
NHKの連続テレビ小説「あんぱん」で朝田家の次女蘭子を演じる河合優実。今年に入って日本アカデミー賞、ブルーリボン賞など次々と受賞を重ねて注目を集めている。また映画の出演作に、現在公開中の映画「悪い夏」、4月25日公開予定の「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」、6月20日公開予定の「ルノワール」などがあり、快進撃が続く。
この「河合」という名字は、文字通り「河」が「合」う場所に由来している。「かわ」には「川」と「河」の2つの書き方がある。漢字本来の意味としては、「河」は「川」より大きな流れを指しているが、名字ではそんなニュアンスの違いは考慮していない。
そもそも日本人の9割は農民や漁民といった人達だった。彼らが家と家を区別するために名乗り始めたのが名字で、多くは先に「呼び名」があって後から漢字をあてている。「川」と「河」に違いはなく、戸籍に登録する際にどちらの漢字を書いたかというものだ。
室町時代や江戸時代の庶民は、かなを読める人はいたものの、漢字に対する知識はほぼ持ち合わせていなかった。
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つまり、2つの川の流れが合流する場所を「かわい」といい、そこに住んだ人達が名乗ったのが「かわい」さん。そして、それにあとから「河合」や「川合」という漢字をあてたのだ。
「かわい」にはさらに別の書き方もある。それが「井」という漢字を使って、「川井」「河井」と書くものだ。
「井」とは井戸に限らず生活に必要な水を得る場所のこと。水汲み場や、田んぼに水を引く用水路も「井」である。従って「川井」「河井」とは、川にある水汲み場や川から引いた用水路を指していた。そして、その周辺に住んだ人が「川井」や「河井」を名字とした。
江戸時代以前は、分家した際に名字の漢字を変える、ということが全国でよく行われた。発音が同じだと日常生活では困らないし、お墓などで正式に漢字を書くと分家であることがわかるからだ。
そのため、「河合」さんの分家が「河井」さんになったり、「川井」さんの分家が「川合」さんになったりして、これらの「かわい」という名字はルーツの意味を超えて混交した。さらに「合」や「井」の代わりに「相」という漢字を使うことも多い。
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現在、「かわい」と読む名字は愛知県を中心に東海地方に集中している。特にルーツによる違いはなく、「河合」「川合」「川井」「河井」「河相」「川相」の順に多い。
◆森岡 浩 姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から独学で名字を研究、文献だけにとらわれず、地名学、民俗学などを幅広く取り入れながら研究を続ける。2017年から5年間NHK「日本人のおなまえっ!」のコメンテーターを務めた。著書は「47都道府県名字百科」「全国名字大事典」「日本名門名家大事典」など多数。
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