」と危惧され始めた頃から「社長派と反社長派の内乱」が勃発した。少数派の「社長派」だったという男性は、結果、社長が敗れたことで不利な立場になったようだ。
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「社長が経営から手を引いた瞬間に社内で大規模な編成替え。私は全く新しい部署へ配属」
新しい部署でも仕事の内容自体は同じで、特に困らなかったというが、「評価会議」の場で問題が起きた。
「私の上司が、過去の実績の累積で昇給や昇進を決めるシステムなのに独断で『俺のところは評価基準を変える。今回評価から過去の実績は全員ゼロからスタートしてもらう』。このように宣言され現場は騒然」
実はこの時、昇進間近だった男性にとって、突然の方針転換は不都合なものだった。
「過去半年は安全策を取って昇進の準備中でした。これはそれまでの常識の行動です。それまでの上司も『ここで無理をすると今までの苦労が台無しだ。余裕の範囲で押さえておけば大丈夫』と言われておりました。ですから突出した実績は造っておらず、お手本通りの実績で抑えておりました」
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そのため新上司に「私たちの評価もそうなるのか?」と確認したら、「さっきの話を聞いてなかったのか?」と一蹴されてしまった。
優秀な人材は次々と退職
結局、過去の実績を加味されず、「提出した評価表と違うことを発表するという何とも異常な評価会議」になった。しかも上司は事前に、お気に入りの一部の部下には、評価基準が変わることを漏らしていたそうだ。その部下たちは実績作りに走ったに違いない。
これを機に20年勤めた会社を去ると決心。その後、社長は他界し男性もほどなく退職した。
同時期に優秀な人材がたくさん辞めたという。そのためだろう。退職の数年後、「地獄のブラック企業」へと変貌したそうだ。結局、米国の親会社から社長を迎え入れて立て直し、現在はようやく軌道に乗り始めているようだが、
「現在の業績ですら私が在籍した最終年の数値にすら遠く及ばずです」
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また男性が勤務していた時には「給料も高いことで有名でした」というが、
「私と同職位だった人の年収は私が得ていた収入の僅か4割。職位に与えられていた権限も削られて何が楽しくて仕事をしているのか? と傍から見ていて疑問に思う状態です」
地獄を見る前に辞めて良かっただろう。
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