あいかりん「世の中、お金がすべてです。私、お金に対する執着心がスゴイんですよ」
セクシー女優・あいかりんは、親の作った借金3億円を、約10年で完済。この話を聞くと「お金を稼ぐために、すごく頑張ったんだろうな」と想像しますが、本人の話から悲壮感を感じることはありませんでした。
ギャルモデル、インフルエンサー、ヒット歌手、そしてセクシー女優と複数の顔を持つ、あいかりんの生き方を深掘りしました。
◆高校生のときにブログで最高月収300万円
――あいかりんさんの芸能活動のスタートは、雑誌モデルからですか?
あいかりん:はい。『MEN’S KNUCKLE』からスタートして、『men‘s egg』や『小悪魔ageha』など、いろいろな雑誌でモデル活動をしました。
――それまでは、普通の女の子だった。
あいかりん:そうなんですけど、高校生のときからブログは書いていましたね。『クルーズブログ』というのが流行していて。もうその時点でアフィリエイトや、案件でお金をもらっていました。
――それはもう、完全にインフルエンサー的な活動ですよね。
あいかりん:はい。違いと言えば、今は動画がメインですが、当時はまだ動画じゃなくて画像がメインだったことでしょうか。メイクの仕方とか、1枚1枚写真撮影して、画像でブログに掲載していましたね。今から考えると、メチャクチャ面倒くさい作業でした(笑)。
――ブログを始めたきっかけは?稼ごうと思って始めたんですか?
あいかりん:いえ、自分が好きで書いていたんですけど、読者が増えていって、企業から案件ももらえるようになって。「稼ごうとした」と言うより「稼げちゃった」って感じですね。アフィリエイトは最高、月300万くらい行きましたね。
――月300万、高校生で!想像以上の金額で、驚いちゃいました。
◆父親の会社が倒産して、抱えた借金額は3億円
――読者モデルも、ブログの活動の流れで声がかかったんですか?
あいかりん:いえ、モデルは東京で買い物しているときに『MEN’S KNUCKLE』の編集長から名刺を渡されて。「グラビア部門もやっているから、撮影に来てください」って言われて、そこから始まりました。
――じゃあ、ブログは関係なく声をかけられたわけですね。ブログとモデルを並行していれば、かなり稼げたんじゃないですか?
あいかりん:モデルは交通費程度でしたけどね(笑)。でも雑誌に出るようになって、ブログの読者も増えたので、稼げるようになったのはたしかです。
――じゃあ、高校生としてはありえないほど稼いでいた、と。生活が贅沢になっちゃいませんでしたか?
あいかりん:いえ、もともと私、あまりお金を使うような生活に興味がなくて。それにお金は、実家の借金の返済にほとんど回していたので……。
――お父さんの会社が倒産して、借金を背負ってしまったんですよね。具体的な借金額はいくらですか?
あいかりん:3億円です。
――3億円……!それじゃ、贅沢どころじゃないですね。
あいかりん:会社の倒産は高校生になってからだったんですが、その前に母親も大金を知人に貸したのに返してもらえなくて、家で泣いている姿も子どもの頃に見ていたんです。お金への執着は、そこから生まれましたね。
◆自分から「元ギャルモデル」セクシー女優としてデビュー
――会社の倒産前は、社長令嬢として一般的な家庭よりは裕福な生活を送っていたわけですから、不安があったんじゃないですか?
あいかりん:めちゃくちゃ不安でした。でもだからって、将来なにをして稼ごう、どうやって借金を返そう、とかはなにも考えていなくて。そんななかで、モデルのお仕事の現場でほかの女の子が「セクシー女優になろうかな」って話しているのを聞いて、私も「セクシー女優、いいかも」って思ったんです。
――それがデビューのきっかけですか?
あいかりん:はい。でもその子が先にデビューしたら二番煎じになっちゃうから、すぐにデビューしようと思って。事務所も数か所連絡して、一番条件が良いところからデビューしました。
――やっぱりセクシー女優デビューは、借金も影響していましたか?
