Netflixアニメ「ムーンライズ」小林千晃が語るオリジナル作品に携わる意味 「学ぶべきことが多い現場だった」

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2025年04月06日 11:10  まいどなニュース

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小林演じる主人公ジェイコブ・シャドウ(ジャック)Netflixシリーズ「ムーンライズ」4月10日(木)より世界独占配信

 「マッシュル-MASHLE-」の主人公マッシュ・バーンデッドや「葬送のフリーレン」のメインキャラクター・シュタルクなど、近年大活躍が続く声優の小林千晃。4月10日から世界独占配信されるNetflixシリーズ「ムーンライズ」でも、主人公・ジェイコブ・シャドウ(ジャック)を演じ、ハードかつハートフルなキャラクターを魅力的に表現している。声優業を始めて約8年という歳月が流れたが「声優になる前に思い描いていた声優像から想像がつかなかった」という現在の状況や、オリジナルアニメーションに声を当てるということのやりがいになどを語った。

【写真】小林千晃は実写ドラマへの出演や歌やダンスにも挑んでいる

オリジナルアニメーションに携わる意味

 原作・冲方丁、キャラクター原案・荒川弘、監督・肥塚正史、キャラクターデザイン山田歩など、アニメ界の錚々たるメンバーがそろった「ムーンライズ」。月への移住が可能となった近未来を舞台に、月の反乱軍が地球にテロ攻撃を仕掛け地球の平和が奪われてしまったなか、月開発事業に携わる大企業の跡取り息子だったジャックが、月への強襲部隊に配属され、月の反乱軍を操るボブ・スカイラム確保のため隊員たちと戦いを繰り広げる姿を描く。

 これまで数々の作品に参加してきた小林だが、特に本作で意識したのが「オリジナルアニメーション」ということ。

 「漫画や小説が原作のアニメーションでは、僕が最初にキャラクターに触れるわけではないんです。読者の方がすでに漫画を読んで『こんなしゃべり方かな』、『こんな声質をしているのかな』と想像力を働かせて見ているんですよね。実際僕も漫画を読みながらキャラクターがどんな声をしているのかイメージしながら読んでいます。でもオリジナルだとそれがない。僕らが最初に表現した声が、そのキャラクターになるんです。ある意味で怖さもありますし、責任感も強くなります」

 さらに、原作がある作品以上に、声優の想像力も試される。

 「原作漫画や小説があれば、そこにヒントがあります。またその作品を読んだ方の感想も知ることができます。インターネットにはまとめサイトもありますし、SNSからいろいろな情報が得られます。でもオリジナル作品では台本をもらって初めて知ることばかり。監督や作り手の方とのディスカッションはとても大事ですし、文字やキャラクターの絵からどこまで想像力を働かせられるかが勝負になります」

 今回小林が演じたジャックはどんなアプローチ方法を試みたのだろうか。

 「ジャックを形作るのが、仲間と宿敵となるボブ・スカイラムの存在。なかでも憎しみや怒りというのはジャックを理解するうえで、とても重要な感情でした。そこに仲間たちの大切さという人間味。この二つの感情をどのように声に落とし込むのか、かなり意識して演じました」

Netflix作品の贅沢な現場

 小林は、2022年に配信されたNetflixシリーズ「スプリガン」でも主人公・御神苗優を演じている。両現場ともに感じたのが、時間的なゆとりだという。

 「どちらのアフレコも、非常にスケジュールがゆったりなんです。今作も18話あるのですが、普通のテレビシリーズの3〜4倍は時間をかけて収録している印象です。時間を掛けられるということは、それだけじっくり丁寧に向き合えるということ。もちろん毎週連続して録っていくことで、キャラクターが馴染んでいくメリットはあるのですが、1話1話の間隔が空くと、その間に台本を読み直すことで、役が熟成されるというか、いろいろな解釈をさらに深く考える余裕ができます。このスパンは人によるかと思いますが、アウトプットするだけではなく、インプットする時間があるのは、僕にとってはとてもやりやすい環境だなと思っています」

 「ムーンライズ」は近未来のSF作品だが、一方でリアルな人間関係も描かれる。年月の経過によって、人が変わっていくさまも生々しい。小林は、2021年には「第15回声優アワード」で新人男優賞を受賞。その後も大活躍が続いているが、声優としてデビューしてからこれまでの期間で自身の変化をどのように感じているのだろうか。

 「日々変化しています。作品を経験して得られたこともありますし、共演した方の素敵なお芝居に影響を受けて『自分もこうなりたい』と思う部分も多いです。その都度、少しずつ自分のなかでの理想の声優像みたいなものも変わってきています」

 自身の変化はもちろん、声優という仕事を取り巻く環境も大きく変わってきている実感があるという。

  「僕が声優という仕事を知った10数年前は、ここまで声優が表に出る立ち位置ではなかったと思うんです。ある意味でアニメはニッチなジャンルであり、舞台挨拶やテレビ出演も、アニメが好きな人に向けてのものでした。でもいまはアニメ以外の番組にもお声がけいただくこともありますし、取材や撮影していただく機会も増えました。すごく幅広い方にアニメというジャンルの声優が浸透しているなと思います」

 小林自身も、声優業はもちろん、実写ドラマへの出演や、歌やダンスを披露する機会も増えてきている。

 「仕事の幅も増えてきています。もちろん、アフレコやナレーションという声だけのお仕事で勝負できるというのは素敵なことだと思いますが、個人的にはいろいろな仕事の機会をいただけるというのは、それだけ可能性も広がるのでありがたいです。僕自身、全然器用ではないのですが、新しいことにチャレンジすることへの抵抗はあまりないので。より多くの方に作品を観ていただくことで、アニメに興味を持ってもらえるきっかけになればと前向きに考えています」

 「ムーンライズ」という作品に参加したことは「大げさではなく、自分のなかで声優人生が大きく変わるきっかけになるような出会いでした」と語った小林。「これだけ骨太の作品で、かつ監督も音響監督もすごい熱量を持って取り組まれている。そんな作品に主役として参加できるなんて、数多くいる声優のなかでも、何人が経験できるか……というぐらい幸せなこと。プロなので『鍛えられた』という言い方はおかしいですが、本当に現場で学ぶことが多かったです」

Netflixシリーズ「ムーンライズ」4月10日(木)より世界独占配信

(まいどなニュース特約・磯部 正和)

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