
実績十分の目玉選手、知る人ぞ知るシブい実力派......。NPB2025年シーズン、各球団が獲得した「新外国人選手」を、プロ野球コーチ経験者と現役スコアラーがガチンコ査定します!
これまで「初来日組・投手」編、「初来日組・野手」編とお送りしてきたが、今回は「国内移籍・NPB復帰・育成契約組」編!
*評価は上から順にABCDの4段階。支配下登録選手は「戦力度」、育成契約選手は「将来性」を評価。*年齢は今季開幕時点 *年俸は推定、複数年契約は単年換算 *特別な表記のないコメントは同じリーグの球団に所属する先乗りスコアラーの寸評
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■巨人に移籍した最強守護神の悩み
今季の新外国人選手の中で最も活躍が期待される......というより、活躍が義務づけられているのは、昨季限りで中日との契約が切れ、巨人へ移籍したライデル・マルティネスだろう。
その契約、なんと4年総額50億円! 円安の影響もあるとはいえ、単年換算ではNPB史上最高年俸だ。
セ・リーグ某球団の先乗りスコアラー(次の対戦カードの相手チームを分析する役職)が解説する。
「ストレートは3階からボールが急降下してくる感じで、打てるかどうか以前にバットに当てるのが大変なレベルのリリーフ右腕です。
中日との契約が切れた昨オフ、水面下で繰り広げられたソフトバンク、DeNAとの争奪戦を巨人が制した形です」
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巨人には大勢という守護神がいるが、阿部慎之助監督は、大勢は1年通して盤石だったシーズンがないと厳しい評価を下し、マルティネスの獲得に至った。
かつて横浜(現DeNA)の投手コーチを務めた野球解説者の野村弘樹氏が言う。
「マルティネスは昨季最下位の中日で43セーブを挙げた実力の持ち主で、巨人ならフル回転すれば50セーブ以上も期待できる。ただ、大勢のプライドを尊重してあげるのも大事です。
もし自分がコーチの立場なら、大勢とマルティネスのダブルストッパーも面白いと思うんです。相手との相性や疲労度によって使い分け、休養も取る。
起用の難しさも生じるでしょうが、中継ぎ陣の層が厚くなった巨人ならできると思います」
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そんなマルティネスだが、意外な悩みもある。
「巨人に来て毎日ヒゲをそるんだけど、肌が繊細ですぐ荒れてしまう」(本人談)
"紳士たれ"の巨人軍はヒゲ禁止。それが投球に影響しなければいいが......。
DeNAに2年ぶり復帰のトレバー・バウアーは、MLB復帰への思いを隠そうともしない点こそやや気になるが、やはり実力は文句なし。昨年はメキシコリーグで無双状態だった。
「23年の初来日時は、その前年まったくプレーしておらず体をつくるところからのスタートだったにもかかわらず、10勝を挙げました。今季は15勝しても不思議ではありません」(野村氏)
「34歳になっても衰えは感じません。オープン戦ではむしろ日本野球を知っているからこその『このカウントでナックルカーブを使うか!?』といった意表を突く配球も見られました。
DeNAは打線がいいですから、5、6回を2、3点までに抑えればいい。そういう意味でもバウアーは自分の仕事を計算しやすいでしょう」(セ某球団スコアラー)
同じNPB復帰組で、3年ぶりにロッテに戻ってきた剛腕リリーバーのタイロン・ゲレーロも要注目。
「来日してキャンプ早々、吉井理人監督が現役時代に武器としていたスプリットの伝授を懇願し、習得したようです。あの球速に加え、落ちる系の球があるとなると相当強力ですね」(パ・リーグ某球団スコアラー)
ちなみに、ソフトバンクはセ・パ12球団で唯一、支配下登録の新外国人選手の獲得がなかった。
「ロベルト・オスナやリバン・モイネロら複数年契約の大物投手がいることに加え、2年目の内野手ジーター・ダウンズら、昨季までに入団した選手の飛躍に期待をかけていることがその理由です。
とはいえ資金力はずばぬけていますから、水面下で調査は進めており、必要となればシーズン途中に新戦力の獲得交渉に乗り出すと思われます」(パ某球団スコアラー)
なお、米メディアはすでに複数の選手について、NPB球団との獲得交渉が続いていると報じている。獲得期限の7月末までに何人の新戦力が来日するか、開幕後も注目だ。
取材・文/菊池浩一 撮影/小池義弘 写真/産経新聞社 共同通信社