
昨年末に発売された『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』(講談社)が話題だ。著者は、これまで数々のトレンドをつくってきた人気メイクアップアーティストのイガリシノブさん。2児の母でもある。
イガリさんは、メイクの方法やコツを学ぶことだけでなく、自分の顔や身体を大切にし、メイクを使ってポジティブに自分らしさを表現することを目的とした「メ育(包括的メイクアップ教育)」も提唱。3月上旬には東京都内の中学校で「メ育」の特別授業も行った。
「『まず口紅を塗ってみましょう』と言ったとき、男子生徒たちが女子よりもまず早く塗りだしたことが私には面白かったんですね。男子はメイクの仕方なんてまったく知らないからか、ずっと積極的で。実に興味深かったです」(イガリさん、以下同)
親が子に買い与えているケースも多いという同書だが、世間では「さすがに小学生がメイクをするのは早すぎない?」と考える向きがまだ多いだろう。
「時期尚早なことは事実」
とはいえ、SNSや動画からの膨大な情報もあり、今や肌ケアやメイクは老若男女を問わない関心事といえる。だからこそ、正しい知識を身につけてほしい……というのが、この本のコンセプトだとイガリさんは語る。
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「『学校の校則で禁止されている』というのなら、ルールは守るべきでしょう。でも、メイクに興味を持つことは決して悪いことではありません。メイクは文化でもありますし、表現方法のひとつ。また、関連する職業も多いですから、子どもたちの将来の可能性にもつながるでしょう」
だが、発育においては「時期尚早なことは事実」だという。
「皮膚科の先生によると、大人の肌なら浸透しない成分でも、子どもの肌には浸透してアレルギーや肌荒れを起こしてしまう場合もあるとか。そのため、ファンデーションのように肌に触れる範囲が広いメイクは避けたほうがいいとのことです。また、ジェルネイルも、爪へのダメージが大きいため子どもにはおすすめできないと、ベテランのネイリストの先生が断言しています。
だからこそ、将来も健康的にメイクができるように、効果的なメイク落としの方法や、肌や爪のケアの方法を、教えてあげておいたほうがいいのではないでしょうか」
そんなイガリさんだが、メイクアップアーティストとして、小学生にすすめていないメイクがある。
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「本の中では、眉のメイクについてはあえて触れませんでした。眉には如実に個性が出ます。小学生の段階ではまず、その個性と向き合ってほしいのです。また、眉毛は抜けて薄くなりやすいので、お手入れをむやみにしないほうがいい。以前『アムラーファッション』が主流だった際に『細眉』が流行したものですが、抜いた眉が生えてこなくて後悔している人が多数いますよね。
もうひとつ、肌を染める仕組みになっているティント系のリップ。透過性の高い子どもの肌には負担が大きすぎるんです。これらは肌の弱い大人にもおすすめしません」
イガリさんの提唱する「メ育」は、子どもたちだけでなく大人にも学ぶ価値がありそうだ。