あいかりん:それはやっぱり。知名度をアップさせれば、セクシー女優としても話題になれるだろうな、って考えはありました。
――実際、かなり反響があったようですね。
あいかりん:はい、ありがたいことに話題にしてもらいました。でも「モデルの恥だ」みたいな批判的な声も多くて、そこは傷つきましたね。
◆母親の経営する雀荘から親バレしてしまった
――10年近く前ですから、セクシー女優に対してマイナスイメージのほうが圧倒的に強かった時代です。借金の話はしていなかったんですか?
あいかりん:当時は表に出していませんでした。だから、ただ単に「ヤリたくてセクシー女優になった子」だと思われていたんでしょうね。でもそんな人ばかりじゃなくて、今でも当時のモデル仲間で偏見を持っていなかった子とは仲良くしています。
――それは良かったです。デビューの件は、ご両親には相談したんですか?
あいかりん:いや、やっぱり言いづらいですよね。でも当時、母親が雀荘を経営していたので、お客さんから伝わっちゃいました。「娘さんがセクシー女優で」みたいに言われているのが、一番心が痛かったです。
◆インフルエンサーとしての知名度アップのため、セクシー女優に復帰
――セクシー女優としては、デビューから1年くらいでフェードアウトしています。でも2023年に突然復帰していますよね。その理由は?
あいかりん:1回引退してから「キングラビッツ」というグループで活動していたんです。
――「イイ波のってんね〜!」で話題になった、セクシー女優グループですよね。
あいかりん:はい(笑)。そのグループが2021年末に解散したんです。それまで、復帰も頭にあったんですが、復帰してしまうとグループ活動に集中できなくなってしまうので、やめていたんですよ。でも解散したから「じゃあ、もう1回出ておこうかな」って。
――復帰して、ファンの反応はどうでした?
あいかりん:「うれしい」って声が多くて、良かったです。「もっと出てください」とも言われるんですけど、今のところ復帰して2本撮影して、お休みしていますね。でも気分次第でまた出演したくなると思うので、気長に待っていてほしいです(笑)。
◆「稼ぎたい」ではなく「やってみたい」が、行動の原動力
――ちょっと話は戻りますが「キングラビッツ」は、あいかりんさんが中心になって結成したんですよね。動機としては「これで儲けるぞ!」という気持ちだったんですか?
あいかりん:それが、全然(笑)。当時、セクシー女優だけの複数人グループってほかになかったんです。「ないなら、やってみたい」って思い付きで、部活感覚でスタートしたんですよ。だから「売れたらラッキー」くらいの気持ちでした。
――お話を聞いていて面白いと思うのが、あいかりんさんは「お金に執着がある」という割に、活動の根本がお金じゃないんですよね。自分がやりたいことを始めたら、そこにお金が付いてくるって感じで。
あいかりん:たしかに、そうですね。「稼げるかわからないから、やらない」じゃなくて「とりあえずやってみたら、なんとかなる」って考えで動いているイメージでしょうか。
もちろん失敗するかもしれませんが、失敗は失敗で勉強になる、と考えています。だから「とにかくやってみる」のが大切かな、と思いますね。
◆3億円の借金を約10年で完済。でも「賞味期限が切れるまで稼ぎます」
――もし「自分にはなにもないんですが、お金を稼ぎたいんです!」と聞かれたら、なんて答えます?
あいかりん:「やってみたいな」ってことを何個か考えて、期限を決めてやってみたらいいんじゃないかと。失敗したら失敗したで、そのとき考えればいいんじゃないかな、シフトチェンジはいつでもできますし。
――なんだか、経営者インタビューみたいになってきました(笑)。最後にお聞きしますが、結局3億円の借金は返済できたんでしょうか?
あいかりん:はい、10年近くかけて返済できました。親からは「本当にありがとう」「これからは自分のための人生を生きてほしい」って、泣きながら感謝されましたね。
――親孝行そのものじゃないですか。
あいかりん:「もう、苦労かけさせないでよ」って感じですけどね(笑)。でもようやく肩の荷は下りたので、あとは自由に稼いでいこうと。借金は返済しても、やっぱりお金への執着心は消えないんですよ。だから頑張って、賞味期限が切れるまでは稼ごうと思います。
<取材・文/蒼樹リュウスケ 写真/本人提供>
【蒼樹リュウスケ】
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター