『第回十九声優アワード 新人発掘オーディション』で5社のスカウトを受けた齋藤こと花さん(C)Deview 才能ある声優の卵を発掘・育成する『第回十九声優アワード 新人発掘オーディション』が15日、文化放送メディアプラスホールにて開催された。最終選考に出場した36名のうち、20名の声優のたまごたちに声優事務所のスカウトの札が挙がった。最終審査のステージで5社からの指名を受けた、神奈川県出身の19歳大学生・齋藤こと花さん(さいとう・ことか)は、「この人がやるなら安心だって言ってもらえるような、信頼のおける声優になりたいです」と意気込みを語った。
【写真】『第回十九声優アワード 新人発掘オーディション』で5社のスカウトを受けた3人 『声優アワード 新人発掘オーディション』は、年度毎に印象に残る活躍をした声優を称える『声優アワード』の誕生とともに産声をあげ、今年19回目の開催。事前に行われた声優事務所による一次選考を通過した36名が最終選考に進出。同日に名だたる声優が登壇する声優アワード授賞式と同じステージを使い、自己PR・テキストリーディング・2人1組でのシナリオリーディング・質疑応答の審査を実施。そして、最終的に20名に参加声優事務所からスカウトの札が挙がった。
この日、5社からのスカウトを受けるという成果を得たことについて聞くと、「このような形式の大きなオーディションを受けるのが初めてだったので、札を挙げていただいた時は本当に嬉しかったですし、同時に嬉しすぎて冷静になって“これは本当に頑張らないといけないぞ”と身が引き締まる思いがしました」と静かに語った齋藤さん。
ステージで掛け合いの演技を披露することができ、「緊張でずっと心臓がドキドキしていたんですが、一方で本当に楽しくて幸せだなって思いました」と、充実の表情を見せつつも、「上手くいった部分もあれば、自分の持ち味やこれまでやってきたことを全力で発揮できたわけではなかったかなとも思っています」と反省。演技について「これから自分の中で留めておくんじゃなくて、人に見てもらって本当に伝わるようにしていきたいなって思いました」と向上心を見せた。
声優という職業を最初に意識したのは、中学3年生の時に観たアニメ『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。「それまで漫画やアニメはただファンとして好きだったんですが、その映画を観てから作品を制作する側に興味を持ち、“演技がやりたい!”と思って、高校で演劇部に入って演技を始めました」と強く影響を受けたのだという。
演劇を続け、芝居を学ぶ中で「自分の武器は“声”かなと勝手ながらに思って、それを大好きなアニメに関わるお仕事で発揮したい」と思うようになった齋藤さん。「昨年夏に参加した舞台で共演した役者の方にも触発されて、“今行動を起こさないと後悔する”と思って、夏が終わってすぐに挑戦できるオーディションを探して」と『声優アワード 新人発掘オーディション』応募のきっかけを教えてくれた。
オーディションの最終選考の少し前にも舞台に出演する機会があったといい、「その舞台の稽古でも、掛け合いセリフ審査の練習になるように、周りの方からもいろいろと吸収することを意識しました」と、オーディションの実際の審査をイメージ。また「ナレーションの審査については、家で大声を出して原稿を読みました」と、本番に向けた準備をして臨んだという。
その甲斐があって、見事5社からのスカウトを受けた齋藤さん。今後について「まずは自分の実力を上げて、自分で自分に納得できたって言えるくらい努力したいと思っています。この人がやるなら安心だって言ってもらえるような、信頼のおける声優になりたいです」と謙虚な回答。演じてみたい役柄や出演してみたい作品について聞くと「私何でも演じるのが好きなので、本当に悩ましいなあ。やっぱり一番、ちっちゃい頃からから親しんできたのがジャンプの作品だったので、ジャンプ作品に出たいです」とはにかみながら語った。
憧れている声優は「やっぱり『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のバイオレット役の石川由依さん」。「自分の原点です。そして、ヴァイオレットが初めて会った人に挨拶するときに、『お初にお目にかかります』って言うんですけど、そのときの可憐さに、その一言で射貫かれます。好きです」と目を輝かせた。